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白牙の良くある朝の一幕

短めの白牙の事務処理のお話です

 最初の八百刃獣、白牙ビャクガ

 強大な力を持ち、全てを切り裂く能力を持つと言われる、虎型の八百刃獣である。

 そんな白牙の一日は、報告書のチェックから始まる。



 内部情報整理の為の休息時間を終えた白牙が意識を覚醒させると、当然の様に報告書の山が出来ている。

 白牙が本来目を通さないといけない報告書は、この中の一部だ。

 残りは、全て八百刃が毎度の様に逃走している為に回ってきた至急の報告書である。

 溜息を吐きながらも、白牙は、その報告書を読み始める。

 白牙は、癖なのか時々、きになった報告書の中身を口に出す。

「なんだ、萌兵器とは? 可愛い猫耳メイドを敵軍に送り、性病を利用して敵を壊滅させる……。色んな意味で危険な兵器だ、抑制を指示しておこう」

 半ば呆れた顔をしながらチェックを続ける。

「やわらか戦車の実戦投入? キャラクターグッズのやわらか戦車を実戦に投入すれば、戦争意欲が失せて戦争が無くなる。実戦を知らない奴等は、困る。臆病者ほど、戦場では、敵味方共に怖いものは、無い。実験施設でも襲撃させて、現実を見せてやるように計画を送っておこう」

 簡単な計画書を作り、傍に居る下級八百刃獣に渡す。

「魔王との最終決戦に核爆弾を使用する事に対して、神に許可を得ようとしている? 全ての責任を神に押し付けるつもりか。先が無い奴等だな。間延びさせる信託をしておけば、その間に核を使おうなんて馬鹿は、消されるだろう」

 神官に一ヶ月以上の先の日付を指定した信託を下す白牙。

 そうこうしていると、召喚獣の管理をしているスライム型の八百刃獣、百姿獣ヒャクシジュウがやって来た。

「白牙殿、ちょっと相談があります」

「百姿獣殿、了解しました」

 答えてから白牙が小さく溜息を吐きながら、部下を下がらせる。

「お互い立場が出来て、改まった言葉遣いをしないといけないのは、面倒だな」

 百姿獣が苦笑をしながら答える。

「仕方あるまい、我等は、最上級神の八百刃獣の中でも上位の存在なのだから。それより、本題だが、近頃触手系の魔獣が召喚されて直ぐ戻される事が多いらしいが、何か知っているか? コンダクター辺りが、余計な知識を与えて、特殊な触手魔獣の危険な使用の仕方が流れているのかもしれない」

 百姿獣が召喚されて戻された者とされなかった者のリストを見せる。

 白牙が眉を顰めて言う。

「戦闘以外の目的で召喚されてるんだ。金海波様に言って、触手を使った変なエッチの情報を制限する様にしてもらおう」

 呆れた顔をして百姿獣が言う。

「本気で下らんが、あの金海波様が協力すると思うか?」

 白牙が遠くを見て言う。

「それは、大丈夫だ。金海波様は、自分でする趣味だ」

「正直、どうして邪神じゃないんだ?」

 百姿獣の言葉に白牙が言う。

「本業では、有能なのだ。ヤオもそうだが、女性の神には、性格的に問題がある場合が多い」

「本当だな。時間を無駄にさせてしまったな」

 去っていく百姿獣。

 白牙が報告書をチェックしていると、自分宛ての報告書の重要の印に気付く。

「何処からだ? 百爪か、あそこは、異界との繋がりがきついから、あまり情報が来なかったのだが、あいつからの情報で、状況が解りやすくなった」

 映像もついている事に気づいたので表示してみる。

『パパ、こっちの世界で休んでいたママに会いました。元気そうです。この間も宴会でイベリコブタや松坂牛を山の様に食べていました』

 白牙が頭を押さえる。

「何度言ったら理解するのだろう。本当の親じゃない事を」

『ママの着物姿を送りますので、一人寝の夜に使ってください』

 百爪が手を広げると、着物姿の蒼牙の映像が浮かぶ。

 大きく溜息を吐く白牙。

「人間に近い生活をおくりすぎて、この世界では、情報密度が高すぎて、そういった事が不可能な事も忘れてるようだな」

 百爪が手を叩く。

『そういえば、パパ。ヤオ様が、宴会の土産物を持って帰ってきてと言われたから届けたけど、何でこっちにいるか知ってる?』

 白牙が前足を振り、世界の壁に道を作ると自分の分身の子猫を生み出して送る。

「何であの馬鹿は、何でもかんでも自分で動こうとする!」

 この後、白牙の分身の子猫モードが八百刃の端末(本体は、こっちの世界で休眠中)を回収して来るのであった。

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