絶対悪と絶対善・・・交わることがない者たち
ブックマークの登録に評価をお願いします。
出来れば感想もくれると嬉しいです。
アーリマンはそれからは虐殺と破壊を繰り返す日々を始めていた。それが始まってからはいろんな種族が殺されてゆきアーリマンに従う種族はすべて残虐性が高い種族のみとなりそれに対抗するために生き残っているほかの種族はすべて連合を組みこうして絶対悪と呼ばれているアーリマンと後に絶対善と呼ばれるアフラ・マズダーの戦いが始まったのである。
その戦い、戦争は余りにも悲惨な出来事であり両陣営の死亡者は八割以上超えても戦いが続いていたのであった、それはどちらか完全に滅ぼすまで続けるように戦いが終わる気配はしていなかった。
ここでアフラ・マズダーが戦いを終えさせるためにも被害が相当出る敵本陣に向かって突撃をすることにしたのであるがそれは簡単そうにわかる作戦だが想像以上の被害を出しながらもついにアーリマンがいる本陣までたどり着くことに成功したアフラ・マズダーが
「アーリマン、とうとう見つけたわ。私はもう弟としてあなたを見るつもりはない、一柱の邪神として滅ぼす」
「それは良かった、俺はあなたを姉などもう思っていない。俺の計画に邪魔をする一番の障害物だと思っているからな。さあ、さっさと勝負してお前の息の根を止めてやろうか」
そう言い終えるとお互いは殺し合いの準備をし始めた、もう両者とも血を分けた者だと思わずにただ目の前の相手を殺すことしか考えていなかった。
勝負が始まった、お互いに戦いに明け暮れて戦闘が非常に激しいものとなっていた。どちらが勝っても可笑しくない勝負でそのすごさの証拠に周りの地形は二人の戦いのせいで変化しておりまさしく頂上決戦とふさわしい勝負をしていた。
だが、次第にアーリマンが疲れ始めたのか動きが遅くなってきてそれを感じたアフラ・マズダーはここを逃がしては一生勝機が来ないと思いここで攻勢をして攻撃をやめずに戦っていた。
そしてついにアーリマンに対して致命傷を負わせることに成功したのであった、もう致命傷を受けて戦える体ではなくなったはずのアーリマンはそれでもなお戦おうとしていた。どうしてそこまでして戦うとアフラ・マズダーはアーリマンに対してそう質問をするとただアーリマンは
「憎いから・・この世がすべて憎いからだからすべてを殺すまでは死なない、俺を・・・茜を否定したこの世界を滅ぼすまでは死んでも死にきれない」
その瞳には復讐、怒り、憎しみが込められていた、それを見たアフラ・マズダーは本当にここでアーリマンを殺すことが世界のためになるのかと思い始めた。
確かに許さないことはアーリマンはしてきたがだがそれはすべて彼のせいなのかと言われるとアフラ・マズダーはそうではないと感じていた。もし、親から愛されていたら。もし、好きな人と一緒に平和に暮らしていたら彼はこのようなことはするようなものではない。今の彼を創り出したのはほかでもない私たちなんだからだから彼を悪として殺していいのかと必死に考えていると。
アーリマンは良いのかこのまま逃げればまた俺は虐殺をするぞと言ってきたので私はそんな行為を許すわけにはいかずについに実の弟の心臓を剣で貫いたのであった。そしてアーリマンはその場で倒れたのである。
私はもう一人の姉として戻って良いよねと思いながら弟に対して泣きそうな声で叫んだ。
「どうしてなの、どうしてあなたがこんな風になってしまったの。どうしてもっと早く私は気づいてあげれなかったの・・・ごめんなさい、アーリマン」
そうして我慢が出来ずに涙を流して死にそうな弟を見ていた。すると初めて私に対してお願いをしてきたのである。
「・・・アフラ・マズダー・・・いや、姉さん。俺は魂を壊されて完全に滅んでも良いでも・・・でもどうか茜だけは、転生するだろう茜だけはこう不幸にさせないでくれ。そして茜だけは生まれて良かったとそんな人生を送らせてほしいだ、それさえ叶えばもう俺はこれ以上世界を壊すつもりはないから」
そうそれは愛するものが今後、幸せな人生を送れるように願っている只の優しい弟の姿がそこにはあった。私は弟に対して必ずその約束を守って見せる、もし破るようなことがあればいつでも私を殺しに来なさい抵抗なんてしないからと涙を流しながら言うと弟は生まれて初めて私に対して笑みを見せて
「そうか、姉さんならばそうしてくれるから・・・安心した、姉さんどうか、茜をお願いします」
弟であるアーリマンはそう言い終えると私の腕の中で静かに息を引き取った、私は涙を流した、この世界でただ一人の血を分けた者が今、死んだのである。涙が枯れるまで泣き続けてこの戦いは終焉を迎えたのであった。
その後の戦後処理として弟の魂はほとんど消滅をさせられたのである。完全に消滅は不可能で残った魂の欠片は厳重に封印をしようとしていた。もちろん私は反対したが周りの者たちはほとんど封印するように賛成した。
しかし、ここで前の戦いでこちらの勝利に導いた指揮官である男が私の意見に賛成をしてくれたのである。だが、みんなはどうしてだと言ってその男に対して問いかけてみると
