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生まれた街

「新しい世界を見たい」

そう言ったメイリンはディドについて行ったことをもはや後悔し始めていた。

普段ならばもう暖かい布団で寝ている時間がディドの本業の時間。ディドは夜山を越える隊商を主に護衛している。

「ディドさん、今日はどこに行くんですか」

メイリンはそう尋ねるも、答えがないことくらい百も承知だった。

しかし、珍しく、ディドはこう答えた。

「お前が生まれた街へ行く」

メイリンは始め、ディドが冗談を言っているのだと思った。メイリン自身も自分の生まれた街を知らなかったからだ。

「どこなんですか」

たまらなくなったメイリンはディドに尋ねた。

「王都、ヤッハだ」

「王都、ヤッハ……」

思わぬ言葉にメイリンは呆然とした。それならばなぜあのような小さな村までたどり着いたのか。

「ヤッハがどういうところか、わかっているか」

急に厳しい口調になったディドにメイリンは戸惑いつつも、首を横に振る。

「いいえ、分からないわ」

「一言で言うと、魔の街、だな。昔はそうでもなかったらしいが、今はもう魔の街だ。

殺人、強盗は日常茶飯事。それでいて外見だけは美しく、旅人を引きつけてやまない街だ」

そこでディドはメイリンが泣きそうな顔をしているのに気がついた。


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