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月魔族ですが・・・自覚ないです

俺は徒歩でようやく人がいる場所に到着しそうして周りの者たちからはよく逃げてこれたなと感心されていた。まあ、俺も良く生き延びた者だと思っていたがそこに俺に飛びつくように来たものがいたのである、桃花でだった。



「将希、ぶじだったのね・・・もう本当に良かった。将希までいなくなったら私は・・・」



「だから言っていただろう、俺はそう簡単にやられないってそれよりも桃花、蒼雷も無事かな」



「もちろんよ、お互いに怪我無くここまで逃げてこれたわでも・・・状況は最悪だよね」



それはそうだこちらにはほとんど頼れる人がおらず地元の戦える人たちもそう多くは残っていないだろうし敵の戦力はすべてわかったわけではないが圧倒的戦力差、まさに絶対絶命と言うべきだろう。



そうしてお互いに持っている情報を交換して整理していくとこちらの戦力は俺に桃花、地元の代表が金子元宅さんで部下に千人ぐらいでほかにも人と仲良くしている鬼がいるがそれは数百のみであり代表は朱鬼と言うらしい、合わせたら多く見て千五百と言ったところで対して向こうは分かるだけでも敵大将が凛姫、ほかに操られている者たちが数万以上いる上にまだ全軍とは考えにくい。



そう考えると普通に戦って勝てる戦いではない、こんな戦いは歴史に登場する人物たちが相手にしないと勝てないよ、例えばハンニバルとかスキピオとか孫武でも連れてこないと勝てないよ。無理無理今すぐにでも援軍を呼びたいけど転送結界が壊されてしかも敵地にあるためにそれは無理・・・どうすればいいのだと考えていた。



だが、こんな状況を打開する考えなど俺たちみたいな奴らが思いつくこともなくついに夕暮れとなって臨時で作った防御柵の外には人影が見え始めたのである。やばい、もう来たのかと思い俺はみんなに戦闘準備してくれるようにお願いした。もちろん、俺も桃花も準備をした。



蒼雷も気合を入れたのか敵に向かって咆哮をしていた、みんなここが破れたらどこにも逃げる場所がないから士気は高いけど・・・敵の数の差がありすぎると思い俺は必死に打開策を考えていたが思いつくことはなかった。



そうして夜になりついに敵軍が進軍を始めた、俺たちは何といえない思いで待ち受けていると急に雲一つもない夜空に急に亀裂が走ったのである。そうして割れて中から大量の人ではない者たちが出てきたのであった。そうして隊長らしきものが



「この地は神々が支配している場所だ、お前たちみたいなものが何を大義にして攻めている。我ら、月光国は神々側・・・ここに地に残って戦っている者たちにお味方いたす。敵は物の怪たちだ、我が月魔族の威光を示せ、突撃ーーー」



そうして上空から現れた月魔族たちは下にいる敵たちに突撃し戦闘が始まっていた。桃花は慌てて俺のところに来て



「将希、これはどんな状況になっているのよ。どうして月魔族が私たちの味方をしてくれているの、将希ならわかるの」



「俺にもわからない…だけどこれは好機だ、みんな敵は上空から月魔族に奇襲されて最前線と本隊が切り離されている。今のうちに最前線の敵部隊を倒すぞ、俺に続けーー」



俺はとりあえずこの好機を逃がすわけにはいかなかった、これを逃せばそれこそ勝機が失われると思い勇気をもって防御柵から打って出て孤立した敵を倒し始めた。



桃花やほかの者たちも俺に続いて打って出ては戦い始めた、状況はかなり優勢になりつつあった。だが、本当になぜ俺たちに月魔族が味方してくれているのかは謎である。月魔族と神々は敵対関係であって味方ではないのにどうしてこのようなことをするのだろうと考えていたが今は戦いの最中だと思いすぐに戦場に意識を戻した。





一方、敵側の陣営では重い空気が漂い始めていた



「どうしてこんな時に月魔族が来るのよ、しかも神々側の味方をして」



そのように嘆いているのを近くにいた九尾らしきものが凛姫に対して助言をしてあげたのである。



「そう焦っても仕方がないわ・・・ここは状況を確認するために一度引き上げたら良いわね」



「こんな状況で逃げろと言うの、あそこにはお兄ちゃんがいるのよ。それを目の前にして逃げろですってそんなことは絶対にしたくない」



九尾は困ったわねと思いながらため息をついていると更に悪い報告が入ることになった。



「申し上げます、わが軍の後方が現れた敵に壊滅状態にされました」



九尾と凛姫はあり得ないと思い詳しいことを聞いてみるのだった、それもそのはずだ、後方にいる軍勢は十数万の物の怪たちが待機しており主力と言うべきものであるために驚きは隠せないでいた。しかし、伝令兵の一言ですべてが理解をした。



「敵は一人と大きなドラゴンのみでしたが余りにも大きいアグニドラゴンに乗っている黒いマントに深紅の服を着ておりました。顔は仮面をつけており確認できませんでした」



これを聞いた凛姫と九尾は凍ったように青くなった、そうその特徴を持っている人物がいるのである。それは月魔族、七代目魔王がこの場所にいるのである。先ほどまで退却したくないと言っていた凛姫が九尾に対して



