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騎士の娘
「わたしは、そこで生まれたの?」
不安げに問うメイリンにディドは慌てた。
「そんな不安そうにせんでもええねんで。俺が守ったるから」
しかしその言葉が的外れであるということは、ディド自身が知っていた。
「大丈夫。今はもう俺がいるんやで。そんな心配せんでええ」
それでもディドはメイリンを安心させるように言葉を紡ぐ。しかしそれは絡まり、もつれ合ってしまった。
メイリンは急に泣き出した。
「どうして、ディドが知ってるの?」
しゃくりあげながらそう聞いたメイリンに、ディドはどう答えたものかと逡巡した。
「前にいた街で、メイリンの噂を聞いたんや。どうやら、どこかに騎士の娘がいるらしい、と」
「騎士の、娘?」
きょとんとしたメイリンにディドは微笑んだ。
「そう、この国の頂点、騎士イェルツの娘や、メイリンちゃん」
ディドは微笑んだ。