01 SAMURAI登場。
新しく書き始めました。
更新できるように頑張りたいと思います。
世界には色々な世界がある。
ひょっとしたら、私達が知らないような世界もあるかもしれないし、似たような世界もあるかもしれない。
SAMURAIの文化がそのまま残っていて、江戸時代の文化をベースに、すこし現代の文化が混ざっているような世界もあるかもしれない。
これはそんな世界で自分らしく生きる奴らの話。
「どちらさまもようござんすか?? ようござんすね。 入りやす!! さぁ、勝負!!さぁ、張った張った!!」
ここはそう賭場。または鉄火場と言う。
江戸時代ではご法度だったが、その魅力に取り付かれた人々は多く、そのため色々な場所で行われてきたのは言うまでも無く、そのために全額をすって死んだものも少なくない・・・。
「丁!」
「いや、半だ!」
「なら、俺は丁!」
壷ふりの威勢のいい声が響く。
壷ふりの蛇の刺青の付いた右腕の先。
金をかけた者達が、見つめるその手の先。
壷が上がって・・・サイコロの目は、1が2つ並んでいる。
「ピンゾロの丁!」
「畜生!!」
「よっしゃあ!!」
この場合、当たった人間と当たらなかった人間がもう声と顔で分かる。
歓喜と絶望。喜びと悲しみ。
もっと様々な感情が多々あるが、この辺にしておこう。
様々な声であふれていた賭場が、静かになる。
まるで、看守が来た刑務所のように。
でも、来たのは看守ではなく、二人の侍。しかも奇妙な侍だ。
片方の侍はというと・・黒い髪の毛で黒い着物で黒袴、そしてわらじ。
ここまではいい。
しかし、髪型は時代劇で見るような、ここで金を賭けているような者たちの様なチョンマゲではなく、現代で見られるようなツンツンしていて、まるでサボテンのトゲのような髪型。
その上、胸には十字架の首飾りをしていて、黒眼鏡をつけている。
侍らしからぬ格好だし、人間としてみても少し変わっている。
もう一人の侍も髪型はチョンマゲではなく、少し男にしては長い、セミロングくらいの長さでしかも髪が赤い。
その上、肌は少し白い上に、耳に青いピアスをしている。
顔立ちは女に喜ばれそうな顔立ちをしている。
服はというと、赤い着物で鷹の絵が描いてあり、わらじという組み合わせ。
しかし、この男の一番奇妙なところというか、恐怖を感じるのは、触れたら斬るぞ??というピリピリとした空気をかもしだしている。
そんな二人は、隅の席のほうに座る。
「おい。」と赤い髪の侍の方が声をかける。
「・・・・。」黒い髪の侍は何も言わない。
「てめぇに言ってんだよ。そこの眼鏡!」と声を張り上げて言う。
「何だ??」と、対して冷静に答える黒い髪の侍。
そんな二人を見て、賭けの胴元であるサイコロ振りが、「お客さん・・・・金かけてもらわねぇと・・・こっちも商売なんで。」というと、茶髪の方は、「丁!」、黒い髪のほうは「半。」
まるで対照的な二人。
「それじゃあ・・・・・ようござんすね?? 入りやす!!」
壷振りの手に注目が集まる。
さぁ・・・・目はどっちだ・・??
ガチャン!!!
「殴り込みだ! てめぇら全員覚悟しろ!!!!」
そう言ってドスを持ったヤクザが大勢入ってきた。
もう、こうなると大混乱だ。
「ぎゃあー!!!」
「助けてくれぇ!!!!!!!」
さっきまで威勢良く金をかけていた奴が自分の金をかき集め、逃げようと急ぐ。
しかし・・・「ウあぁ!!!!」、とヤクザのドスに刺される者もいた。
その中に、刃物を持ったヤクザに囲まれながらも、全くひるむことなく刀を振るおうとしている二人がいる。
そう先ほどの赤い髪の侍と黒い髪の侍だ。
「おい、てめぇ。」赤い髪の侍が言う。
「何だ??」と返す黒い髪の侍。
「てめぇが死のうが俺にはどうでもいいがよ、俺の邪魔はすんな。」
「こっちのセリフだ。」
すると、ヤクザの頭らしき男が、「てめぇら何ぶつくさ言ってやがんだ!!! おい、抵抗するならぶっ殺せ!!」
ヤクザが襲い掛かってくる。
けれど、赤い髪の侍は、慌てることなく刀を向けて、一気に振った!!
ビュン!!と音が聞こえる。
刀はヤクザを斬った。血しぶきが飛ぶ。
そして、連続的に斬っていく。
しかし、赤い髪の侍はそこから、奇妙な動きをする。
刀を振るった後でパンチを入れたり、キックを入れたりと今までに見たことが無い動きをする。
バシュ!
バシュバシュ!!
赤い髪の侍は、ヤクザを次々に斬っていく。
「てめぇら、弱すぎ!! もっと強いの連れてこいや!!」と中指を立てて挑発する。
もう片方の黒い髪の侍は、剣術の基本的な構えの中段の構えだ。
攻撃、防御に変化自在な構えだ。
そして、「オラァ!!」とヤクザが襲い掛かってきたが、黒い髪の侍は慌てることなく、カウンターを入れていく。
「ぐっ・・・」と倒れるヤクザ。
眼鏡を上げて、「安心しろ、峰打ちだ。」と冷静に言う黒い髪の侍。
次から次に、バタバタと相手を斬っていく二人。
そして、最後の一人。
「や・・・やめてくれぇ・・・・!! 助けてくれぇ・・・。」
「うるせぇ。殺す。」
そう言って、刀を振り下ろそうとする紅の髪の侍。
しかし、黒い髪の侍が腕を取り、「やめろ。」と言う。
「あぁ!! 邪魔だ!!」
「お前がここでこいつを殺すと、俺にまで面倒が来るんだ。」
「てめぇの都合なんて知るかよ。俺はむかついてるんだよ! 殺されてぇか!?」と赤い髪の侍は刀を振り下ろした。
最後の一人は、その刀が自分の股の間に刺さるのを見て・・・気絶した。
生き残っている博徒が言う。
「おい、逃げんぞ!!」
蜂の子を散らしたように、逃げる博徒。
「さて、俺は行くかね。」と黒い髪の侍が言う。
「あぁ!? てめぇ・・・シカトこいてんじゃねぇぞ、こら!!」
そう言って刀を振り下ろした。
しかし、黒い髪の侍は避けて・・・奥のほうへと向かう。
すると・・・・大きな黒い箱があった。
「やっぱりか。」
「何だ、これ??」と赤い髪の侍が言う。
ガチャン。
と音がしてあけると、そこにはたくさんの金が入った箱が。
「すげぇ!! おい、これだけありゃ、遊んで暮らせるぜ!!」
「これは盗まれた金だ。だから、取り返しに来た。それだけのことだ。」
そう言って、10両を取って帰る、黒い髪の侍。
「おい、お前馬鹿か?? 後のもんはどうすんだよ!?」
「お前が好きにしろ。ただ・・・・ばれたら打ち首だな。」
むかつく・・・・!!
そう思いながら、10両取って帰る赤い髪の侍。
同じだけ取らないと、あいつに負けた気がする。そう思ったからだ。
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