第4話
翌朝からが本格的な冒険の始まりだった。
フォーメーションは、ゴッドが先頭、右がクウガ、左がエル、後方にアルナとユッカということになっている。
41層に降りてすぐに石の巨人・ゴーレムのパーティーと遭遇したが、ゴッドの戦斧がことごとく粉砕し、弱点の核はクウガ、エル、ユッカが壊して30分程度で片が付いた。ゴーレムの核は高値で売れるため、ユッカはそっとポケットの中に入れておいた。
その後も何回かモンスターと出くわしたが、大きな問題なく進み、1日目は42層終盤まで到達し、そこでキャンプとなった。ユッカはここでもパク・フォレストに時間を費やすことになったが、ゴッドから1時間で良いと言われ、1時間の詠唱で済んだ。
詠唱が終わった途端、ユッカは倒れるように眠りについた。夜中に空腹で目が覚めると、目の前にパンと干し肉と水が置いてあったので、勢いよく食べ、食べ終わると同時にまた深い眠りについた。
5層から10層ごとにボスモンスターがいるのだが、倒さなくても下の層へ行けるため、あえてボスは倒さずにダンジョンを下へ下へと降りていく。
そして、13日目が終わる頃には、ついに目標の61層入口へとたどり着いた。
61層へ来るまでにユッカは何度死にかけたか分からない程だった。中でも盾と剣を持ったリザードマンの群れに囲まれた時は、タンクのゴッドの守備範囲から出てしまい、リザードマンの攻撃をもろに食らって深手を負った。傷はアルナの水魔法で回復するが、装備しているレザーアーマーはもう、ボロボロだ。
61層に着いた時にはよく頑張ったというつもりだろうか、142センチのユッカの頭をパーティーメンバーが全員ポンポンとなでていった。61層の安全と思われるエリアでキャンプをして、14日目の朝となった。
朝のミーティングで、アルナから途中にある薬草や鉱石はレア度が高く、全ての地点で採れば3ゴールドにはなるから、各自採集を推奨すると指示があった。また、アーマードラゴン以外の敵についても相当強いので。各自パーティーの基本フォーメーションを守り、また、守備系の魔法は予めかけておくようにとの指示もあった。
このパーティーの守備系の魔法はアルナが使い、パーティーの全員にかけられる魔法反射のラ・リバウンドと魔法耐性のラ・ガード、それとエルがエル自身にのみかけられる物理耐性のユ・コートの3種類になる。