「あなたの言うとおりにすぐに逃げるから全軍に伝えてほしい」



九尾はそれを聞いてすぐに行動を開始した、そうしてそれはすぐに全軍に伝わりすぐに退却を開始をしてその場から逃げ出した。



そのころ、将希たちは敵が退却して行くのを見て戦ってくれた者たちに対して



「みんなの奮闘のおかげで敵は退却を始めたぞ、まだ初戦であるが勝ったぞ。勝鬨をあげよー」



そうして桃花や地元の人たちと一緒に勝鬨をあげていた、奇跡と言うべき勝利であった。これでしばらくは大丈夫であるがすぐにでも対応しなければならないと思っていると一体の月魔族が俺のところに来て向こうの隊長が俺と話をしたいらしい。



俺は相手が月魔族でも助けてくれたのは間違いないと思いお礼を言いに行くために向かうことにした。そうしたら桃花もついてくると言うので一緒に向こうのだった。



そして月魔族の陣営に着くとまず驚いたのは余りにも訓練されている部隊なのはすぐにわかった、これでは今の神々では太刀打ちできないのは当たり前だ。これがもっと多くいると考えると恐怖を覚える、そして俺に対して何を求めるつもりか、お金かそれとも領土・・・それとも女性を貰うともいうのであるか。その考えのもとついに隊長らしきものがいる本陣について開けると



「斎藤ーあなた、また相手に怖がらせることをしたの。あれほど魔王様からしてはいけないと言われているのに。今、向かってきている子たちが怖がっている表情をしていたけど・・まさか、女の子に対していやらしい思いを」



「直江ちゃん、それは男としてしょうがないと言うか、でも襲うつもりはないから安心してくれ。俺が女を襲う場面を見たことがあるか」



「・・・そうね、私以外の女性を色目にかけても一度も襲えないヘタレですものね」



「おいおい、それはないぜ。俺だってやるときはやるからな・・・ってもう来ていたの君たち」



なんか月魔族の本陣に入ったらなんか夫婦漫才を見せられていました、でも話を聞くととても授業で習ったようには思えなかった。そうして隊長らしい男が



「ごめん、変なところを見せて申し訳なかったな。俺は斎藤朝信と言うんだ、よろしく。それで彼女が妻の直江愛だ」



「ごめんね、君たちに対してうちの旦那が変な目で見て怯えていたのでしょう・・・あなた、家に帰ったらどうなるか楽しみにしておいてね」



そう言われて斎藤は表情は笑顔にしておきながらものすごい量の冷や汗を出していた。そのよくわからないのですが斎藤さん、頑張ってくださいと思うだけであった。そうしてすぐに向こうから話が始まった。



「それで今回の出来事に関して我ら、月魔族は神々を助けたいと思う。この地は昔から神たちが支配しており統治も良く平和に続いている地、そのような場所でこのような行為は許せないと思い勝手に助太刀しに来たので我らは特にそちらに対して要求はしません。しいて言えば今回の騒ぎを起こした物の怪たちの身柄を欲しいと言うことであるが承諾してくれないか」



・・・マジかそれだけで良いの、想像以上にとてもいい者たちでびっくりしていた。でも俺はまだ神様学園の生徒だからそのようなことは自分では決められませんと言ったら



「嘘、君はまだ学生だったの。俺は神々で上級魔法を発動できるのを見ていたからてっきり神の一員だと思っていたよ。そうか、でもここにいる中で一番指導者としてできていると思うから頼む、お願いします」



俺は別に良いと思います、それに国を救ってくれるだからそれぐらいのことをしても文句は言われないと思いますよと言い返したら斎藤は喜んでくれた。



ついでに捕まえた捕虜たちはどうするつもりなのですかと聞いたら国に連れて帰り成人たちは牢獄に入り罪を償わせて、未成年は向こうの国にある学園に入れさせて教育すると言うのである。あれ、俺が想像していたのとだいぶ違うと思っていた。



「すみません、私たちはどうなるのでしょうか。もしかしてこのまま身柄を拘束とかでしょうか」



「いいえ、確か桃花ちゃんと言ったわね。それは絶対にしないから安心しなさい。仮にそんなことをしたら魔王様と隠居様の二人に怒られるから」




俺と桃花は授業で習っていた月魔族の想像なんかそこには存在していない。まったく違うものであってお互いに見合っていると急に斎藤と直江が



「「この感じ隠居様が来る、皆の者頭を下げて出迎えをしろ」」



そうして遠くからドラゴンの羽音が聞こえてきて上空を見ると蒼雷の五倍近い大きさの竜が空から降りてきた。その竜に一人の男性が乗っておりその男性に対して斎藤と直江は



「「隠居様、このような格好で出迎えを許してください」」



そう言われた龍に乗っていた男はとても優しい声で月魔族に対して



「何を言うか、余のためにここまで来てくれたことを深く感謝しておる、なぜそのようなことで怒ると思っていた・・・二人に皆の者、今回の件誠に大義である。さて、そこの神の卵たちよ・・・余の話を聞いてくれないだろうか。この事件を共に解決する方法に・・・その後、月魔族と神々の戦いを終焉を打ち新たな世界、秩序を作るために」



それは魔王らしい威圧と聖君みたいなオーラを出しながら俺と桃花に言うのであった。俺たちはこの者に対して拒否権などないのである。聞くしかないしそれよりもこの事件の解決を手伝ってくれるらしいので乗るしかないと思い話を始めるのだった。

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