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2.現状確認

「撒いたかな」


"3階"の階段を挟んで2年A組の反対にある科学室の奥、本来は鍵のかかった備品室となっている部屋に彼女、アリス・ミスカが呟きながら入っていく。


「お、来たか!何笑ってるんだ!?」


先に備品室にいたアレン・クーパーが、どこからか出した椅子に座りながら声を掛けてくる。


「いやー、クラスメイトが私を気にしてるっぽくて、イタズラしてみたんだよね」

「あんまり目立ち過ぎるなよー」

「アレンに言われたくないね!

アンタだってこっちのクラスでも結構話題の人なんだけど?」


私は咄嗟に言い返す。

まぁ、自分でも目立っている自覚はある。

でもアレンに言われるのは悔しい!


「そりゃーな、この辺じゃ珍しいだろうよ」

「別に悪感情を向けられてる訳じゃないからいいけどね。部隊としては目立っていいのかね…」

「むしろ好意的な感じだからな。

転入生として話題になる分にはしゃーねーやろ」


ガチャ「揃ってるなー」


備品室に新たにもう1人入ってくる。

黒目黒髪、長ささ長くも短くもないよく居そうな髪型をしている。身長もアレンより少し低い175cm程。アリスとアレンに比べればあまりにも普通に見えた。


「隊長!お疲れ様です。」

「隊長!お疲れ様でっす!」

「はい、お疲れー」


隊長は手に持っていたパソコンを操作しながら、本部と繋ぎ始めた。


「隊長、やっぱ、俺たちって目立ってますよね!?」

「だろうな、3年の中でも話題になるしな。アレンは女子人気高いぞ!もちろん、アリスもモテモテだ!」

隊長がニヤつきながら、チラッと私を見る。


「よっしゃー!」

「からかわないでください!そもそもあまり目立つのは良くないのでは…」


アレンは大喜びだが、私は嫌だなー。

そりゃ、好意的に受け止められるのは嬉しいのだが、まだクラスメイトくらいしか知らないのに、他のクラスの知らない人から急に告白されるのは、もはや怖い。

「まぁ、もう昨日で一般研修の半分経ってるからな。後、3ヶ月で転校扱いだ。あんまり気にすんな!」


一般研修は私たちみたいな通常教育を経験していない者が半年間一般学生に混じって、一般常識等を経験しようって名目のものだ。


「はい、と繋がったかな」


隊長のパソコンに女性が映し出された。

「はいはーい!みんな聞こえるね!?」

「あぁ、問題ない」

「了解です!みんなは学校生活慣れてきたー?」


彼女はリリーナ・七瀬。

私達の部隊のオペレーターだ。黒髪ロングで胸も大きい。見た目は清楚系美人なのだが、テンションが高めの方だ。仕事が出来る27歳のお姉ちゃんだ。


「結構楽しくやってますよ、当初の質問攻めも落ち着きましたし…」

「それなっ!、最初の反響はビビったわ!

でも慣れると、この環境も悪くないな」

「君たちはぜっっったいに!目立ったろうからね!

私なら出身から始まり、お風呂で洗う順番まで洗いざらい聞いちゃうね!アリスは特にね!!」


「そんな目で見ないでください!

でも、本来なら各国の支部近くの学校に行くんですよね?」


「そうそう!最近この辺りがきな臭いからねー、私たちの部隊は何かあった時の保険ってわけ」

「昨日1体出たんだろ?」

「さっすがっ隊長!情報が早いですね!」

「むしろ俺の所に情報きてなかったら、問題だろう」

「それもそうでした!」

「じゃあ、このまま定期報告を始めるぞ!」

「「「了解」」」


「まずはリリーナ、現状報告を頼む」

「了解です!さっきも話が出ましたが、昨日3:10に現在地より北東20km地点の山中にて、タイプα(アルファ)が1体出現、東北支部の部隊により殲滅。人的被害はありません。同部隊より侵入経路と思しき掘削痕を付近で発見済み。単体の侵攻と断定しています。

当該地域では昨日の1件を含め、約1年で9件の侵攻、全て単体侵攻ですが、うち人的被害は4件発生となります。」


「ありがとう。観測班の予想通り、この付近に近々複数体の侵攻が予想される。一般研修が終わってもしばらくは東北支部になるだろう。」

「それとなんですが、本部のほうでバグズについて、徐々に報道周知を進めることが確定した見たいです」


確かにもう誰もが動画をすぐ撮れるし、すぐ拡散される時代だ。隠し通すのはもう難しいだろう。


「やっとか、頭の硬い連中もようやく理解したか。」

「既に都市伝説レベルからですが、情報発信しているようです」

「そりゃまた悠長なこって」

「アレンは最初から知ってるからね、あんまりピンとこないかもしれないけど、いきなり"人類には敵がいます"なんて全部話したら混乱するだろうからねー」

「そう言うもんか」

「そう言うもんです!

あ、報告事項は以上になります」


「よーし、じゃあ、他に何かあるやついるか?」

「俺はありません」

「私もありません」

「じゃあ、さっきも話になってたが、一般研修は貴重な機会だ。楽しめよー」


「そういや、隊長は馴染みすぎじゃないですかね?」

「日本人だからな、3ヶ月もすればもう話題にはならん」

「21歳で高校生のフリなのに馴染んでますね♪」

「お前らも20なんだから大差ねーだろ!?」

「みんなの制服姿はバッチリ写真撮ってあるからね!」

「えっ!?リリさん!?やめてくださいよ!

恥ずかしいじゃないですか!!」

「いいじゃないかー!初々しくて、大変けっこうです」

リリさんのニヤニヤが止まらない。確かに初めて着たから新鮮で楽しいが、そう言われると恥ずかしくなってくる。


「も、もう会議は終了ですよね!?切りますよ!?」

「えーーーー」

プツっ



「ふー」

すぐちょっかい出してくるんだから…

「ふっ、じゃあ、今日は解散だ、各位は自主鍛錬と装備チェックも怠るなよ」


「「了解」」




_______________


次の日、学校生活は一変する。

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