彼女との出会いですが・・・自覚はなしです
ここにいた彼女と軽く自己紹介を終えたと思っているとよく考えたら彼女の名前が違うような気がしていた。彼女は親友の後に紹介していたはず、確か番号はあいうえお順だったはずだから少なからず足利ではないと思い俺は彼女に聞いてみた。
「すみません、もしかしてそれは偽名でしょうか。確か俺の親友の後に紹介されていたはずですから足利ではないと思うのですが・・・それとも俺の勘違いなのでしょうか」
「へーえ、落ちこぼれでもそれぐらいは分かるんだ。てっきり落ち込んで聞いていないと思っていたよ。でも本名は基本的に教えたくはないからもう言わない」
そうですかと言って落ち込んだがここは話を聞いていなかった自分に非があるので言い返せずにそのまま座っていた。それでもせめて少しでも仲良くしていきたいと思っていた俺は話し始めた。
「まあ、名前は話を聞いていない俺が悪かったですからしょうがないですね。それでも少しでも仲良くしていきませんか。その偽名はもしかして何かのオンラインゲームのキャラの名前ですか。実は自分もそれなりにやっておりましていろんな名前を考えていたものです」
「あんまりあなたと会話をしたくはない、どうせ落ちこぼれなのですから。そうね、私とどうしても話をしたいのなら・・・勝負しませんか?」
彼女は少しばかり不気味に笑いながらそう提案してきた、もちろん俺は落ちこぼれだから普通に戦ったら負ける確率は高いからこそこれを提案してきたのであろうと考えていると
「勝負内容は簡単、今日から一週間後、ここで勝負をしましょう。もしあなたが負ければこれからは私の言うことを聞くこと・・・万が一でも私が負けた時には好きにしても良いわよ。もちろん体を使っても構わないわ」
そう言ってきたがそれはもうエロい展開をしても良いと言うことですがそれは流石にダメでしょうと思っていたが俺がそこまで弱いからまず負けることはないと思っているのであろう、それに自分自身も彼女と戦って勝てる自信がありません。もう悲しくなりますが彼女は絶対にある程度戦えます。
一応、元居た世界では喧嘩はそこそこ実力がありました。なので、相手がかなり実力を思っているのは言葉を聞いていれば分かります。だからここはこの提案に乗らずに逃げようと考え屋上を後にしようと無言で歩き出していたら後ろから
「そう簡単に逃げれると思っているのかしらもう決めたことだから覚悟しておきなさい。ちょうどここまで食事を持ってこさせる雑用が手に入るかもしれないのだから・・・いいね、あなたが逃げたら試合を放棄したとみなして負けだからね。もちろん試合を放棄して負けた後はクラスのみんなに広めてあげるからせめて男らしく戦って負けてよね、それじゃ」
そう言って彼女は再び空のほうを見始めて会話を終えたようになった、俺はそのまま屋上を後にして次に一人でゆっくりと考えられる男子トイレに入って考えていた。
どうしてこうなった、俺は別に戦闘しに屋上に向かったわけではないのにいつの間にか来週の今日、彼女と戦うことになってしまった。無理無理無理、勝てるはずがない。でも逃げたら更にひどい状況になる。どうすればいいのだ俺は・・・よしこうなったらこの一週間でできる限り鍛えるしかない。
とりあえず俺は雷しか属性がないからこれを一点集中に鍛えていけば魔法を使えるようになるかもしれない。そう考えが決まった俺はトイレを出てすぐに図書室に向かい始めた。ここにはいろんな本が置いてあるからな、いろんな属性を解説する本やその属性専門の本など後は小説なんかも置いてあるが俺が選ぶのはもちろん雷属性の専門の本を借りて読み始めた。
そうして集めた情報を簡単にまとめるとこのような感じになった。雷属性は火、水にはとても強いが風、土、特に土属性にはかなり弱いらしく。少し癖がある属性だがもし使いこなせばかなり強力な属性でもある。
魔法のランクとして初級は雷気と呼び中級は雷桜そして上級は雷舞桜であり最上級は雷光桜。この次は伝説クラスになるがこの上が雷光舞桜と言うものでこれを付けたのは今まで一柱のみでありほぼ伝説に近い存在の魔法である。
なるほど伝説や最上級は無理だとしてもせめて卒業するまでには上級クラスに行きたいな・・でも今はそんなことを言っている場合ではない。俺は一週間後に試合が待ち受けているのだ。最悪でも初級魔法だけでも覚えておきたいところだ。
しかし、ある意味肝心な効率がいい修行の仕方などは乗っておらず結局あんまり収穫はなかった。だから俺は次の行動に出たのである、それは誰か雷属性が得意な先生に教えてもらうことであった。
事情を話せばもしかしたら協力をしてくれるかもしれないと思い俺は一番この中で信用できそうなクシダナヒメ先生に声をかけたのである。
「クシダナヒメ先生、少しよろしいでしょうか」
「はい、どうしました・・・島津君」
俺は今までのことを話し事情を知ってもらうことにした。そうしてクシダナヒメ先生からの提案でもしどんなにつらい修行でもついて来れるのならばうちの旦那が鍛えてくれると言ってくれたのである。
本当ですかと喜んだ、その神は須佐之男命でありいろいろと話が残っている神様でありかなり強力な柱である。おそらくとんでもない修行でもするのであろうと思ったがこのままだとまた暗い青春になってしまう。それだけはもうごめんだと思い俺はクシダナヒメ先生にお願いしますと言って放課後、クシダナヒメ先生に導かれて着いた先には大きな大男が待っていた。
この感じから見て間違いなく須佐之男命で間違いないだろうと思い真剣な表情で見つめていた。するとここで須佐之男命が
「俺様が須佐之男命だ、小僧。どうやら入学して大変なことになったらしいな。それもお前に力がないからだ。力を持てば基本的に馬鹿にされない、負け犬にもならない。だが、それを乗り越えるのは地獄のような修行になるがいいかな。今までこの修行に耐えて終えた者はいない。こんな話を聞いてもお前は俺様のもとで修業をするか」
その真剣な表情から見て間違いなく神々の中でも厳しい神に入るだろうが逆に言えばこれを乗り来れることができたのならば俺は強くなれると確信していた。もう前の世界みたいに暗い青春や負け犬みたいなことにはなりたくはない。そのためならば辛くても耐えてやると決意を固めて俺は須佐之男命に決意のまなざしをして向こうもそれに気が付き。
「お前の決意は分かった、では早速修行をしてもうぞ。ではまず手始めにここに置いてある修行用の刀をまず千回素振りそれからランニング、滝に打たれるほかにもいろいろとしてもらう。覚悟は良いな」
「はい、もちろんでございます。どんなにつらくても最後まで耐えて見せます」
須佐之男命は久しぶりに鍛えがいがある男が来てどこまでいけるかなと思いながら修行を始めさせるのであった。これが後に将希が最強の一角になる、最初の一歩の出来事であった。