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ステビアの願望

「玉の輿って、具体的にどーゆーとこへお嫁さんに行きたいんですか?」


 気になったので、ステビアに尋ねてみました。


「ふふん、聞きたい? まあ当然よね。可愛い私のこと、気になっちゃうわよね」


「おお、気になる気になる。お前のそのぶっ飛んだ性格は大いに気になるわ」


 リコリス……、言葉の選択はもう少し柔らかいものを選んだ方がいいと思います。


 だけど、ステビアは特に気にした様子もなく、ご機嫌で語り出しました。


「そうねー。まずは身分かしら。私は子爵の家だから、最低でも伯爵以上よね。できたら王族なんて最高よね! でも貧乏貴族は嫌よ。貧しい暮らしなんてごめんだわ。私はいつでも綺麗の着飾っていたいの。綺麗なドレスに美しい宝石! 私を輝かせるもの。その為に肌や髪の手入れにマナー、いつも準備に余念はないわ」


「ほう、その痛い言動はいいのか」


「いたい? 私どこも別に痛くなんかないわよ」


「……リコリス、やめてあげてください」


 ステビアは少し頭の回転は良くないようです。


 ただ逆にそれはそれで可愛いかも、ですね。


「え、と。じゃあ相手そのものに望むことは? 優しい人とか、年は近い方がいいとか、かっこいい人がいいとか?」


「え、そうね。暴力を振るわれるのは嫌だけど、そうでなければなんでもいいわ。私の好きにさせてくれる人なら」


「そりゃもう必要なのは旦那ではなくて、地位のある金のなる木ってことだな」


「? 木なんか欲しくないわよ?」


「……リコリス」


 やめてあげて。ステビアは皮肉を変換することができてません。


「でも、そう言えばここの王族って」


「そうだな。今のところ結婚適齢期の者はいないんじゃないか。まあ、年下ならわからんが」


「アルメリアの一風変わった制度で、王族は十三歳の誕生日が来るまで王宮外で育て、公表しないというものがあるんですよね。だから、公表されるまでは国民にはその存在自体わからないと。なんででしょうか」


「それは、昔、暗殺を、阻止する為、に、始めたもの、と言われてるわね……。今は、その慣習を、伝統として、続けている、といったところかしら……?」


 思わぬところから、返答が返ってきました。


 絶世の美人さん、シレネです。


「あ、あなた!」


「はい?」


「私あなた嫌い!」


「はい?」


 突然のステビアの宣言に、シレネは首を傾げました。


「い、いきなりどうしたんですか、ステビア」


「だって、悔しいけど私より顔綺麗じゃない! 私の玉の輿の邪魔になるもん」


「ステビア……」


 ステビアの考えはどこまでも自分中心でした。


「あら……? でも、その心配は、ないと思うわ。私、もう、婚約者、おりますから」


 シレネはあっさりとそう返しました。



 シレネの相手って、どんな人なんでしょうか。


 ちょっと気になります。

次回に続きます。

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