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―第六話ロナの遺跡内部

はい!私はやっと気付きました!私は…一話一話話の区切りが短すぎる!!という事で、少し長くしてみました(まだまだ)

―第六話―


塔の中は、想定わしていたがひどく荒れ果てていた。

壁の所々にある不思議な模様はとぎれとぎれで、

天井には至ところで穴や汚れが目立ち、やはり蔦がはびこっている。

そして暗く、カビのような臭いが鼻を突いた。

ドアだったと思われる穴が数ヶ所あり、ルネットは念入りにその辺りを調べていた。

「ところで、ディオ太。」

思い出したようにガウロが言った。

「あ?」

ディオルは短く答え、ガウロの方を向く。

ルネットの魔法で多少は見えたが、やはり薄暗い事に変わりはなかった。

「お前まだ見えんのか〜?光が。」

「…ぁあ、さっきよりでかくねぇけど、ハッキリな。」

「それはどの部屋あたりなの?」

調べるのをやめ、光をこちらに掲げルネットが言う。

「この部屋じゃあねーよ、もっと上の…」

『ギャオオオオオ!!』

「「「!!!」」」

鋭く大きな叫び声が、ディオルたちの話を遮るようにパラパラと壁の煉瓦を少し落としながら、塔の中にこだました。

「マ〜ジ〜か〜よ〜。

塔の中でまで闇者かよぉ、しかも結構おっきそぉな感じだし…。」

ガウロが言った、声はふざけていても顔は真剣そのものだ。

「ディオル!説明はもぅいいわ!そこまで私達を案内して!」

言いおわるとルネットは、直ぐ様呪文を唱えはじめた。今までの闇者とは違う…そう直感的に感じたのだろう。

「はぁ!?案内って、戦いながらどぉやってすりゃいいんだよ?」

ディオルも剣の塚に手をかけ、横目でルネットを見ながら体をしっかり闇者が来るだろう方角、入り口とは逆の塔の奥の方に向けて告げた。

「もぅ…!!本当にアンタは、戦いは私とガウロに任せて、先に行って!剣で印でも何でも壁につけて進めばいいでしょ!?」

ルネットは呪文を唱え終わり早口で言う、その両手は炎の固まりが燃え盛っているかのように光々と輝いていた。

「チィッ!…わぁったよ!やっと強そうな奴が出てきたってーのに、先頭走んのかよ。」

ついてねーな。ディオルが思った、その時――


ガッシャアアン!!


「来たぞ!行け、ディオ太!」

ガウロの言葉を合図に、サッと腰を低くし

落ちてくる瓦礫をうまくよけながら剣を抜くと、ドア付近に折り重なっていた邪魔な煉瓦を切り崩す。そしてディオルはその奥へと

「早くこいよ!」

とだけ言い、風のように走りだした。

と、同時にそのやや左上の壁を勢いよく壊し、闇者は姿を表した。

先の雑魚と言っていた奴らとは比べものにならない程大きな体は、

軽くディオルの背丈を越え、低めの天井ならぶつかっていただろうと思わせる図太い角が2本頭から生えていた。

体毛は厚く、黒い、顔には血管が浮き出ており

ひどく歪んだ顔をしていた。眼は獲物を捕らえた獣のように赤くギラリと光っている。

「こんなのに大暴れされたら…っと!このボロ塔じゃあっという間に崩れるんじゃね〜の?」

敵が思い切りガウロに向けて腕を振りかざす、が

それを避けて彼は言った。すでに鞘から抜き出した長剣を両手でしっかり持ち構えると、素早くその場から飛び巨大な闇者の懐に飛び込んだ。

『フレア・アロー!』

ガウロが切り込むのと同時に、ルネットの放った

光々と燃えるいくつもの炎の矢が、闇者の顔面に直撃する。煙が上がり、闇者が小さく『グオォ…』

と言ったのが聞こえた。

それを確認すると2人は、目でチラリとお互いに合図し、

ディオルが開けたドアへと一気に走りこむ。

奥は、広々とした廊下が

所々に扉や曲がり角をつけつつ、先が見えないほど長く、つづいていた。

「まずいわね…。」

足を止める事なく、ルネットが言った。

「だな〜、ありゃさすがにちょっとまずいよな〜。」

先程と同じように、いつもの口調なのだが真剣な面持ちでガウロが言う。

「追い付かれるのも時間の問題…てかぁ;;」



何やってんだ?あいつら。

広い廊下を渡りきると、

そこには、石でできた緩やかな螺旋状の階段があった。

「たく…。」

そう言うと、剣を抜き

壁に大きく“Х”と印を付けた。

ディオルらしい印だ。おそらくあの2人なら解るだろう、そう思って。

そして迷わず階段を駆け上がった。

……。

自分でも

不思議だった。光は見えているものの、今や上のほうで、微かに光っているだけだ。

道筋など

もちろんない。

だが、ディオルは迷っていなかった。

『何か』が聞こえたのだ、鈴のなるような、綺麗に響く『声』のような何かが…。

ディオルは一層足を早め

上へ上へと昇っていった。『何か』が

自分を待ってる、

そんな気がしてならなかった。




『デルト・ストーム!』

ルネットが片手を前に突き出しそう叫ぶと、

いくつもの電気でできた球体が闇者を撃った。

「ほっ!!」

ガウロも太い足首を切り付けると、そのまま上へ飛び、闇者のガッチリとした、毛で被われている肩を切る…が、皮膚が驚くほど硬く、何度切り付けても皮一枚程度しか切れなかった。

