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炎の大魔導師はペットが苦手 -2-

 どうりで肩口が冷たいわけです。


 ずっと、濡れたイワトビーがぴったりくっついて、一緒に寝ていたわけですから。


「……百歩譲って、トビーとは今回の旅で仲間になりました」

 

 というより、ほぼ飼っている、状態ですが。飯を与え、トイレの世話まで焼いているのですから。共に旅している以上、尿、便を路上に放置していくわけにもいきませんからね。


「しかしながら、あなた。この際はっきりさせておきたいのですが、わたしのこと、嫌いですよね。なぜ、そんなあなたが、今勝手に、このベッドにいるのです」


 トビーは少々考える風に、ピコッと小首をかしげた。


「べ、別に、フレデリックが作る飯がまずいって言ってるわけじゃないペン。ただ、あんまり口に合わないから、食べたくないだけだペン。フレデリックについて行ったら、一生あのくそ泥飯を食わされるのかと思うと……。フレデリックは親友ペン。親友とはずっと一緒にいなくても、硬い友情で結ばれているから問題ないペン」


 要約すると、親友が作る飯はまず過ぎるから、たまに会うくらいがちょいどいいってことですね。 


「おまえの飯は、つるっと喉を通るペン。これからも、食べてやってもいいペンよ」


 トビーは、今度は平たい手? 飛べない翼? の両先をつんつん合わせながら、もじもじしている。


 見た目は眉がキリッとしていて、体は相反するようにポテッ、まるっ、もちっとしている。まあ、かわいく見えないこともないです。


「いつまで黙ってるペン!? こんな時間におまえの工事現場のようなイビキで起こされたんだから、ちょっとは謝ったらどうペン!」


 前思考撤回。こんなやつ、死んでしまえばいい。


「モアファイアー」


 トビーの立派なキリリ眉の横を、炎の塊が飛んでいった。


「うわ! アッツ! ペンギン殺し! こいつ、悪逆非道なペンギン虐待者だペン!」


 ピプワァーと鳴きながら、トビーはベッドから飛び降りていった。


 はあ、やれやれ。これでようやく眠りに入れます。


 プチファイアで濡れたキルトも乾かして。今度こそ、おやすみなさい。



 窓から騒がしい鳥の声。壁の時計に目をやると、正午ですか。


 よく眠りました。昨夜はとんだ邪魔が入りましたからね。


 いい加減、そろそろ起きましょう、か……? ん? 肩どころか、全身が冷たいです。


 キルトを持ち上げると、脇腹にぴったりくっつく形で、トビーが目を閉じて鼻息をスカースカー。 


 ……どうして、こうなるのです。



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