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イワトビーの長老 -7-

「イワオは何か、思い違いをしておる」


「思い違い? なにをですか?」


「イワオは大人たちから愛情を受けて育てられた。それに、自分のことはイワトビーではないが、ブラックペンギンだと思っておる。大きなくくりで見れば、同じペンギン族だ。そんなあの子が意味もなく我々を襲うようになるわけがないではないか。目を覚ませ」


 イワオはしばらくぽかんとしていた。


「ーー悪いのは、ブラックペンギンをいじめたことにより、凶悪なブラックペギーへと変貌させてしまったわたしだということですか」


「今からでも遅くはない。これ以上の悲劇を食い止めるために、ブラックペギーに謝りなさい」


「くっ……」


 イワオは己の葛藤と戦っていた。


 なぜ自分が。


 弱者が強者になる前に潰して何が悪い。


 自分を守るためだった。


 自分を……。


 そこでハッとして、イワオはわずかのあいだ、暗い空を仰ぎ見た後、霧雪に浮かぶ、大きな黒いコブに向かって土下座した。


「ペギー! すみませんでした! みんなを先導していじめたのも、海に突き落としておぼれさせたのも、やったのはぜんぶわたしです! だから、他のイワトビーたちを攻撃するのはやめて、やるならわたしだけにしてください!」


 霧雪の向こうは何の反応もなく、あたりはしんとしずまりかえっている。


「長老、やはり謝ったくらいでは、トビーの怒りは――」


 そのとき、深い霧雪が動き、三角の大きな黒いコブが地響きを立てて揺れ、目の前にブラックペンギンが現れた。


「ペギー……ますますコブが大きくなって」


 そこにいたのは、山のように大きな三角の黒いコブを頭にこさえた割には、体はただの大きめの黒いカラスだった。


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