腕比べですが・・・自覚はなしです
しばらく特に何も事件らしい事件は起こらず過ごしていた、そんな状況が続いているがいつ何が起きていい様に修行を重ねて、俺はついに上級魔法、雷舞桜を習得に成功した。でもまだまだ未熟であるが一応、習得できたと言っていいクラスにはなっていた。
俺はこれだけの上級魔法を覚えれば何とかなると信じている。いや、そう信じたいです、これだけすごい魔法を覚えて無理なら俺には一生無理だと思っている。だからこれで何とかなるように願っている。
そんなある日に師匠から呼び出されたのである、内容はこの前のことであった。この出来事を大事にして俺を退学させようとしている先生がいるらしい、本当に相手側に先生がいるなと思っていたら師匠から
「それでだ、今回の件は何とかしてやりたいが向こうもそれなりに功績をあげている神でなそう簡単に事を治めるのは難しいところであるために俺様から一つ提案があるだが聞いてみるか」
俺はその内容を聞いてなるほど確かにそれならば意外といけるかもしれませんね・・・って言うと思っていたのですか。無理無理です、師匠と雷属性同士で腕比べで勝てなんて絶対に無理です。俺が相手だとあっという間に倒されて負けるのがオチですからやめてください。
それこそ、上級クラスの神様じゃないと話にならないと思うのですがと考えていると須佐之男命が笑顔にしながら
「安心しろ、俺様も全力でやる気はない・・・ただ中級の雷桜の中では本気で行かせてもらうだけだからな。安心しただろう、将希」
安心ではないです。普通に考えてそれ十分やばいです、俺はまだ学生なんですよ。そんな最上級クラスの神様と腕比べをやれ・・俺みたいなやつに日露戦争みたいな奇跡を起こせと言うのですか。無理無理です、東郷平八郎でも連れてこないとそんな奇跡な勝利は出来ませんから。
でもこうしないと向こうが納得しないのもまた事実、こちらを完全につぶすような予測を立てなければ向こうも納得しないだろうだからこれしかないのかと思いながらしぶしぶ承諾をするのであった。
師匠からは大丈夫だ、この前ついに上級クラスの雷舞桜を習得したじゃないか。そんな緊張しなくてもお前はだいぶ強くなったから自分に自信を持てと言われたのである。
確かに普通ならうれしい言葉なのですが・・相手は師匠ですよね。本当に困りますよと思いながらその日に向けて体を休めるのであった。
そうして数日後、ついにその問題が表に出てきたのである、そのことで俺に桃花、クシダナヒメ先生、親友が一緒についてきて。向こうもいかにも意地が悪そうな先生に俺がボコボコにした十人が同席して仲介役に須佐之男命と天照大御神が入って話し合いが始まった。
「須佐之男命様、天照大御神様。このガキは私の生徒をこんな大けがをさせるほどの行為をいたしました。これは神としてふさわしくないので私は退学をさせることを薦めます」
向こうの先生がそう言ってきた、まあ、そういうだろうと思っていた。しかし、俺の処分を決めることなので俺は口を出すわけにはいかなかった。
「ですが、私の生徒が虐められていたこともまた事実なことです。彼は彼女を助けようとしてやりすぎただけです。もちろん彼にも非がありますがあなたの生徒には非がないと思っているのですか」
クシダナ先生は必死に俺のことをかばってくれていたがもしこれで何とかなっても罰はあるのか・・でも最終手段の俺よりかはマシかなと思っていると
「ですがこんな落ちこぼれが私のエリートな生徒を傷を負わせたのです、しかも十人と言う人数を一人でも土下座して謝ってほしいところを十人と言う数ではもう退学しかないと私はそう考えているのですよ」
本当にこの先生は俺を意地でも退学させたがっているらしい、まったく下がる気配がないな。それに十人と言う数は流石に強く出られないみたいでクシダナヒメ先生も言葉が出ないでいたら
「それと言い忘れましたが今回、彼女を助けるついでにボコボコにしとこうと言ったのは自分ですよ、先生。自分が黒幕と言っていい存在なのですが・・・自分も落ちこぼれと言いますか。入学した時に千年に一度の人材と言われた自分がお前たちをボコしてこいと言ったのです」
