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09

いや~、3000ですよ。3000。ぬふふふふ。

貧しい極貧生活からの脱却。

さらば昨日までの僕、こんにちは新しい僕。

もう足がひとりでにスキップしちゃうよ、踊っちゃうね。

先ほど冒険者ギルドで依頼を終え、手に入れた金額の大きさに僕のテンション有頂天。


僕が現在居る場所は『アルファス』の街の南の区画

最初にこの街に着いた船着き場の近くであり、この街最大の市場に来ている。

目的は調味料の確保と他の食材の下見、後お土産。

港があるという事で魚介類が豊富だが見た事無い魚しかいない。

…食えるの?


他には肉や野菜も置いてあるが、流石に野菜まで変なのは無いだろう。

珍しい食材何かがあったら美食屋たちにフルコースにされちゃうよ。


そんな事を考えてたら珍しいのを見つけた、魚醤だ。

物語の中では珍しくない魚から作られた独特の香りを放つ調味料、醤油みたいなもんだね。

僕は魚醤を一ビンと他にも数種類の香辛料を買いながら散策を続けた。


国の情勢ってのは市場で分かるっていうが、僕が歩いて分かる事は砂糖が高いなぐらい。

塩、コショウは安いのでこの場所で取れるか、近い地域なのだろう。

砂糖は遠くから運んで来ているのか。なら物流がそれほど発展して無い世界なのかな?

砂糖を使うお菓子の類は無く、この街の甘味はどうやら果物がメインらしい。


近くに果物屋があったので僕はリンゴを袋で買い一つ取り出し早速食べてみる。

一口目にガシュッと音を立て口の中へ入れれば、流石に冷えてはいないが噛めばしっかりとした実が歯ごたえを与え、中には蜜が豊富に含まれているらしくリンゴの酸味以上に甘味が目立つ。

口の中では程よい酸味で刺激され、口の中から出る水分なのか、それともリンゴの水分なのかあふれ出る果実に喉がうるおう。

この実一つが丸ごと世界を創造と破壊を起こすように大洪水が繰り返えされる。

味の世界創造や~


…てなわけでユウのぶらり散歩でした。


これから向かう場所には本当はお菓子を買っていきたかったのだが果物ぐらいしかなく、昔じーさんが言っていた人に物事を頼むときは誠意を見せろと。繊維ならかぼちゃを持って行けばいいが、残念ながら今回はリンゴで手を打ってもらおう。


今までの戦闘で思ったのが僕には回復手段無い、たまたま攻撃が当たらずどうにかできたが《跳躍》による着地の失敗は確実に僕にダメージを与えるし。

これからも運よく敵から攻撃を受けないとはいえない。

ミーシャが使っていた《光魔法》を取ればいいがBP不足。

ならばポーションだと思ったが今は不足しているので買えない。

ならば自分で作ればいい。

しかし先ほどの森の中で回収した薬草を使いポーションを作りたいが、僕には《調合》はあるが、知識が無い。

《薬学の知識》を取ればいいかもしれないが、これもまたBP不足。

これは運営が計画通りと悪い顔してるのが手に取るようにわかるよ。

ならば作れる人に聞けば良い。僕はクルル夫婦が経営している薬屋に行き、教えて貰おうと考えこうしてお土産を買っている。

なに、作っている所を見せて貰うだけでいいですよ。



   ◇◇◇



クルル夫婦の店に着くと人だかりが出来ていた。

何だ?


「薬草届いたんだろ、売れよ!」

「こっちは、冒険できないんだよ!」

「早くしろよモブ!」


人だかりに入って行くと店の前では白い鎧を着た男に鎧を着た男や僕と同じ格好をした男が詰め寄っていた。

プレイヤーかな?

白い鎧の男はプレイヤーたちに事情を説明しているようだが「うるさい」や「黙れ」と聞く耳を持っていないようだ。


まいったな、これじゃ中に入れないかも知れない。

しばらく待つか?

