表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢のスローライフ。辺境で農業をしていたら、いつの間にか溺愛されていました  作者: 黒崎隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/16

番外編2:グリーンヴァレーの子どもたち

 セリーナがグリーンヴァレーにやって来た日、泥だらけの彼女を遠巻きに眺めていた子どもたちがいた。その中の一人、アンナという名の少女は、特にセリーナのことが大好きだった。


 アンナは、セリーナが初めて野菜の芽を出させて涙した日も、収穫祭で村人たちと笑い合った日も、いつもその傍にいた。アンナにとって、都会から来た美しくて優しいセリーナは、物語のお姫様そのものだった。しかし、そのお姫様は、誰よりも土を愛し、力強く生きていた。アンナはそんなセリーナの姿に、強い憧れを抱くようになった。


 セリーナが農業学校を設立すると、アンナは最初の生徒の一人として入学した。セリーナから直接経営学を学び、エドワードから農学を学んだアンナは、めきめきと才能を現した。彼女は卒業後、セリーナの農場で働き始め、やがては「グリーンヴァレー・コンソーシアム」の重要な幹部の一人となった。かつてセリーナに憧れた小さな少女は、今や彼女の右腕として、その夢を共に支える存在になっていた。


 もう一人、トムという腕白な少年がいた。彼は最初、セリーナのことを「気取ったお嬢様」だと馬鹿にしていた。しかし、彼女が毎日懸命に畑を耕す姿を見るうちに、次第に尊敬の念を抱くようになった。特に、エドワードが開発した灌漑システムを目の当たりにした時、その革新的な技術に心を奪われた。


 トムは農業学校で土木技術と機械工学を学び、卒業後は新しい農機具の開発に没頭した。彼が発明した効率的な種まき機や収穫機は、グリーンヴァレーの生産性をさらに向上させ、王国中に普及した。彼は、エドワードの技術を受け継ぎ、さらに発展させる天才発明家として、その名を轟かせた。


 アンナやトムのように、セリーナとエドワードに影響を受けた多くの子どもたちが、それぞれの道で大きく羽ばたいていった。ある者は、グリーンヴァレーの野菜を使った絶品料理を出すレストランのシェフになり、またある者は、王都でグリーンヴァレーの産品を売る敏腕商人となった。


 彼らは皆、口を揃えて言う。「私たちの故郷、グリーンヴァレーは世界一だ。そして、私たちの誇りは、セリーナ様とエドワード様だ」と。


 セリーナが蒔いた種は、野菜だけでなく、子どもたちの夢や未来という形でも、豊かに実を結んでいた。グリーンヴァレーの希望の光は、次の世代へと確かに受け継がれていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