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炎の大魔導師はそれを揉みたい -4-

 イワトビーたちは鳩尾あたりをさすりながら、顔を見合わせています。


 おそらく、ジンジン痛むのでしょうね。蘇生時の副作用だから仕方ありません。


「おまえたち、どうしてもあいつを連れ戻しに行くのかじゃん?」


「当然です。仲間ですから」


「フレデリックはおれの恩人ペン。見捨てるはずがないペン」


「トビー、おまえ……」


 イワトビーAが複雑な表情で、トビーを見ています。


「トビー、せっかくわたしたちがあなたを逃がしてあげたのに、ブラックペギーのもとに行ったりしたら、生きて帰ってくることはできないじゃん」


 イワトビーBはウルウルの瞳を滲ませています。


「ーーどういうことペン?」


「トビーが魔力をなくしていらない子になったから、追放したというわけではないのですね。あなたたちはむしろ、トビーを助けたくて、遠くに逃がした。くわしい話を聞かせてください」


 イワトビーたちが説明するには、おおむねこのような事情でした。


 ヒョウザリン地方のヒョウザリン山では、幾千年前から、イワトビーたちが群れをなして暮らしてきました。


 しかしいつからか、氷山の頂上に、凶悪なブラックペギーが住み着くようになり、その魔力は絶大で、イワトビーたちが総勢でかかってもかなうものではなく、イワトビーたちはそのブラックペギーの顔色を伺いながら、細々と生きていくしかありませんでした。


 ブラックペギーは、ただ言うことを聞いてさえいれば、機嫌が良くなるという、そんな単純なモンスターではなく、強い者、能力のある者を、特に重要視するふしがあるそうです。


 無能な者は大嫌い。しかし、自分より秀でている者も許せないという、実に性悪なモンスターのようです。


「それで、ティア鉱石をなくし、魔力を失ったトビーは、ブラックペギーからするとかっこうのネタになり、能無し具合をとことんいじり倒された上、腸を引きちぎられながら、ぐちゃぐちゃに殺されてしまうかもしれないことを恐れて、トビーを助けるためにこの山から追い出した、そういうことですね」


「腸を引きちぎりながら、ぐちゃぐちゃに……ペン……?」


 トビーはその様を想像してか、震え上がっています。


「……おまえ、恐ろしいこと言うじゃん。まあ、そんなところじゃん……」


 と、イワトビーA。


「あ、あの人、レンズのないフレームだけの眼鏡をかけた変わった女性だと思ってたけど、表現が鬼畜道じゃん……。トビー、よくこんな人と一緒に旅してられるじゃん……」


 と、イワトビーB。ガタガタ震えています。


「……!」


 イワトビーCは、涙を目一杯に溜めながら、言葉もないようです。

 

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