それを聞いた、俺は親友を見ていやいやそんなことは一言も言われていないのに・・・まさか、この前の件を断ったから独断で考えてきたのかと思っていると
「いやいや、君みたいなエリートの中のエリートがそんなことをするわけがありません。私は分かります、こんな感情で動くような劣等な生物とそうでない者たちを少なからずこの落ちこぼれは前者に値するものですから君が庇う必要はありませんよ」
「・・・お前が何が分かる」
「何がってこいつは感情で動く劣等な生物であり落ちこぼれと言うことが分かりますよ」
「馬鹿を言うなー、こいつは誰よりも仲間思いで誰よりも努力をする奴だぞ。どんな時でも友を絶対に見捨てない、たとえそれが我が身に災いが降り注ぐ結果だとしてもこいつは笑顔で友を助ける男だ。そんなやつをお前みたいなやつが馬鹿にするなー」
そう言いえた親友は相手方の先生を全力で殴って吹き飛ばしたのである。俺は今までここまで親友が怒っているところを見たことがないために驚いて目を開いてみていた。
「残念だったな、お前の目は節穴だ。自分もお前で言うなら感情で動く劣等な生物だよ、なら退学させるか・・・この千年に一度の人材をさせることができるならやってみろよ」
ここまでキレた親友は初めてだと思っていた、そもそもやはり接近戦も強いじゃないか。俺の思っていた通り、それに理不尽なやり方に怒りを覚えて立ち上がるのはやはりノベル小説の主人公だよ、お前はと思っていると殴られた先生はものすごい怒りの表情をしていた。
「このクズ、二人は退学ではダメです。すぐに処分でもしないと必ず災いを呼びます、落ちこぼれも頭くるっている天才もすぐに殺すべきです」
もう怒りで顔面が崩壊していて少しだけ面白い顔だなと思っていたらここで仲介役の須佐之男命に席を立って動き始めた。師匠がこうしたのはもう最終手段しかないと言うことですな・・・本当はやりたくなかっただけど親友までそんな態度をとったのならば俺も逃げるわけにはいかないと思い覚悟を決めていた。
「ただ話し合いをしても時間がただ過ぎるだけだ。そこで俺様が一つ提案したいがこの将希と魔法の腕比べをしたいと思っている。もちろん同じ属性の雷でな。俺様は雷桜で勝負してもしこれで俺様が勝ったのならばお前の意見を聞こう。だが、もし将希が勝負に勝ったのならばこのことは水に流すと言うのはどうだ」
それを聞いて相手の先生は少し考えて歪んでいる笑顔でそれで構いませんと返したのであった。もうここまでくると後にこの先生敵となって襲ってきそうだなと考えていると師匠から時間が無駄なのは嫌いだすぐにこいと言われて俺たちは外に出て腕比べの準備を始めるのである。
そうしている中、親友が力になれなくて済まないと謝ってきたが俺は別に謝る必要はないしそれに親友がここまで俺のことを思っていてくれたことのほうが嬉しかった。だからこれからも親友であるとよっちと学園生活するために全力で勝負をしてやると決めていたら今度は桃花が
「将希・・・頑張ってね。負けたら許さないだから」
「もちろんだ、全力で戦ってくるぜ」
そうして俺と師匠はお互いに準備を終えて試合開始を待っていた。俺は師匠がどれだけ強いのかは知っているが今の自分がどこまで師匠に通用するのかも知りたいのも事実、これはある意味いい機会だと感じていた。そうしてついに天照大御神が試合の合図を開始しようとしていた。
「これより、須佐之男命と島津将希の腕比べを始める。内容は雷属性の競い合い、それ以外の魔法を使った時点で敗北とみなします、それで始め」
「それじゃ、早速行かせてもらうぜ、雷桜ー」
そう言って須佐之男命からとても強力な雷の一撃が俺に向けて飛んできた。俺は師匠の期待に応えるべく俺も今出せる全力を開放をするのだった。
「とよっち、桃花。見ていろ、これが落ちこぼれだった俺の今、出せる全力本気だ、雷舞桜ーーーー」
そう唱えて出た雷は須佐之男命から放った雷と激突になった。その威力の大きさに周りは吹き飛ばされないようにしていた。豊喜に桃花はそのすごさにただ見守るほかなかったのである。
そうしてお互いの魔法を衝突させていっている須佐之男命と将希の勝負は更に激しさを増すのであった。