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2.魔王の家来・エアリー

同性愛描写(男性同士のがメイン)ありますので苦手な方はスルー推奨!

魔王の城からかなり遠く離れたところにある繁華街――。


 様々な百貨店や飲食店が並ぶその場所には、毎日絶えず多くの人が集まっていた。


 今日もそれは例外ではなく、家族連れや恋人同士、おひとりさまなど、様々な人々が思い思いにショッピングを楽しんだり食事を楽しんだりしている。



 恋人同士――繁華街を見渡す限りでは、やはりそれは、異性同士の割合が高く、同性同士の割合は全体の一割程度しかない。まだまだ同性愛というのはマイノリティな世の中なのだ。


 その様子を上空からひっそりと観察する、ふわっとした雰囲気をもつ若い女の子の姿があった。


 その女の子は、見た目魔王と同じかちょっと下くらいの年齢で、とても整った容姿をしていた。ここまでの美少女はなかなかいないかもしれない。



 彼女は、ゆるくウエーブのかかった淡いピンクの長い髪を、頭の左側の高い位置で結んでサイドポニーテールにし、長いもみあげはそのまま垂らしていた。また、髪の結び目には綺麗な造花の髪飾りがついており、彼女の髪を華やかに演出している。



 そして、肩と鎖骨を露出したデザインのトップスと裾にフリルがついたミニスカートを着用しており、色は淡いピンクと黒を基調としている。美脚の持ち主でもある彼女はニーソックスを穿き、足元にはアンクルストラップパンプスを穿いていた。


さらに、彼女の背中には小さめの羽が生えており、左手にはハートがモチーフの弓が握られている。



「魔王様、このエアリーにお仕事任せてくださってありがとうなの~」


 彼女の名前はエアリーというらしい。


 そう、エアリーは一見天使のような可愛らしい外見の美少女ではあるが、れっきとした魔王の家来なのだ。


 エアリーはたまたま、近くで女性をナンパしている若い男性を見かけた。


 その男性はいかにもチャラそうな服装に、金髪ロン毛という派手な外見をしていた。


 エアリーはその男性に狙いを定めると、


「それじゃ、早速お仕事始めるの~」と可愛らしい声で言いながら、力いっぱい弓をひき、彼めがけて放った。


 すると、ハートのエフェクトがぽわーんと辺りに広がり、その男性はあっという間に魔法にかかってしまう。



「あ、あれ? なんでこんなところで俺、女なんかナンパしてんだ? こんな女ひっかけてる暇あったら、イケメンナンパしねぇと」


その男性にナンパされていた女性は、男性の態度が急変したのを見て、一瞬驚いた表情をしたあと、


「ちょっ……こんなって何よ! 失礼ね!」と、激怒しどこかへ立ち去ってしまった。




 エアリーは次に、たまたま近くを通りがかった仲良さげな男女のカップルに狙いを定めた。


 エアリーが放った矢は男性の方に命中し、ハートのエフェクトが辺りに広がった。


「あ、あれ? なんで俺こんな女と手繋いで歩いてるんだ?」


 すっかり魔法にかかってしまった男性の発言に、相方の女性は驚いた表情をする。




「こんなのと歩いてる暇あったら、イケメンとの合コンに行かねぇと」


 そう言ってそそくさとどこかへ立ち去ってしまう男性。


「ちょっ、こんなって何よ、こんなって?!」


 女性は、あまりの突然の出来事に理解が追いつかないのか、その場で呆然と立ちつくしていた。


「そん……な……」



「どんどんいくの~!」


 エアリーはターゲットとなる男性(イケメン優先)をみつけては、彼らに向けてどんどんと矢を放っていった。するとその矢を撃たれた男性たちはたちまち、異性ではなく同性を愛するようになった。









 繁華街の外れにある公園――。


 一見、広々としたごく普通の公園だが、見渡すとそこは、男性同士のカップルだらけであった。


 そう、彼らはエアリーの魔法にかかってしまった者たちだ。


 彼らは、そろそろ辺りが暗くなってきたのをいい事に、いちゃつきはじめている。




 たとえば、見た目30歳くらいのガタイの良い男性と20代半ばほどの細身の男性のカップル。


「俺、お前のことが好きだ」


「そうちゃん……僕も大好き」


 ふたりは熱い眼差しでお互いを見つめ合い、唇を重ねる。


たとえば、見た目大学生くらいのイケメン同士のカップル。


「俺、お前のことめちゃくちゃにしたい」


「あっ、ちょ、シュウ、いったいどこ触って……アッ――!!」










――そんな男性たちのいちゃいちゃしている様子を、魔王は自室で魔法の水晶玉を使って観察、もとい見守るのであった。


「あ~やっぱりイケメン同士の絡みは最高ですなぁ~♪ 目の保養だわ」


 魔王は自らの顔がにやけるのを止めることができなかった。

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