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ビー、ビー!!
「うわ、やべっ」
慌てて、アラームを止める。
ギリギリ会社に間に合う時間だ。
「おはようございます。」
「…おはよう。綿貫君、ギリギリじゃ困るよ。」
「すみませんでした。気をつけます。」
「そんなんだと、来年はないから。」
「大変申し訳ございませんでした!」
俺は腰を90度に曲げた。
朝から社員に怒られ、最悪のスタートだ。
だいたい遅刻したわけでもねーし。
ただの社員の癖に、来年はないからとか何様だよ。
マジやってらんないわ~。
心の中では、悪態をついても表には出せない。
29歳、派遣社員2年目、社員になれるか契約を切られるか瀬戸際だ。
ボーナスなしで、年収300万。
サービス残業あり。
手取り20万ちょいだが、年が年なだけに安定は大事だ。社員にならないと。
結婚の予定があるわけではない。
こっちにきてなんとなく付き合った子もいた。
初めはうまくいっても、
一緒にいても楽しくない。
生活力がない。ダメ男。
先が見えない。将来が不安。
俺は普通よりましな顔だと思う。
高校時代は、バレンタインが楽しみだった。
派遣でも、それなりにもてた。
なんとなく付き合った相手もいた。
だが、別れ際の捨て台詞にこれは、ダメージがでかかった。
夢も金も希望もなく、メンタルも弱い俺。
彼女4年いない。
友達は10年できていない。
頼りになる上司もいなければ、頼られる後輩もいない。
毎日、頭を下げて仕事をする日々。
そんな日々もなければ、
そこにいるのか、いないのか、
存在があるのか、ないのか、
わからない俺。
ハァ~、まさきは新車か~
大学受かって夢も叶って、
大手企業に採用され金もあり、
また、外車の新車で未来も満ち溢れてるよな~




