謎めいた体験
しかし、僕は、人間関係のストレスから精神分裂病になった。神様は、ここでの修行は、もう終わりと告げたのだ。
幻覚、幻聴の症状が生じた僕は、自分に何が起きたかわからなかった。ただ、ただ、恐怖感に脅えていた。命令されたり、現実ではない何かが見えたりオカルトの世界だった。 そんな中、
「尾崎豊」の死亡のニュ―スをTVで見た。僕が21歳の時だった。思わず近くのコンビニに行き、弁当を二つ買い、焼け食いした。そして、ありったけの金を持ち、東京へ向かった。
はじめての東京をさまよっていると、運送屋の兄ちゃんがついてこいと言ってるようで後ろからついて行った。そして、ビルの中へ入り、また、ビルから出て来ると、警察官が僕を捕まえ、交番へ連れて行った。色々、質問され適当に答えていた。
そして、警察署に連れて行かれ、東京駅から新幹線で実家へ送り返された。
その夜、父親に奈良へ連れて行かれようとした時、ケンカになり、コンビニで僕は、交番へ電話したら警察官が来て、両親と一階で話をしていた。僕は、二階で本を読んでいた。しばらくしてパトカ―に乗せられ、どこかへ連れて行かれ独房に入れられた。一晩、薄い毛布をかぶり、寝た。朝になると、ご飯と味噌汁が運ばれてきた。結構、おいしかった。
そして、
「出てこい。」と言われ、出ていくと警察署の外に出た。日差しがまぶしかった。パトカ―に乗せられ、どこかへ連れて行かれた。そこが、精神病院とはわからず、男の看護師に病棟へと連れて行かれた。ある男と話をしていると、突然、詰所から男の看護師がゾロゾロと出てきて、僕を捕まえて紐で身動きとれないように縛り、保護室へ放り込んだ。紐が緩かった為、自分でほどいて紐を持ち立ちすくんでいた。話をしていた男と二人で保護観察室に連れて行かれた。両腕、両足縛られオムツを強制的にさせられた。泣きながら、
「ほどいてよう。助けてよう。」と言っていた。
閉鎖病棟の中は、不気味だった。僕に
「殺すぞ。」と言ってくる奴がいた。しかし、全く相手にしなかった。 なんとか、閉鎖病棟に慣れ、しばらくして開放病棟に転棟になり、入院してから半年後、主治医に
「大学を卒業してきなさい。」と言われ退院した。