ふたりの大魔導師はペットのために最善をつくす -4-
メガトンファイアーが氷山の一角にぶち当たり、氷の崩れる音が聞こえてきました。
これで胸くそイワトビーたちは全員、氷の地面に打ち付けられて、即死していることでしょう。一件落着です。
「すごい。見えてないのに、魔法は狙い通りのとこに当たってるよ。さすが、炎の大魔導師だね」
「氷山《的》が大きいですから。イワトビー一匹を狙うとなると、話はちがってきます。では、先を行きましょう」
「でも、見えなくて旅できるの?」
「近くはぼんやりとなら判別可能です。数日の旅歩きくらいなら問題ありません。しかし……」
「ほかになにか、困ることでもあるの?」
「遠出ということで、ミニタブに入れたドラクエウォークを持参したのですが、画面の詳細が見えず、モンスター集めに詰みました」
「え」
「モンスター集めに詰みました」
「え」
「ぼんやりとしか見えないため、ミニタブを目で追うことができず、モンスター集めに詰みました」
フレデリック君はガリガリッと頭を掻いています。
表情は見えません。
「……ということらしいから、ミリアおばさんは放っといて、先を行こっか、トビー。トビー? あれ? トビーがいない。あ、あーー! あそこ! トビー、ミリアが破壊した氷山の方に向かって走ってる! ペンギンだから走るの遅い!」
「見えません」
距離が十メートル離れると、ぼんやりシルエットは風景と同化します。
「うぅ、もう知らないよ! ミリアなんか一生ゲームしとけばいいんだ! ミリアがガチ勢だなんて知らなかったよ! わーん! 騙されたーっ!」
フレデリック君は泣きながら、走り去って行きました。