…待っても空きそうにないな、事情を説明してダメなら今日は諦めるか…

僕は意を決して白い鎧を着た男、白騎士さんに話しかけようとした。


「あの~…」

「うるせえ割り込むな!」


文句を言っているプレイヤーの方に怒られた。


「君もダメだよ、購入なら生産ギルドの方に行ってくれ」


あ、白騎士さんにお仲間と思われた、僕に仲間はいないと言うのに。


「いえ、そうでは無く…」

「割り込むなって言ってんだろ!!」


おふ、喋らせない。

もういいや、説明だけ白騎士さんにしよう。


「そうでは無く、クーリーさんに用事がありまして」

「……知り合いか?」

「ええ、そうです」

「……今は、いそ…」

「おい、こっちを無視してんじゃねえ!!」

「こっちはさっさと進みてえんだよ!!」


まあ、割り込んだのは僕だけど、少しは話させて欲しい。


「いえ、会えないようなら後日改め伺わせてもらいます」

「そうだな、そうしてもら…」

「だから無視するなってんだ!!」


白騎士さん、さっきから途中でセリフさえぎられてるね。

『ピコン』と音がすると僕の目の前にメニュー画面が開いた。


『モーヒーさんにPvPを挑まれました。YES/NO

ルール:デスバトル』


僕は真剣な顔で画面を見る。

PvPってなんじゃらほい?後モーヒーって誰?

横を見たら鎧を着たプレイヤーがニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。

僕はよく分からないので画面に触れNOを選ぶ事にした。

どうやら今日はクーリーには会えそうに無いので白騎士さんに挨拶をして帰ろうとすると、鎧を着たプレイヤーに呼び止められた。


「待ちやがれ!!てめぇ、いい加減にしろぉ!!」


何をそんなに興奮しているか分からないが大変お冠のようである。

僕は首を捻り「?」と疑問に思っていると「殺す」と言って男は腰から片手斧を取り出し、僕に向かい斧を振り上げた。


『パワースラシュ!!』


アーツにより斧は赤く光りエフェクトを発生させて振り下ろされる。

僕は上げられた斧が赤く光るのを確認してから足を一歩横にずらし《回避》した。

斧は地面刺さり高い威力なのを証明していたが、当たらなければどうという事は無い。

僕は回避した時点で背中から槍を取り出し、斧を打ち下ろした男の首筋に当て質問する。


「…止めません?」

「……」


男は槍を見ながら動けなくなっていると見物人から「恥ずかしいぞ!」「女の子にひどい」「男子サイテー」と煽る声が聞こえる。

僕も男子です…

流石に黙って見ている訳にもいかなくなった白騎士さんが「おい、いい加減にし…」と言いながら止めようとすると、後ろの扉が勢いよく開いた。


「さっきから家の前でうるさいぞ!!」


店から怒鳴りながら出てきたのはこの店の主人クーリー。

クーリーは目尻を上げ辺りを見回す。

疲れているのか、前に会った時よりもひどい顔である。


「ポーションが欲しい奴は生産ギルド、商人ギルドで買える。

ここでお前たちがうるさいと、こっちが作れなくなり。

その分、販売個数が落ちてお前たちまで回らないぞ!!」


クーリーの怒鳴り声を聞いて、最初に傍観していた数人のプレイヤー、その後に見ていた街の住人が散り散りになって人だかりが消えていった。

ちなみに先ほどの男は何時の間にやらどこかに行ったらしい。


「ハァー…やっと消えたか…」と気苦労が絶えない顔を見せるクーリー。

うん、大変だね。

白騎士さんがクーリーに心配そうに話しかけている所に僕はチャンスと思い声をかけた。


「こんにちはクーリーさん」

「君、ダメじゃ…」

「ああ、たしかユウだったか?

どうした、お前もポーションか?」

「いえ、ポーションを自分で作りたいので見学させて欲しいのですが」

「…《調合》は持っているのか?」

「え?はい」


「ふふふふ」とクーリーが笑いだすと僕の肩をガッ!と掴み、目が逃がさんぞと言っている。


「逃がさんぞ…」


ホントに言われた…

僕を掴みそのままクーリーは店の中へと僕を引っ張って行った。


ちなみに白騎士さんはそのままだ。




   ◇◇◇




店に入ればフェスナは頬杖を突き不機嫌そうにしていた。


「こんにちはフェスナさん」


僕が挨拶するとフェスナは「あ?」と睨んできた。

ど、どうしましたか?忙しくてぐれましたか?それとも旦那さんにご不満が?


「…違う、娘のクエスだ」


………ファ!?娘!!?

いやいやいや!まんまフェスナじゃないですか。姉妹と言われても分からないよ!?

え?というと何かい、フェスナ何歳?

