大学生
大学一回生八月十二日、S会の夏期布教の青年が、僕の部屋を訪ねてきて、戸の隙間から浄霊をした。そして、車でS集会所に向かい、車の中では
「尾崎豊」の曲が流れていた。
浪人時代の夢が現実化したのだ。
下関と小倉で手当たり次第に戸別訪問などをして布教活動をした。合宿、夏期布教等、ありとあらゆるものをこなしていき、まず、一人目は、友人を導いた。そして、三年間で約三十名導いた。お金は、父親の仕送りを布施することで父親の出世を願った。そして、地上天国建設、人類救済の同志をひたすら探した。
神を味方にし、どんどん自分の夢は、現実化していった。一人目に導いた友人も共に活動するようになり、二人は、夢をもって輝いていた。駅前で手当たり次第に声をかけ、相手の幸せを祈り、縁のある人は、どんどん入信していった。ここで、僕の信仰の基礎が形成されたと言っても過言ではない。感謝、奉仕、布施と身につけたのである。
そして、K出張所も新築され大きくなった。K島の落慶も行われ、K塔も本部に建てられ、ますます、S会は巨大化していった。
そして、ある時、S会の新聞にSファミリ―という言葉が載った。
「これだ」僕が浪人時代に神の啓示を受けた
「日本を家族にする」ということだ。しかし、Sファミリ―ということは、S会の信者だけの家族である。僕の夢は、日本の人達を家族にしたかったのだ。ズレが生じた。しかし、友人は、S集会所のリ―ダ―となり、僕の目的は果たされたのであった。