お○ま様に摂り憑かれて…大嫌いな「将棋」が大好きになっちゃった!!!~中盤⑩ お○ま様質問~
空中戦で挑む舞‥対し田はどう攻めるか‥期待を堪えきれず微笑みで溢れ、口元を扇子で隠してもそれは隠しきれていない…
田は「55角はまだ早ぇ…」と人化した頭脳とは思えない速さで、手筋の変化を読み、4筋の歩を突いた‥44歩‥角道を自ら不塞ぐ…
真実が「後手△44歩」と読上げる‥舞は流模に「一手に意味を持たせる、それを常に心掛ける事を忘れない様に…」と教わっていた…
父からもそう言われていて「考える癖」は付いていた‥「銀か桂馬で攻めて来る…」そう、瞬間的に考えていた
舞は居玉のままである事‥銀・桂馬を使われると、このままでは受けきれない‥ならば7段目に、厚みを持たせる
「今、金が上がると飛車が効かず成り込まれる‥そこが空中戦の恐ろしさ‥私の次の『最善の一手』はこれしかない…」と59の玉を48へと動かす
真実が「先手▲48玉」と読上げた瞬間、田は31から42へと銀を力強く指し、真実が「後手△42銀」と言い終えると
舞も「7段目を厚く」呟くと、次の手を決めていた‥69の金を58へと素早く指す…田も素早く41の金を52へと更に進めた…
真実は「先手▲58金、後手△52金左」と素早く読上げる‥舞は46歩と突き進め、田は43銀へと更に上がる
真実は「先手▲46歩、後手△43銀」と、読上げている最中、舞は58の金を取り47へと受けを固め、田も43から54へと銀を進めた
情二は「舞、即指しすんじゃねぇ…」と、龍樹も「あぁ‥時間は有るゆっくりで良んだ…」と、2人のお駒様が、舞に優しく語り掛けた
黒猫は「この子‥緩急が自然と出来てる…」と呟く‥考える時は考え、最善手が決まっていれば「その一手」で指す
流模は「良い呼吸をしていますね…」と-以心伝心-で囁く
真実は「先手▲47金左、後手△54銀」と読上げ‥舞は考えた…次の一手はどう出るかで、かなり違いが出る…
30秒程「沈黙」が流れる‥お駒様達は、それを静かに見守っていた‥沈黙を破ったのは田であった…
「舞ちゃん、お前は保育園でどんな子なのだ?」と、将棋以外の言葉であった…舞は「私は…私は…」と返答に困っていた…
「糞ガキ」と呼ばず「舞ちゃん」と呼ばれ、「人格」として扱われた事に、戸惑っていた…
土砂降りの雨が、小雨に変わりつつある雨音で…舞は「ない…」とだけ、か細く呟いた
※これまでの棋譜
▲76歩△34歩▲66歩△35歩▲68銀△32飛車▲67銀△62玉▲77角△72玉▲88飛車△36歩▲同歩△同飛車▲28銀△34飛車▲38金△44歩▲48玉△42銀▲58金△52金左▲46歩△43銀▲47金左△54銀
26手目迄