表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/85

元魔王の修行指導ですが・・・自覚ないです

次の日から俺と桃花の二人には元魔王による修行が行われたが今までの修業とは少し違う内容だった。それはまず俺と桃花のタイプを説明を始めることだった。



「昨日手合わせで分かったことを話すね。まず将希君は一点集中型で雷しか使えないけれど、それを思うように利用する力があることが分かったから将希君はこれをやってほしい。そして桃花ちゃんは炎と風が得意なことが分かった。この属性は融合させやすい属性でもあるから、君はこの属性を同時に発動させて融合技をさせることが目標かな。」



あれだけで俺と桃花のタイプが分かったのかと思ったが、そう言えばこの元魔王に使える属性を言っていないのに、言い当てられると信用せざるを得ないが、どうして俺の修行の内容がまだ詳しく決まっていないのか聞いてみると



「そうだね、将希君はもう型は出来ているんだよ。だから将希君にはその応用を覚えてほしいんだ。」



なるほど、確かに俺の戦い方はある程度決まっているからそうなるな、と思い納得した。そして、俺に対して提示された修行内容は雷気でこの壁を壊せ、と言うものであった。いやいや、その壁は普通に考えて雷桜ぐらいじゃないと壊れないだろうと思っていると、



「どうしてこう言っているのかというと、将希君はかなり強い雷を放つことができるけどその雷がすべて向かってほしいところに向かっていないからなんだ。大体、二割ぐらいしか行きたい方向に届いていない。それを十割とまでは言わないから五割ぐらいは届かせられるようにしよう。そうすればかなり強くなれるよ。もしこれが五割になれば、純粋に今の倍以上の攻撃力になるから頑張って。」



元魔王はそう説明をして俺に神力をより制御する修行をさせた。そうして俺は修行に集中にするのだった。



「さて、今度は桃花ちゃんだが君は日本刀で戦う剣術が得意みたいだね。それと炎と風の使い方も悪くない。だから君は戦いの形を作ってもらう。お勧めは剣と魔法の融合である魔法剣に二つの属性を融合させた魔法かな。さっき風魔法に加えすぐに炎魔法も発動させたから素質はあるはずだ。まずはこれらを同時に発動させる修行をしよう。まずはお手本を見せるね。」




そうして元魔王がすぐに片腕に炎、もう片方には風を出してそれを合わせて天に向かって放った。それはとてもきれいで、俺はついつい見惚れてしまった。それを見た元魔王が「ごめん、騒がして済まなかったな」と言ってきたが、「いいえ、良いものを見れてよかったです。」と言った。



その後、元魔王は視線を桃花に戻して笑顔で「君にはこれぐらい出来てほしいかな。」と言ったが、桃花は驚いた顔をしながら無理ですと叫ぶのだった。



こうして元魔王の指導のもとで修業を始めた。ときどき二人の様子を見てはこうするとよりよくできるぞ、と教えてくれ、それがとてもとても分かりやすくその日の夜には俺は・・・



「嘘・・・マジで雷気であの壁を壊したぜ」



そう言って俺はその場に座り込んだ、朝から修業しているから疲れもそうだが何より雷気であの壁を壊せたことに驚いていた。それを見ていた元魔王が



「将希君、すごいじゃないか。明日辺りで壊れるだろうと思っていたのにまさか修行初日で成功させるなんて、やはり雷属性の才能があるよ。すごい・・・次はこれを動きながら成功させることかな。でも今日はもう夜遅いから休みなさい。明日から今日の復習に今言った課題をやること。」



「はい、ありがとうございます。それで桃花のほうはどうなりましたか」



「彼女は想像以上に成長を見込めると今日の修行を見て思ったよ。彼女ならば融合した魔法をさらに剣に融合させることが可能かもしれない。これをできる者は月魔族でもかなり少ないが彼女にはそれができる素質を感じた」



マジですか、俺以上にすごいことになりそうなのですが。こうしてはいられない、俺も修行を再開させよう、としたがここで元魔王が止めに入り、



「体を休めることも大切なことだからそう焦らずに休みなさい。見回りは余がするから君たちは明日に備えて休むと良い」



そう言われてしまったので俺は休むことにした。そうして寝ようとしたら、先に桃花が寝ているのを見て俺はやはりすごいやつだな、お前は。と思いながら睡眠に入るのであった。