「そんなことを言わないといけないのか、簡単な話だ。その策が下策だからやりたくないだけだ、自分は前にも言ったが未来から来た者でね、こんな風な事例をいくつも知っているが力で抑えても力でやり返されるだけだ。簡単な事例では厳しい法律を作り力でねじ伏せようとした秦帝国は初代皇帝が死んでからあっという間に滅ぼされることになる。お前たもそんな風になりたいのか」
男の話で納得をするものが少しずつ出てきたがそれでも反対者が多く、声をあげて否定をしていたが
「そうですか、ならば自分にも考えがございます。アフラ・マズダー様、この戦いで功績をあげた褒美を出すと言っておりましたね。どうか、このアーリマンの魂の判決を自分に委ねてもらってもよろしいでしょうか」
もうこれを聞いた反対者たちは正気なのかと言ってきたがここで男が自分は正気ですよ、それにこれが褒美となればあなたたちがいろいろと準備をしなくて済むのではありませんかと言ってきたが完全に反対をする者たちに挑発をしていたがここでさらに男が
「もしこれを断れば今後、この戦いに勝利に導いた最大の功労者を何も褒美を与えない者たちと後世まで伝えられますよ。何と器が狭い神々たちことやらとね。後は蛇足ですがここで自分を殺そうと思わないことですよ、今ここで殺せばアーリマン並みの悪事として歴史にそう書かれると思いますから。自分はアーリマンと悪名が並んでも構わないというのでしたら別に良いのですがね」
これを言うと周りの者たちは全員黙り込んで男に対して睨みつけていたが最大の功労者なのは間違いなかった。この戦いは彼が指導をしなければ負けていたからそれはこの場にいる全員理解をしていたのでこれ以上何も言えずに黙り込んだ。
その結果、残った魂はそのまま放浪させてほかの者たちと一緒に転生をさせることにしたのだった。私は男に感謝を言うと返ってきた言葉は
「別に気にしないでください、自分は当然なことをしたまでです。これはすべての者たちのためにもなるはずですからアフラ・マズダー様にアーリマン、そして生き残った神々たち、アーリマンに付き従っていた妖怪たちのためですから別に感謝をされることではありません」
男は笑顔にこう言い返したのであった、私はでは元の時代、世界に帰そうとしていたら男がもし感謝の気持ちがありましたらお願いがあるのですがよろしいでしょうかと言ってきたので私は別にいいですよ、言ってみてくださいと言ったら
「では早速・・・できれば元の世界に帰ったら元の世界にいる不幸な子供たちを幸せにしてください。自分一人では限界がありますからどうかこれだけはお願いします。後は蛇足みたいになりますが宝くじ、一等が当たるようにしてください。パチンコを十回連続勝利できる幸運を、自分がインターネットに投稿している小説が書籍化、漫画、アニメ化になるようにしてください」
前者がとても良かっただけに後者がとても欲望に忠実である、それは良いことなのか悪いことなのかわからないがそれも人らしいと言うべきだろう。そうして別れる前に私は彼の名前を聞くことにしたのだった。本人は教えたくないらしいがそれでも別名でも良いから教えてほしいと言うと男は
「・・・蝮、自分は腹黒い性格で無理やりでも己の信念を貫こうとしていから自己中ででも無駄に実力もあるが残酷性もあるために人類の蝮とも、歴史が好きな人からは人中の蝮とも呼ばれている。元ネタは人中の呂布、馬中の赤兎馬と三国志ネタと戦国時代で悪党であった斎藤道三の異名、蝮からきていてそう言われている。アフラ・マズダー様は神様だからいつかその目で見れると思いますから見ておいてくださいね」
そう言って男は元の時代に帰ったのである。私はそれからは世界の復興のために動き出したのであった、弟や茜ちゃんたちが転生して幸せに暮らせる世界を作ることが私、善神・・・いや、一人の姉として出来ることでだった。
その時に私は下界でとある場所でかつて男が言っていた秦帝国と言う物が誕生してはすぐに崩壊が始まったのである。それを見て私はならばあの男の出身の国はその海を渡った先にあるあの島であるかと思い私はその場所が気になって偵察も含めた理由をつけて降臨したのであった。
その場所こそが後に玉置神社になったこの場所になるところだった。降臨した私を見て人々は一斉に頭を下げてきたので私はその人たちにいろいろと教えては神力で人々を救い神として認めてもらっていた。その時に神々の立候補となりそうな者たちを集めて神になるための教えを始めた。
これこそが後に神様学園と呼ばれる最初の一歩であり、最初の生徒は少なくわずかだったらしいがそれが天照大御神、須佐之男命、ツクヨミと有名な神様たちを育て上げたのだった。そして時代は流れて舞台は平和な日本になっていた。
そこでアフラ・マズダーはついにアーリマンの生まれ変わりを発見することに成功をしたのであった。その人物が映りだされて見ていた桃花は驚きの余りで声が出せないでいた。
それもそのはずである、アフラ・マズダーがアーリマンの生まれ変わりとして見つけた相手は桃花の最愛の人、島津将希だった。