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鉄砲使い

 ログ アウトをした彼は姉が準備した食事をしながら、頭の中を整理し始めた。

 少しずつ実感し始めたというだろうか? いくら考えてもありえない話であった。


(俺はゲームにはまりすぎで夢でも見たのかな?)


 彼はそのように思いながら首を撫でた。 そしてそこには彼がが女神キャラクターで撫でた指の跡が感じられた。 狭い一部分だけなめらかな感じになっていた。

 周囲を見回した。 相変らず不透明によく見えなかった。 目の前にあるのもまともに見えない彼の視野を考えれば、事故がおこった後引っ越してきたこの家壁にあるしみを見たはずがない。

 コンピュータのヘッドセットを挟まっては見られない所のしみを明確に彼は見た。 それで、近く行って顔を突きつけて見ると、女神の時見えたしみを見ることが出来た。

 女神キャラクターで現実世界にくることができるという事実は明らかだった。


(本当に信じられない。でも現実なのか。)


 彼は混乱するくらい頭が複雑だった。

 今は本当の女神フレイヤになってしまった女神キャラクターを利用したら彼の傷を全部直すことが出来た。

 問題は一番最初にしたいことだが、周囲の人々に説明する方法がなかった。異世界の女神になった? 信じる人もないようだが、信じるともっとこわいものだ。

 宝くじに大当たった人々が苦しめられて夜逃げしたという噂もよく聞く話であった。

 そして、考えてみれば今女神の場所もかなりやばいはずだ。 エルフたちの数がもう少し減ったら、結界を維持できなくなるだろう。女神の力も消えるはずだ。

 タークエルフを支配するフレイとの結着もつける必要があった。


(俺がフレイヤになって何をすることができるかな?)


 しばらく考えてみたが、問題はそんなに簡単ではなかった。 ひとまず存在するのに維持費が入らない女神になったというけれど、実際にはそう簡単じゃなかった。

 ゲートを開いて閉じるたび、女神の力が使われることだ。

 家賃がなくなった代りに、交通費がかかるようになった。

 少なくとも二度、現実世界に訪ねていくと三度は使うことになった。 それに使われる神聖力は一度に約5分の1程度が消耗するようだった。 女神が自身のからだを維持するのに一日掛かるのにくらべて。

 女神が使用できる技術は全部たくさんの神聖力を消耗することになっていた。

 プレーヤーキャラクターとしては力も敏捷も魔力も存在しなかった。

 戦うことが出来ないようになっていた。 元フレイヤも幽霊みたいなものたから戦うことは出来なかったはずだ。

 女神の能力は特別だった。

 人間の肉体を創造するのにかかる費用が1だとすると、人間を治療するのにかかる費用は10であった。 それも死ぬ直前でも、とても小さい傷でも同じだった。

 いっそ死んだあとに、肉体を新しく作ってそこに入れてくれるのがより安いことだった。

 女神の治癒はそれ一だった。 からだ全体を完ぺきに新しい肉体で再構成するということだった。 事故がおこった自動車の場合、修理することより新しく買うのが安い場合がある。 それと似ているというだろうか。

 身体の自然治癒力を高めて治療する聖職者の治療とは違って、完ぺきに効率を無視したものだった。

 もちろん、効果は抜群だった。 死んでいった人もあっという間に生き生きしているようになるから。 だが、価格帯性能比がとても恐ろしかった。

 約10分の1だけ使って一日の間自分を信じる人々の能力を大幅引き上げる大規模祝福が可能だった。 病気に対する抵抗力や自然治癒能力を高めてくれるから必須としても言い過ぎではなかった。

 大きい仕事をするには少なく消耗して、ささいな小さいことに使えば浪費されるということだった。

 10分の1だけでも信頼と忠誠値が高い信者一人を聖騎士や司祭に作れる、彼らを利用して治療をすることが正しい道だろう。

 女神の力は大事。 それを考えるならば、私的な事は後回しにする方が良かった。


(そうだとはしても私のからだを治療することだけは必ずしなければならないけれど...)