「くっそぉ〜、かったいなぁコイツ〜。」

これで数度目になるこのやり取りに、疲れたようにガウロが言った。

「倒せないにしても、とりあえず闇者をまかなきゃ、ディオルに追い付けないわ。」

「あ〜…。だな、んじゃ頑張って引き離しますかぁ!俺とルネのダブル☆アタックで♪」

「その攻撃名は絶対にイヤだけど…、そおするしかないわね。」

ゴウッ!!ガウロとルネットのちょうど真ん中目がけて、闇者の腕が襲い掛かってきた、2人はそれをかわし、飛び散る石の破片をよけながら、

ルネットは奥に、ガウロは前に出た。

『デスファ・ラング!』

ルネットは、ガウロが持っている長剣に手をかざし言う。

すると、剣がボゥ…っとオレンジ色の光をまとった。武器強化の魔法だ。

「よし、ルネ!行くぞ!」

「…うん!!」

バッとガウロは勢い良く飛ぶ。闇者は驚き手を上に振り上げた。

『スプリッド!』

即座に呪文を唱えおわったルネットが、タイミングよく魔法を放つ。

刄のような水しぶきが現れ、振り上げられた手を押さえ付ける。

「これで!…少し、おとなしくしてろってぇ〜の!」

ザシュッ!!

身動きのとれない闇者の右目に、強化された剣を思い切り突き刺し、振り下ろした。

『グオオッ…!!』

闇者の右目からは、黒い血が滴り落ちる。

目を押さえると、同時に膝をつきうずくまって、動かなくなった。

「ガウロ!今のうち!早く!置いてくわよ!」

ふぅ〜…。

呼吸を整え、剣を納めつつ振り向くと。

「お〜、Σって!

待てよルネ〜〜。」

ガウロもルネットを追い掛け、崩れかけた廊下を再び走りはじめた。




…ハァ…ハァ。

長く続く螺旋階段は、上に進につれ細くなっていった。別れ道があるところには、印を付けて進む。

ディオルは走り続けていたもぉすぐだ!

あと、少しで…!

ついに階段は終わりを告げ、最上階まで昇りきった。

目の前に、扉はただ一つ

「ここだッ!!」

バァンと勢いよく扉を開ける。

いったいどのくらいの距離を一気に走ったのだろう、体力だけが取り柄のディオルも、さすがに少しは疲れたらしい。片手でかいた汗を拭き取り辺りを見た。

そこは、

言うなら、何もない部屋だった。

他の部屋へ続くドアもなければ、他の場所のようにはりめぐらされた蔦もなかった。

石の壁に囲まれ

ただ、優しい華のような香が妙に鼻をくすぐった。

上を見上げると、天井に近い壁には小さな穴が開いていて


光は

そこから漏れる。


「…一人じゃ昇れねぇじゃねぇか。」

ディオルが壁の前まで来て呟いた、――その時。

「俺が吹っ飛ばしてやってもいいぜ〜☆」

「っ!?ガウロ!」

突然背後から、聞き慣れた陽気な声が掛かり、ディオルは驚いて振り返った。

先程ディオルが入ってきた入り口に2人は並んで立っている。ただ、ルネットはひどく疲れた様子だと

荒い呼吸と上下する肩で見て取れた。

「てめぇ等、ずいぶん遅ぇじゃねーか。」

「バカ…言わないで、これでも、魔法で…すっ飛んできたんだから。」

ルネットが息も切れ切れに答える、空飛ぶ魔法を使ったんだな。と

ディオルは思った。

魔法はとは、きっと誰もが知っている事だが、使う人物が持つ魔力を消費して初めてその力を発揮させる事ができる。結果、魔力を持たぬ者も同じ効果を得るには、魔力を持つ者は倍力を消費し持たぬ者に使わなければならない。

…この場合、ガウロは“魔力を持たぬ者”に当てはまった。

「…で?光の原因は、あの穴の中にあるのね?」

息を整えながら、ルネットはディオルの近くまで来て聞く。

「ああ、…あの奥だ。」

ディオルは何故か高鳴る鼓動を押さえるように、

わざと低い声で答えた。

「じゃあちゃっちゃと行ってこい!闇者が追い付く前にここ出ないと、さすがにまずいぜぇ〜。

ほらっ行くぞ☆」

「はぁ!?おいっ!ちょッッ!!」

いつの間に近づいたのか、ディオルの両脇をガッシリと掴み、上に持ち上げると抗議の声も聞かずに、ガウロは力のかぎり

文字通り、吹っ飛ばした。

「アホかてめぇわあぁぁぁぁぁ…!!!」

「穴んは自分でなんとか入れよぉ〜!ガンバッ☆」

ニコニコと飛んでいくディオルに手を振っているガウロの横で、

「……………はぁ。」

ひっそりとため息をつくルネットだった。

するとガウロは勢い良くこちらを向き、

「さっ!ルネは休憩休憩!俺の分まで力使って頑張ってくれたもんな〜。

見張りやってるから、今の内に休んどけよぉ。」

とニッコリ笑って言った。

「えっ?…あ、ありがと…。」

意外な言葉に焦り、慌ててそう答えると

ガウロはまたも何故か上機嫌に、入り口の方へスキップして行く。

「……?何なの?いったい…。」

そしてルネットは不思議そうにボソリとそう言うと、少しだけ

ガウロに感謝して

冷たい壁に背を預け、その場にストンと腰を下ろした。

ついに次回!あらすじに書いてある少女ミフィア登場です☆どんな子なのかは読んでからのお・た・の・し・み♪です〜!!

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