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「キャ〜!
ママ私の番号あった、あったよ~
春からここの大学通えるんだ~
うわ~ん」
大学合格発表会場のまわりがざわめく中、俺とまさきは……
「まさき…何番?…あった?」
「とおる、俺のあった!あったよ!
とおるは何番?見つけた?」
「………ない」
「え!?……う、そ」
「……」
「ない…お、俺の番号がどこにもないんだよ!!」
俺は叫んだ!と思う。
そこからの記憶はない。
いつの間にか家に帰っていた。
親には嘘をついた。
友達にも嘘をついた。
後輩にも嘘をついた。
「受かったよ」
まさきは、何も言わなかった。
先生だけが、何か言っていたような気がする。。覚えてない。
いつの間にか、卒業式も終わり。
卒業生代表も何を言ったのか記憶がない。
覚えているのは、途方もない劣等感と罪悪感だけだ。
親には嘘はすぐばれた。
浪人する事になり、わずらわしいものから逃げるように、俺は誰も知らない所で一人暮らしを始めた。
「初めは自由気ままで良かったんだよな~」
わずらわしさから逃れ一人になった俺は、少しずつ自信を取り戻していたと思う。
まさきのはまぐれ、俺のが凄い
そんな思い込みと自信が災いしたのか、次の年も不合格。
浪人2年目になると現実から逃れるようにネットの世界にはまった。
当たり前のように2年目も落ち、親には見放され、高卒では職もなく、派遣先を転々として今にいたる。
「ハア~、毎日何やってるんだろ俺。
こんなはずじゃなかったのに…」
疲れとほどよい酔いの中で、嫌な記憶を消すように俺は意識を手放した。




