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ブラックペギーの末路 -5-

「わ、わかったよ、ミリアおば……、いや、おねいさん。わかったから、その手の中のモアファイア収めてくれる?」


 わかってくれたのであれば、モアファイアは収めましょう。

 

 このところ、おばさん呼ばわりされ続けていますが、決して受け入れたわけではありません。特に新参者には、最初の教育が肝心です。


「話を戻しますが、あなた(ペギー)を保護するメリットならあります」


「メリットがあるってのかい? それはどんな?」


「あなたは空が飛べます。それだけでも、大きな利点になります」


「そ、それだけ?」


 空なんか飛べるやつ、他にもいっぱいいるだろ、とでも言いたそうな疑いの目をペギーはしています。


「それだけ、というものではありません。空を飛ぶということは、そもそも人族の永遠なるあこがれ、夢でもあります。あなたの誇るべき才能です」


「才能……これが……」


 ペギーは両の翼を広げて、まじまじと見いっています。


「それに、先ほどもいいましたが、そもそもはあなたこそが被害者です。イワオとの最後の対決のとき、イワオの性悪で不敵な笑みや、あなたに謝る振りをしながら、さらにあなたの怒りを買い、あなたをいっそう悪者にするよう仕向けていたことに気づいていましたか」


「えっ? いや、そう、だったのか? 」


 ブラックペギーはおろおろとしながら、頭を抱えています。


「真実の悪者はイワオです。イワオは最初から最後まで、目障りだったあなたをヒョウザリン山から追い出すことだけに必死でした。イワトビーの群の中に、たった一羽黒いカラスがいる、それも大人から可愛がられているということが気に食わず、たったそれだけのことで、あなたは嫌がらせのターゲットにされていたのです。まあ、そんなあなたが、グングン頭のコブを育てて、魔力を強くして、自分たちを征服してこようとしてきたのは計算外だったのかもしれませんが。しかしそれでも、あなたがどんどん一人ぼっちになっていく様は、おそらく見ていて快感だったのではと推測できます」


「お、俺様は、イワオにそこまで嫌われて……? もともとは何もしてないのに?」


「異種を排除したい気持ちに、そうたいそうな理由などありません。世の中、そんなものです。そのような環境から離れられたことは、幸いなことです」


「ほんと、よかったね。置かれた環境って、運が大きいからね。ミリアおばさんは炎の変態大魔導師だけど、裏表のない真っ正直なおばさんだよ。一緒にいて損はないと思うよ」


 と話に割って入ってきたのは、フレデリック君。 

 

 先ほどから、リビングの丸テーブルで、フレデリック君とトビーは仲良くお茶しています。


「そうペンね。おばはんは小うるさいけど、悪い奴じゃないペンよ。ペギー、おれはイワトビーだけど、色々あって今はこいつらと一緒に過ごしてるペンよ。ペギーも泣いてないで、ペッドから下りて、一緒に紅茶を飲もうペン」


 トビーは一度、わたしに化けた長老に氷漬けにされてしまいましたが、プチファイアでじわじわ溶かして、この通り元気に復活しています。


「あ、ありが、ありが、とう……。フレデリック、トビー、ミリアおばは――……!」


 メガトンファイアくらい、詠唱なくともかんたんに放てます。 

 

 新参者が涙と鼻水に濡らしたキルトは、一瞬にして燃え上がり塵芥となりました。




【第二部 完】













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