 彼が考える最悪のシナリオはエルフらを守ることができなくて神の資格を喪失して、結局自分のからだの治療もできないことだった。

 神の資格を維持するのが優先だが、失敗するならば少なくとも自分のからだだけは直したい。


(共に生きるために...やはり戦うしかない。)


 それほど多くの小説を読みはしなかったが、ゲーム小説を思い出させた。 敵を殺せば殺しただけ強くなるゲームのキャラクターは現実においてはその存在だけでも反則ということができた。

 そして、ちょうどブラッドラインは典型的なオンライン アールフィジーゲームだった。 ブラッドラインでキャラクターを持って運命の世界に訪問した後、ゲートを通じてそちら側世界へ行くことができるかも知らない。


(そうだな。 一人よりは多数が行けばより良いかも。)


 ゲームの能力を持った人々がたくさん異世界で活躍することになると、それでこそすごいものだった。


(だが、誰を連れていくだろう?)


 瞬間的に心がさっと冷めてしまう感じだった。

 彼のご両親が亡くなって保険金問題で親戚らと多くの争いがあった。

 姉が彼を抱いて泣いたことも多かった。 親戚らは彼のことを良く言えば患者扱いで本当はは屍扱いして無視したし、おかげで姉だけ孤軍奮闘しなければならなかった。

 親戚こそ本当に恐ろしい怪物という事実を、人は簡単に信じてはいけない存在という事実を骨に凍みるほど分かるようになった。

 姉もやはり人間不信に陥ったことだし他人に心を開けなくなった。

 親戚らに一度大きく火傷をしたから、世の中がそんなにやさしいものではないと分かることができた。

 人より信じるのが難しいものがなかった。 もし誰かが彼が得た幸運に対してわかったら、横取りしようとするが利用しようとする可能性はあった。これは宝くじとは比較にもならない大きい幸運だったが、それだけ苦境に陥ることもできる危険性を抱いていた。


(慎重に決めなければならない。)


 食事が終わって、しばらく姉と話を交わした後彼は部屋に戻った。 そしてブラッドラインに接続してキャラクターを作った。やることがゲームしかない彼を姉は切ない目で見ながら止めはしなかった。

性別は当然男にやった。

 そして容貌は最大限昔の自分に似させた。 火傷する前の彼が本当の自分だと思う姿だった。

種族はエルフ. 人間たちと敵対して戦争中なので他の種族で作ればあれこれ不便なことに違いなかった。


(エルフとしてはそれほどハンサムな方ではないのか? いやものすごくぶさいくかも…)


 彼は無意識的に微笑を浮かべた。

 名前を定める所でしばらく迷った。 実際に彼の名前を書くことはちょっと照れくさかった。 だが、他人に呼ばれることを考えればやはり自分の名前が良かった。

 次はクラスを定めなければならなかった。

 戦士、弓使い、法司などなどが目の前に広げられた。 ここでしばらく悩んだ。 剣を使う剣士検査あるいは力強い戦士が素敵だと思ったが、そちらはこちらときわめて似た実際の世の中だった。

 敵でも、目の前の人間が自分が振り回した刃物に殴れて死ぬ姿は想像しただけでも不快だった。 少し大きい虫を殺す時も気持ちが悪いが、人間ならばどうだろうか。

 蚊ならば分からないが、ハエも手で打って殺す人はあまりないだろう。 これは道徳性の問題以前の生理的な嫌悪であろう。


(やはり弓使いや魔術師が良いだろうか?)


 迷った彼の目の前にモンスター調教師という職業が見えた。

 彼が直接戦わないから、少しは卑怯だという考えになったがそれだけ心の負担は減るはずであった。

調教師を選んでブラッドラインに接続した。 調教師という職業は他のゲームの猟師とちょっと似ていた。 弓と銃二つのうち一つを使うことができた。


(弓と銃だと、これ果たしてどんな効果が出るだろうか。 銃を持っていっても大丈夫だろうか?)


 フレイヤが与えた情報は彼の頭の中に完全に溶け合ってはいなかった。 彼が集中すれば、あたかもインターネット検索のようにその部分に対して詳しい内容が浮び上がって頭の中に直接伝えられる方式だった。

それも今はできなかった。女神をプレイする時に使うことが出来た。

 前に得た情報によれば、魔法はあるが火薬は存在しない世界であった。 銃や大砲はあるわけがなかった。


(新しい武器を補給するのが本当に賢明なことなのか分からないのに。)


 異世界は人間たちの信仰によって維持される世界だった。 間違って科学文明や文化が流入して信仰心が減ることで、世界が崩壊する可能性もあった。


(変化があったとしても何十年はかかるだろう。)


 下手すると一年内にエルフが一定数以下で減少する状況だった。それは滅亡と同じもの。守護神のフレイヤを失うと、エルフの絶滅は防止できい。

 直ちに急な火は消さなければならなかった。


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