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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第四章 異世界転移したけど英雄扱い!?

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ゴーシィ、束の間の平穏……だった〜異世界生活九十七日目〜

 時間が少し飛びます。

 悩みに悩んで日からあっと言う間に十日が経ちました。


 少し変わったところと言えば、僕もフィズさんも受け入れられてきており、村のエルフやドワーフと共に村の仕事を手伝う事が増えたくらい。


 また、フィズさんに国に帰りたいか聞いたところ、「自分を殺そうとした国に未練はありません」との事でした。

 身の上話を聞けば、既に両親は他界しており、友人はいるものの、今の職に付いてからは守秘義務も有り疎遠だったので問題無い。とも。


 寧ろ、「そんな事心配するなんて。安心出来るように分からせて差し上げますね」と言われ、何がとは言いませんが凄く盛り上がったのは良い思い出。


 …………すみません、惚気ました。





 そんなこんなで村に来てから十日と少し、気が付けばこの世界に来てからやがて百日が経とうとしていました。


 今日も朝食を取り、ゆったりとお茶をしていたのですが、その平穏はこの家に近寄ってくるエルフ達によって壊されました。


「し、失礼します!」

「そんなに息を切らしてどうしたんですが?」

「そ、それが、ヒト族がこの村からそう遠くない所で発見されまして……」

「「っ!?」」

「それに関してゴーシィ様とローゼン国出身であるフィズ様から話を聞きたいと長が言っております」

「…………僕達を疑っているのですか?」

「ひっ!?そ、そんな事は…………」


 ヒト族の発見とは穏やかではありません。

 ですがそれ以上に僕とフィズさんを呼び出すって事は、疑いを掛けられているのか?と考え、思わず呼びに来たエルフに威圧をしてしまいました。


 落ち着け、まだそうと決まった訳じゃない…………。


「……ふぅ、失礼しました。とりあえず、詳しい話はエルクリアさん達から聞きましょう」

「は……はい、ご案内します」


 僕は相棒達を持ち、まだ怯えた様子のエルフと共にエルクリアさん達の待つ場所迄向かいました。






「いきなり申し訳無いわね」

「いえいえ、緊急事態だったみたいなので。それで?」

「落ち着きなさい。それに警戒無くて良いわよ、貴方達を疑っている訳じゃないわ」

「すみません、そういう性分なもので」

「この世界で生きるには良い事よ……ってこの前も似た様な話ししたわね。まぁ、座りなさい」


 着席を促され、少し警戒を解いて指示されたままに座りました。


「一応説明しておくけど、貴方達を疑ってない理由を先に話すわ。先ず一つはゴーシィ、貴方よ」

「僕ですか?」

「貴方の戦い方であれば、わざわざ援軍は必要無い。寧ろ独りの方がやり易いでしょう?それに、貴方程の実力があれば村人を全滅……迄は難しくても半分を相手に出来る筈よ」

「それは買い被り過ぎですよ」

「謙遜しないで。これは私達から見た上での判断よ。もう一つはもし疑っているなら呼び出す前に家ごと何かしらの魔法で吹き飛ばした方が早いからよ」

「まぁ、それは…………確かに」

「でしょう?だから呼び出したのら疑っているからでは無く、貴方達の意見を聞きたいからよ、他意は無いわ」

「…………分かりました」


 今の話、本当の事ですが最後だけは違いますね。

 嘘は言っていませんが、本当の事を言っていないって感じです。

 まぁ、それが何かは薄々分かっていますが今は事情を聞きましょう。


 僕とフィズさんはそれを了承、エルクリアさんはそれを確認した上で今回の事を説明し始めました。




 今朝、食料の採集・狩猟をしていたエルフとハルピュイアから村の南東……此処から湖を時計回りに進んで四時の方向付近でヒト族が二人倒れているのを発見。


 最初は辺りを警戒して近付かなかったが、二人が一切動かず、周りに他のヒト族の姿も見えないので、慎重に確認しに近付くと既に事切れていた。


 一人は軽鎧を身に纏った騎士らしき男。

 もう一人は軽装に弓を担いでいたので森歩きに慣れた狩人で、案内人代わりだろうと推測。


 周りにはその二人以外であるだろう血痕があったので、それを辿って行ったところ、もう一人騎士を発見したが、同じく死んでいた。


 恐らく原因は森に生息する魔獣の襲撃。


 その証拠に狩人の頭は既に無く、騎士含め体中には爪痕や噛まれた後があった。


 それを見付けた者達が報告に飛んできて、今に至る。






「成る程…………。それで僕達……主にフィズさんに用があって呼んだんですね」

「えぇ!?私ですか?」

「話が早くて助かるわ。そうよ、フィズ。私達はヒト族との交流を殆ど持たない。多少交流があるとは言え、この村のドワーフもそう明るくないわ。だから、その騎士達の武具を回収してきてもらってから、何処の国の物かを教えてほしいの。勿論、分からないならそれでも構わないわ」


 この世界の純粋なヒト族であり、しかも王宮勤めだったフィズさんなら何かしら知っているかもしれないと踏んだんでしょう。

 特に騎士の鎧なんかは国毎や騎士団毎のデザインがあるだろうから、その情報を元にどの国がここ迄来たかを判断出来ますし。


 ただ、方角的に…………いや、早計ですね。

 フィズさんの判断を待ちましょう。


 程無くして運ばれてきた身に付けていたであろう鎧や剣。


 良かった、流石に中身は持ってきて無いみたいですね…………。


「どうかしら?何か分かる?」

「…………はい」

「これは……」


 不安は的中しました。

 フィズさんで無くても分かります。




 これは―――




「これは……ローゼン国……私達が住んでいた国の騎士団の鎧です…………」




 これの鎧は僕も訓練に参加した、あの騎士団と同じ物だと一目で分かりました。


 もしかしたらローゼンがこの村に気が付いたかもしれない。

 そしてその目的は何なのか。




 異世界に来てやっと送れた平穏な日々は、早くも崩れ去る可能性が出てきてしまいました。

 もうすぐ年末年始ですが、仕事が忙しくなるので、更新をどうするか思案中です。

 予めストックは作る予定なのですが、何分時間が割けなくなるので、お正月は更新をストップさせていただくかもしれません。

 また決まり次第後書きにご報告させていただきます。

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