元魔王ですが・・・自覚ないです
そうして二日後に・・・元魔王が言っていた約束通りに再び手合わせをすることになった、今まで頑張って修行をして強くなったけど無理だよ、ゲームで言うならレベル十ぐらいから三十ぐらいまで上がったけど相手は裏ボスでした・・・と言う感じだよ。
無理ですよ、どこまで戦えるかだな。どこかのアニメのストーリーに出てくる性格が最悪な相手ではないからそこだけは救いかなと思いながら俺と桃花は戦いの準備を始めるのだった。
「すみません、元魔王さん。これを本当にしなければならないのですがもう十分と強くなったと思うのですが・・・いくら確認のためとはいえ元魔王さんと手合わせをしないといけないのですか」
「・・・すまないがやはりこうでもしないといけないと思ってね。いつか必ず大きな敵に会うはずだからこんな状況に備えてほしいから・・・大切なものを守るためにもお願いだ。余に付き合ってほしい・・・あんなことを繰り返さらないためにも」
それを聞いた俺たちはこの元魔王さんに何か過去があったなと思い素直に従うのだった、それを見た元魔王は笑顔にしてすまないなと言ってお互いに戦いの準備をした。
「今度の手合わせは前とは違うぞ。こちらも動くがその代わりに強力な魔法は使うつもりはないがそちらはどんな魔法を使っても構わない。では始めるぞ」
そうしてお互いに行動を開始した、まずは桃花が早速、魔法剣で炎竜の舞を発動させたがそれを軽く元魔王は受け止めたのである。なるほどと言ってすぐに初級魔法で応戦しすぐに俺に対しても攻撃してきたが俺は上級魔法の雷舞桜で応戦してなんとか打ち返したがすぐに元魔王は攻撃をしてきて接近戦に持っていかれた。
接近戦ではそれなりに自信はあったが元魔王の前では無力に近くてすぐに押されて飛ばされたがすぐに俺はまた接近戦をした今度は魔法と融合させて雷竜の舞をして後ろでは桃花が炎竜の舞をして前後から元魔王を襲ったがすぐに魔力の威圧見たいのですぐに互いに飛ばされて桃花と俺はまた戦闘態勢をしてすぐに攻撃をした。
そんな最中でも次はすぐに攻撃できるように神力を高めていた、至近距離で最上級魔法を打つしかないと考え、準備していた。それに気が付いた桃花は必死に元魔王の注意を集めていた。俺はそれに期待を応えるべく集めながら戦っていた。
そして準備を終えて俺は元魔王に突撃しそうして元魔王の目の前で
「全力で参ります、雷光桜ーー」
そうして攻撃は当たりはしたがだが致命傷まではいかなかった。そうしてすぐに反撃をしてきて俺を体術と魔法の融合し攻撃をして俺はその衝撃の強さに吹き飛ばされて遠くにあった大きな岩にぶつかりそのまま気を失った。
そうして次に目を覚ますと持ってきていた布の上で寝ていた、どうやら勝負は元魔王の圧勝で終わった。俺はやはりそうなるかと思いながら横にして待っているとすぐに元魔王が食事を持ってきて目を覚ましたのかよかったと言って食事をするのだった。
手合わせでできた傷は元魔王が治療してくれたおかげで治っており桃花も同様だった。こうして食事をとりながら元魔王が話を始めたのだった。
それはこれほどに危ないことをしたのかを理由は己みたいに公開をさせることは避けてほしかったらしい。過去に己の甘い判断のせいで大切な友を失ったことを話してくれた、友は命を懸けてまで己や国、人々を救いそして散っていったことを話してくれた。
その話をしているときの元魔王は仮面で表情は見れなかったがそれでも悲しんでいるのが分かるぐらいに泣きそうな声で話していた。それを聞いていた俺たちも悲しくなっていた、どれぐらいに大切な人だったのかは理解はできた。
そしてそんな悲劇はもう見たくないと思い知り合った俺を助けをしてくれたと言うのだ。やはり元魔王の正体って・・・俺は恐る恐る聞いてみることにした。
「元魔王さん・・・失礼なのは大変承知しております、ですが答えてくれませんかあなたの正体は勝虎さんではないでしょうか」
それを聞いた桃花は唖然として急にそんなことを言い出したのと顔に書いてあったがその答えはすぐに返ってきたのだった。