僕の顔を見てクーリーが言う。


「…妻は私と同じ歳だ」

「……そうなんですか」


僕の疑問にクエスがため息をつきながら答える。


「いつも言われてるから別にいいけど…」


え、と、何か色々すいません…ローリーさんとか言った事とか。





   ◇◇◇




「フェスナと~」

「……」

「フェスナと~!」

「…クーリー」

「の三分ポーションクッキング~!」


キッチンの前に笑顔のフェスナがおり、それとは正反対に疲れ切った顔のクーリーがエプロンをつけて立っている。

いきなり始まった、茶番。

クーリーはただ教えようとしただけだが、その後来たフェスナによってこんな感じになった。

ちなみに僕とクエスはキッチン前の椅子に座り見ているだけ。


「先生、今日は手軽に作れるポーションの作り方ですね」

「…ハァー、さっそく始める」


クーリーは何かを諦めたように溜め息をつく。がんばれ。


「初めに薬草の茎の部分を全て取り除く」

「はい、先生分かりました。えい、えい、えい…あ~ん、痛い~」


フェスナが指を切ったらしく、それを想定していたようにクーリーはすぐ傷を手当てした。


「次に葉の部分を乳鉢で擦って行く」

「はーい、ごりごり…キャッ!?」


フェスナが落としそうになった乳鉢をクーリーは慌てずに掴む。


「次に魔力を帯びた水『魔水』を使う」

「はーい」

「魔水はそのままでは使えないので鍋に入れ沸騰させる」

「ぐつぐつ~……もういいかしら~」


鍋に触ろうとするフェスナの手を掴む。ちなみに何故かフェスナの顔が赤い。


「沸騰してきたらそこへ先ほど擦った薬草を入れる」

「はーい」

「……ゆっくりな」

「はーい」


何だろう夫婦と言うより幼い子を見守る親に見える。


「……大変そうですね…」

「言わないで…」


僕は横のクエスに同情するがクエスは顔を下に向け拒絶した。

がんばれクーリー。

何か目から出てきたよ。これは何?涙?それとも…


「暫く煮込むとアクが出てくる、それを取らないと品質が落ちてしまうのですべて取る」

「アクアク~」

「アクが出なくなってきたら火を止め、冷ます」

「はーい、そしてこちらが冷ましたモノです~」

「ユウ、クエスこっちに来て見てみろ」


僕とクエスはクーリーに呼ばれ椅子から立ち上がり鍋を覗くと上が透明な水で下に緑色の液体が沈殿していた。


「下に沈んでいるのがポーションだ。

本来なら上に薬草のかす、魔水の残り水、ポーションの順だが今回は薬草のかすは、どかしてある。

ここからポーション以外を掬い取り、最後に残ったポーションをビンに入れて完成だ

これがポーションの作り方だ分かったか?」

「はい、ありがとうございます」

「よし、では作ってもらう」

「……え?」

「タダの訳はないだろ?」

「いえ、先ほどのリンゴ…」

「あれは、あれ。これは、これ」

「……大変そうね………」

「言わないでください…」


これは何?涙?うん、涙だ。




    ◇◇◇



時間は何時だろう?

あの後僕たちはすぐにポーションの調合を始めた。

僕の《調合》LVが低く品質3はすぐには出来ず足を引っ張る形になってしまったが、LVが上がると面白いように品質3が出来るようになった。

品質は一定の3までしか売り物にならないようで品質の低いポーションは僕が持って帰る事になった。

残念?ふふふ、そんな訳はない。

品質2のポーションでもうれしいものはうれしい。

材料はほぼアッチ持ち、僕が持っていない魔水も少し分けて貰ったしうれしくないはずない。


時間がたつと僕に睡魔が襲ってきて眠くなってきたので終わりになった。

「泊まるか?」と言われたが僕が泊まっている宿があるので丁重に断っておいた。

しかし眠い。申し出を断らなければよかったと思いながら歩いていると、突然僕の目の前が暗くなった。


《強制ログアウトになりました。再ログインまで 06:00:00》

PN:ユウ

人種:新人種(人間)

性別:male

HP:100

MP:100+12

SP:76:50

状態:エラー

STR:6+5

VIT:5

DEX:6+10

AGI:4+7

INT:4+3

LUK:5+3


BP:3



スキル:《槍》LV:3《料理》LV:3《鑑定》LV:6《調合》LV:3《風魔法》LV:2

《跳躍》LV:4《投擲》LV:2《採取》LV:3《平衡》LV:2《回避》LV:1


控え:


称号:《アイルの祈り》

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