見つからなければ最強……かもしれない技の1つ(後)
7割まで書いた直後に操作ミスで全文消去!画面が真っ白になったよ……(涙目)
花さんside & かくれんぼ終了です。
~ 花さんside ~
ピョロロ~~♪
「100までカウトダウン開始ですよ~~」
タイマー係に呼ばれている先輩女子に笑顔でサムズアップされ、「誰だっけ?」と首を傾げつつ、安達・上杉・青山の3人が中庭に背を向けているのを確認したら、手近なベンチとゴミカゴの側へ歩いていく。
(さすがにベンチの下やゴミカゴの中は無理だよね……うん、知ってたー!(笑) 雨樋は登って折れるとヤバいし、移動するのが丸見えだからパス! 花水木は小さくて登るとか可哀想だし、楠の木はデカ過ぎるし………あれ?……あ~……ちょっと無理があるかなぁ?でもアホは焦るし……想定通り、隠れ場所は植え込みオンリーになるね)
腕組みをしてゴミカゴの前に立ったまま動かないせいか、
「やる気あんのかー!」「男に勝てるわけねーだろ!」「バーカ!」とヤジが飛ぶ。
「聞こえねーのかよ、バー……」
ぐりん!ギロッ!
「ぅひぃっ!」
野次馬ギャラリーの中から「バカ」と言った男子を的確に見つけ睨むと、変な声を出した。
そのまま睨んでいると、周りの野次馬たちが無理矢理 頭を下げさせたので、植え込みのチェックに戻る。
花さんは『普通』と思っているが、『普通の女子高生』は肩越しとはいえ、いきなり首だけ回して睨んだりしない。フクロウやホラー映画ではないのだから……
途中で友人たちからの、
「黒ちゃん本気出して~」「本気でヤっちゃえ~♪」「基本装備の移動用ダンボール箱、いる~?」
「ダンボール箱に隠れて移動……って、傭兵のオッサンと違うわ!」
応援で微笑ましく?和ませてもらい、
(カウントも60越えたし、そろそろ隠れますか。深く静かに潜って進め、だね。久しぶりに本気出すとしますか)
友人たちに軽く手を振り、植え込みに並ぶツツジの間に入って しゃがむと目を閉じ、ゆっくり深呼吸を繰り返す…………
…………息を止め、目を開き、しゃがんだ姿勢から腰を浮かせ低姿勢、前傾気味に……軽く息を吐き、校舎の外壁と植え込みの隙間を走る
◇◆◇◆◇◆◇
「………ど…行っ…んだ…!」
「…………探し…………、なん…何処………………だ…!」
(………………ん?)
「見…………いってオカシイだろ!? 」
(…………うるさいなぁ…………あぁ……まだ見つかってなかったのか………5分経過……仲違いしてる場合じゃないんだけどなぁ~)
一応 乙女なので、涎が垂れてないかチェック……オールグリーン!
そのまま動かず、密集したツツジの枝越しに声の方向に耳をすます。
(なんか知らんけど、野次馬に八つ当りしてる。先生方!なに煽ってんですかー!? …あ、木の上にいると勘違いしてる。フハハハッ!諸君、残念だが、それは私ではない。ワンダーフォーゲル部の黒いトレーナーさんだ)
【部活用 掲示板】
○月○日に風で飛ばされた大事な黒いトレーナー(XLサイズ)を探してます!
見つけた人は部室か職員室までお願いします!
ワンダーフォーゲル部より
(そろそろ終了……だけど油断はしないぜ!それにしても手分けしたほうが効率良いのに、ずーーっと3人一緒に探してるよね……仲良しかっ!(笑) 山ちゃんたち漫研から腐ネタにされるかも……っと!静まれ静まれ~~妄想の波~~………………ふーーー……さぁ、最期のゲームを始めようか……)
毒は吐くが、妄想は滅多に吐かない花さんも、ガッツリ中二病の沼に浸かっているのである。
残り2分になると同時に、ツツジの間から じわりじわりと這い出し、目の前のベンチとゴミカゴの後ろに移動、膝を抱えて座る
焦った様子で辺りを見回す安達がこちらを向き、目が合う
「クッソ、なんでいねーんだよ!あっちか!? 」走り去る安達
「ここ、まだ見てないよな!? 」「オレこっち見るな!」私が隠れるベンチとゴミカゴの横を通り、さっきまで隠れていたツツジの植え込みを乱暴に探す上杉と青山
「おい!あそこ!スカート見えてるぞ!早く来いよ!」「よっしゃギリギリー!」「オレたちの勝ちー!」
違う。またしても残念だが、それは私が昨日の放課後に刈り取った毒消草さんだ
「なんだコレ!? 草かよっ!」「ふざけんなっ!」「何処なんだよっ!」
ピョロロ~~♪
「終了ですよ~~」
◇◆◇◆◇◆◇
悔しさで俯く3人をチラ見していると、
タイマー係の先輩女子から「黒木さ~~ん、もぅ出てきてもいいですよ~~」
友人たちから「クロキっちゃんブラボー!」「忍者みたいに消えてた~!」「え、やっぱり忍者なの?」
つい「忍者と違うわ!」と返したけど、
「え?どこから声した?」「どこにいるの?」と野次馬ギャラリーがザワついている。
先輩女子と、双子?みたいな女子……えーっと、照井さんと斉木さんだっけ?
あれ?3人で「あの辺よね?」「あっちかな?」と、私が隠れてる場所の、両隣のゴミカゴを指差している?
なかなか定まらないので小さく手を振ると、「ああっ!? 真ん中だったのー!? 」良かった、気付いた。
先輩女子は、「今から黒木さんが出てきますよ~、こっちにおいで~」と不貞腐れる3人を促して連れて来たけど……ベンチの前で止めちゃったけど……え、この距離と位置で私が立ったらヤバいんじゃない?
「はい、どうぞ~~」
いいのか?仕方がない、足が痺れてきたしね!
「ここでーーす!わかった「「「いぎゃああああぁぁぁーーー!!!!!」」」……かな……?……え、そんなにビックリしなくても……えぇ~!? アンタら大丈夫……?」
それからしばらくの間、友人たちから「透明になれる忍者の人」と呼ばれた。
解せぬ……
低姿勢の忍者走り……わかり難かったらスミマセヌ……orz
後日談は未定……