「・・・よくわかったな、将希君。やはりバレてしまったか」
そうして仮面を外した顔はいつも定食屋で見ている勝虎のおっさんの姿だった。勝虎の姿を見て桃花は驚いた表情を隠せないでいた。まあ、すぐそこで定食屋をしているおっさんがあの最強と呼ばれている魔王だったんて誰も想像できないよな。
俺も最初は分からなかったがこの元魔王の食事を食べ始めてから違和感を感じてそして性格などそして声も似ていたことも含めてもしかしてとは思っていたがやはりそうだったか。
「でも出来ることならばこのことは二人だけの秘密にしてほしいかな。もし魔王だったことにばれると営業ができないと言う話じゃなくなってくるからな」
まあ、そうですよね。すぐそこに魔王が定食屋をしていると言われたら衝撃なことになりますよね。安心してください俺たちはあなたの正体を言うつもりはありませんと言って勝虎のおっさんは笑顔に
「それは良かった、せっかく魔王を停職して定食屋を始めたのにやめられたなら困るからな、はっはっはっはっは」
勝虎のおっさん、それは寒いギャグですよ。俺たちは苦笑いをしたがそれを言った本人はそれでいいよそれでなと言って笑っていた。こうして勝虎のおっさんのおかげでもあり最終的には明るい食事となった。
それを終えて三人で話し合いを始めたのだった、それは今後のことであった。
「明日には敵の本拠地に向かい、決戦を挑む覚悟はよいかな二人とも。わしも手伝いはするが最初に言っていた通りに君たちがメインだ。俺はあくまで援護だけをする。万が一想定外の敵が出現したのみ、わしも戦う。それでよいかな」
「それは良いですけど、仮面を外したら余からわしになりましたね」
「まあな、もう隠す必要がないからな。それに余と言っていると偉そうで嫌なんだ、わしは別にえらくなりたいから魔王になったわけではないからな」
「ではどうして魔王になったのですか、私に教えてください」
そうすると勝虎のおっさんは笑顔にしながら
「世界平和、身分を極力なくした社会、当たり前のことが来る平和な世界を作りたいために魔王となり神々と戦ったわけさ。それを終えたらどこかわしが知らない場所で静かに定食屋でも開きたいかな・・・って先に後半のほうをかなえてどうする、わしー」
そう言いながら頭を抱えていた光景を見て俺と桃花は笑っていた。ほかにも苦手なものはありますかと聞いたら意外なものだった
「女性との交流関係に蜘蛛、それ以外は怖くないし苦手でもない。逆にその二つは怖いのでやめてください死んでしまいます、泣きながら逃げ出しますよ、わし」
この人の弱点って蜘蛛と女性との交流関係かよ、でも確かに七代目魔王をしているときに大きな内乱が起きたと言うことが書かれてあってその原因は女性関係だったとか。まあ、多少なことだったら長所がすごし大丈夫だろうと思っていたら
「正室、一人、側室、一二人、妾が一八人、総計三十名全員をわしの未熟のせいで亡くしてしまった。それに総人口の七割以上もこの事件で亡くした」
・・・はい、無理でした。この人、今までの長所がすべて無駄になるほどものすごい失敗をしていました。神々の授業の歴史ではそれ以外は完ぺきでありつけ入れるスキがないと言われていましたけどこれのことで評価がマイナスになりそうですよと思った。
「それで結局、月魔族からは嫌われて逃げるように国を去ったと言うわけさ。今まで生涯戦いに負けたことは少ないが数えて二回しかないが・・・その負けが大きすぎるところが辛いかな。ざっと数えてその出来事に親友を亡くした原因の戦いの二回しかないがその二回でわしは多くの物を失いすぎた。本当に戦いなど無くなればいいのに・・な」
そうか、だからわざと無茶なことをさせていたのかと感じるのだった。俺はいくら才能があっても英雄と言われるほどの力があっても神々を倒すほどの力を持ち合わせても人との関係をうまくいかなければ災いを呼ぶ、歴史を学んでそれを知ってはいたがそれを改めて感じるのであった。