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閑話休題 その① 仕事の心構え

実話小話第一弾。短いです。

台風で、休校になり、テレビで台風情報を三人で観ていた時だった。

しもべBが突然、こんな事を言い出した。


「将来は、言われた事だけをやってればいい仕事をしたい」


とっさの事に、台風から頭の切り替わっていなかった私は、何か重要なとんでもない事を言われた気がするのだが……と、反応が遅れた。


「そんなの、つまんないじゃん」


すかさず返答したのは、しもべAである。


いや、待て。その返答もどうかと思う。ますます反応できない私を余所に、しもべ達の会話は続く。


「だってさあ、俺にそれ以上の事が出来るとは思えないんだよねえ」


ふむ。確かにBは、想像とか創造とかが極度に苦手ではあるから、自分を良く分析している。だが、将来に対して、あまりに目指すレベルが低すぎないか? 第一、そんなやる気のなさそうな社員は、どこの会社だって採用すらしないだろう。ようやく台風から頭を切り替えた私が、口を開こうとした時、またもAが話し出す。


「やっぱさあ、仕事って、楽しいのがいいじゃん。言われた事だけやってるなんて、つまんない」


Aよ。言われた事を言われた通りにやらなくて、後になって泣いてるのは、お前じゃないか。言われた事をそのまましっかりやるのは、基本中の基本だ。その上で、工夫とか改善とかして、上乗せの成果を出すのだ。


私は、悩み始めた。どうして同じ親から産まれたのに、こうも正反対な性質を持った子供に、育ったのだろうか? 反面教師はあるだろう。ただあまりにも極端に離れ過ぎている。育て方を間違えたのだろうか。いまさら育て直す訳にもいかない。頭痛がしてきたが、とりあえず、たった今のこの重要案件を片付けなければ。

段々と酷くなる頭痛に、負けるものか、と、ようやく私は口を開いた。


「Bよ。言われた通りにやるのは当たり前だ。その上で、それ以上の成果を出して、初めて評価されるものだ。それからAよ。基本のできていない奴が何をしても、評価はされないのだよ。」



頭痛で下を向いていた私が、重い頭をあげると、既に会話は終わったとばかりに、ゲームをしているしもべ達の姿があった。



全然、これっぽっちも、聞いてないじゃん!!



なんだかとっても泣きたくなった。

本日の教訓


鉄は熱い内に打て!


え? 何か違う? 

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