『プロローグ』
ザァァァァァ…………
雨が降りしきる夜の丘の上
そこに一つの古い墓が建っていた
その墓にはこう書かれていた
『THE HERO Rest in Peace Here(英雄 安らかに此処に眠る)』
その雨に濡れた墓の前にフードを被った人影が立っていた
人影は墓の前に一輪の花を置き胸の前で両手を握り祈りを捧げ、小さく呟いた。
「この世界は元に戻っちゃったよ。貴方がいた時代はどんなに良かったか」
人影の顔はフードで隠れていたがその頬を透明な水が流れていた
暫くすると人影を濡らしていた雨が急に当たらなくなっていた
「此処にいたのですね。風邪を引いてしまいますよ我が主。さぁ帰りましょう、皆心配していますよ。」
その声に人影は小さく呟くと墓に背を向けた。
そして少し歩いた後、立ち止まりまた墓に視線を移し
「……貴方の作った世界を壊させたりはしません。ーーーーーです。安らかなる眠りを……『兄様』」
人影はまた墓に背を向けるともう一つの人影に
「帰ろ。愛しの我が家に。」
それを言うと二つの人影は一瞬のうちに元から誰も居ないかのように姿を消した
「兄様は一人で十分です。」
少し修正しました。よろしくお願いしますm(._.)m
九虎(九尾の白虎)