翌朝、俺は朝早くから修業を始めていた。桃花があんなに伸びているのならば、俺は少ないこれを伸ばすしかないと思い必死に努力していた。それを元魔王が見て笑顔になりながら



「おはよう、将希君は朝早くから修業か、感心だ。その焦りは彼女に成長が劣るのが怖いと思っているのかな。余の話を聞いて焦りを感じ、できる限り追いつきたいと思っているのでしょう?」



俺は心の中に思っていたことをすべて言われてしまったので恥ずかしくなりながら首を縦に振るのだった。それを見た元魔王が



「安心しろ、君の伸びもすごいから・・・君はこのまま努力をしていけば間違いなく、雷光舞桜を習得できるから焦らずに頑張りな。まあ、そんなことを言われても実感なんてわかないだろうから今の課題をクリア出来たら余が雷光桜を教えてやろう。だから焦らずに、でも怠けずに頑張りな。」



俺は言われた言葉を信じられなかった。俺があの伝説級の雷光舞桜を習得できると言うのだ。信じられないが、この元魔王の言うとおりにしたら昨日までできなかったこともできるようになった。もしかしたらこの元魔王のもとで修業して行けば本当に習得できるかもしれない、と思いながら体に元気を漲らせて俺は一層修行に励んだ。



「やれやれ、若いのは困りものだね、でも向上心が高くて良いけどな。さて余は朝食の準備をしようかな」



将希の修行がさらに勢いを増したのを見て笑いながらその場を立ち去ったのだった。俺はその後も修行をして、お腹が空いて動けなくなるまで修行をしたら桃花に朝から頑張りすぎよ、と怒られたが俺は



「だって、桃花に対して恥ずかしくない結果を出したいからな。それは頑張りたくなるってもんだよ」



そう言うと桃花は顔を赤くしながら、「良いから朝食ができたから来なさい」と言って、俺を連れて行くのだった。それを見ていた元魔王に「青春をしているね、君たち。余も朝から良いものを見せてもらったよ」と言われたので、俺は必死にそんな関係ではないですと説明をし、桃花も同様に顔を赤くして言っていたのだが、向こうは笑うだけであった。



俺は桃花にとってはただの友達だから俺もそのはずだ・・・。でもそうだとも決めたくない気持ちがあるのもまた真実、でもそれで今の関係を壊したくない。桃花も俺はただの友達でいてほしいはずだ・・。



こうした出来事もあったが朝食を終えて俺はすぐに修行に戻った。こうして昼過ぎには課題をクリアしたのだった。移動をしながらでも雷気の威力が雷桜並みになっていた。これを見ていた元魔王が嬉しそうにしながら約束通り雷光桜を教えてあげるよと言うので、俺はうれしくてその修行内容を聞くと意外な言葉が返ってきた。



「では将希君はあれに向かって雷光桜を唱えて壊してください。」と言われたが無理です、俺はそのような修行をしてませんから、と言いたかったが無視するわけにはいかずに今持てるだけの集中をして、真正面に向かって



「では参ります、雷光桜ーー」



俺は内心無理だろうと思っていたが、実際は発動が成功したのである。それは今まで見たこともない威力で、目の前の地形が変化をするほどであった。その衝撃に遠くで修業していた桃花も驚いてこちらの方に来た。



俺は何より、最上級の雷光桜が出来たことがうれしすぎて泣きそうになりながら聞いた。



「お、俺は雷光桜が発動できたのでしょうか・・・」



「もちろん、成功だよ。だから言っただろう、打てば出来るって。君はもう習得するために必要なものが神力の集中だけだったんだよ。流石に伝説級はまだ無理だけど神力を高める修行に加え、今の修行をしていけばいずれは可能になる。だからここで満足してはいけないぞ、将希君」



俺は元魔王に泣きながら抱き着いて感謝をするのだった。心の底から初めて落ちこぼれから脱出できたと思った。でもここで満足はしてはいけない。期待を裏切らないためにもまだまだ修行をしないといけない、と思うのだった。



もちろんこれを見ていた桃花も、自分も負けていられない、と思い昨日よりも更に修行に精を出すのであった。



うんうん、お互いに良い刺激になってうれしい。後はそれを戦いに活かせるようにするだけだ。だから、そうだな・・・明後日辺りには二人に手合わせをしてもらおうかな。そうすればお互いに成長を確認出来るし実戦練習にもなるから一石二鳥と言ったところだ。ならば修行一週間目は再び余と手合わせでもさせようかな、と思う元魔王だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