オリジナルの苦行、頑張ってね・1
今回から委員会活動編。
新人の冒険者ではないので、薬草採取はしません。
よく晴れた日の放課後
ヤマト高校の正門前に、美化委員会のメンバーが集まっている。
外塀周りや校内の植栽は、毎月 専門の業者さんたちが整えているが、正門周辺のゴミ拾いと草むしりは美化委員会の担当である。
美化委員会は毎月 清掃活動をしているが、二ヶ月に1度の当番制という、のんびりペースである。
「じゃあ怪我に注意して、取れるだけやってくれー」
担当教師の掛け声と共に、ゴミ袋と軍手を持った委員たちが、植え込みから飛び出すように生えた草を抜きにかかる。
「黒木ちゃんは相変わらずの重装備だねぇ、今すぐ戦に行けるよぉ」
「今から戦って…私、体力無いので足軽は無理ですよ」
「そっかぁ、残念~」
おっとり口調の副委員長・船木先輩は合戦が好きな歴女なので、空き缶を拾いながら時々「…この首の数なら、お館様も喜ぶはず…」等と呟いていてもスルーされている。
そんな船木先輩から『重装備』と言われた花さんは、頭と首にタオル・軍手に草刈り鎌を装備中。
ちなみに、タオルと軍手は私物、草刈り鎌は学校の備品である。
◇◆◇◆◇◆◇
1時間後
「忘れてた……黒木よぉ……お前、コレで『あ、もう終了時間ですか?』はないやろ……」
「え?でも、今日は1時間で取れるだけ…ですよね?」
「ふふっ、黒木ちゃんに 本気出せる道具とか 時短できる道具(火炎放射器)とか持たせてみたいわぁ」
「「持たないから!!」」
除去された草でパンパンになった、ポリバケツ用ゴミ袋が3個、不思議そうに首を傾げる花さんの横に鎮座している…
担当教師は、うっかり忘れていたのだ。
『草むしりの日、黒木に大きい袋を渡してはならぬ。渡したら、渡したぶんだけ刈ってくる。業者の如く』
「うん、まぁ、取ってくれたんだから助かるし仕方ない…片付けたら、ゴミの引き取り時間まで休憩しててくれ」
「「「「はーい」」」」
委員たちがそれぞれ手分けして後片付けをしていると、
「あーーーっ!!!えみぃの大事なスイーツが全部無くなってるーーーっ!!!盗られたーーーっ!!!」
【モンスターが現れた!!モンスターは叫び声を上げている!!】
クロキ ハナ Lv:???
装備武器:草刈り鎌・???
使用可能魔法:???
使用可能アイテム:???