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第3話

 「ユッカちゃんありがとう、もう大丈夫」詠唱し始めてから3時間を過ぎた頃、ようやくアルナがそう言ってくれた。

 「あ、大丈夫ですか?よかったぁ」ユッカはその場にへたり込む。

 改めてキャンプの設営地を見てみると、小高い丘のようになっていて40層が一望できる。丘の上にはアルナのパーティー以外にもいくつかパーティーのキャンプがあり、中には商店らしきキャンプすらあった。

 アルナがその商店から、冷たい果実酒を4つとユッカのためにジュースを1つ買ってきてくれた。

 「改めて、ユッカちゃんの入団を祝して、乾杯!」

 『乾杯!』手元にある飲み物を皆がそれぞれに飲む。おそらくは街で買う時の5倍はしそうな飲み物だが、良く冷えていて美味しい。

 「今回のクエスト目標は61層のボス、アーマードラゴン。報酬は80ゴールド、ポイントは150ポイントよ!」アルナがメンバーに宣言する。ヒューと口笛が鳴る。

 「41層から下は極端に強くなるから気を付けて、特にユッカちゃん。それと採集は50層から下でのみ許可します。片道15日往復30日の予定よ、みんな頑張ってね」アルナの言葉にそれぞれがうなずく。

 ミーティングが終わると夜10時を過ぎており、そのまま就寝となった。そもそも暗いダンジョンの中でランプの灯りのみを頼りにしているから、夜の感覚はないが、ダンジョン内には夜間のみ出没する危険なモンスターなどもおり、特に必要がなければ夜間は冒険を一時中断するのがほとんどである。

 キャンプの中は一応男女分かれていて、ユッカはアルナの横で寝かせてもらった。ダンジョンの中で寝るのは初めてで緊張もあり、なかなか寝付けなかった。

 「ユッカちゃん眠れない?」アルナが気にしてくれているようだ。

 「はい。色々考えちゃって」

 「ここに来たこと後悔している?」

 「そんなこと!ないですよ」

 「ゴッドのこと怖い人だなとか思っている?」

 「ゴッドさんですか、少しだけ苦手かもしれません」

 「はは、みんな最初はそうなんだよ、でも、だんだんと違うように思えてくるよ」

 「そうなんですね、楽しみにしています」

 「エルはどう思う?」

 「エルさんは静かです、捉えようがないというか」

 「ああ、そうかもね、イケメンのクウガは?」

 「クウガさん、イケメンですよね、でも、指輪しているし、結婚しているんですよね?」

 「うん、奥さんがラ・カーム王国にいるみたい。子どももいるんだって」

 「えー!まだ23歳ですよね?冒険者って結婚するのは遅いイメージですけどね」

 「聞いた所によると、幼馴染で同じ冒険者だったらしいよー」

 「クウガさんだったら、私、愛人でもいいです」

 「バーカ、そろそろ寝るわよ」

 「ハーイ」


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