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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第四章 異世界転移したけど英雄扱い!?

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ゴーシィ、皆の年齢を知る〜異世界生活八十四日目④〜

 タイトルは最後の最後だけで、内容的には魔法と魔術のお話です。

 

 今日はゴルゾフさんと共にドワーフ族が多い食堂へ。

 ドワーフ食堂(勝手にそう呼ぶ事にしました)は如何にも働く漢飯で、高カロリー高タンパク、野菜より肉!みたいな夢が詰まったものでした。 


 今後はこっちにお世話になろうかな……。

 でもハルピュイアとマーフォークの食事も気になります…………。

 悩みどころですね。


 そして、僕達は一度昼食を取った後、再び元の場所へと集まり、各々朝と同じ場所に座ったのを確認してから咳払いを一つしたエルクリアさんが脱線する前の話の続きを促してくれました。


「貴方が聞きたいのはさっきの事だけじゃ無いでしょ?」

「はい。魔法についてもう少し詳しく聞きたいと思うんです。ゴルゾフさんが数日前に言っていたんですが、魔術とは何でしょう?それとヒト族の国で呼んだ本には精霊術って言葉もありましたが、魔法とはどう違うのでしょうか?」

「あぁ、それは簡単よ」






 魔法と魔術と精霊術の関係と違い。


 それを説明するにはヒト族と原初の四種族含むそれ以外の認識の齟齬を改めなければならない。 


 ヒト族以外の魔力を使って超常現象を起こす方法は種族は魔法と魔術のみ認識している。


 しかしヒト族は魔力を使って超常現象を起こす方法を魔法と精霊術と認識している。


 その差は何か?そして正解はどちらなのか?


 これは言うまでも無く、ヒト族以外が正しい。


 魔法は先に説明した通り、原初の四種族が使用出来る超常現象を意図的に巻き起こす精霊の御業。


 では魔術とは?


 魔術は【魔法を模倣して創られた】ただの技術であり、ニ点を除く全てにおいて魔法に劣る。


 魔術の利点は修得すれば殆ど全ての人間が使える点と使う魔術を選べる点。


 魔法は産まれ持っての素養が大きく、単純にエルフなら地・ドワーフなら火・ハルピュイアなら風・マーフォークなら水の魔法以外は使えない。


 その点魔術はあくまで知識と技術で成り立っているので、個人の素養はあまり関係無い。


 では何故ヒト族に魔術の認識が無く、精霊術と呼ばれるものが認識されているのか?


 それは自分達の使う魔術を魔法と考え、ヒト族以外が使う強力な魔法を精霊術と考えているからだ。


 つまり、ヒト族の考える魔法は本当は魔術であり、精霊術と呼んでいるものこそ魔法なのである。


 この認識の齟齬が生まれた原因、それもまた異世界人。


 ある異世界ファンタジー大好きな青年がこの世界を訪れ、実際に魔術を見た際に「これが本物の魔法なんだ!」と感動し、エルフが使った魔法を見て「アレがエルフが使う精霊術って奴か!」と言ってしまった為、それ以降その呼び名が定着し、今に至っている。






「いや、何か本当に僕の同族達が申し訳ありません」


 思わず土下座してしまいました。

 そうしたくもなるでしょう。

 だってウイルス(ヒト族)生み出すし、戦争起こすし、間違いを流布するし……。


 悪い全部異世界人じゃねぇか!


 と思わず叫びたくなります。


「貴方が謝る必要は無いわよ。まぁ色々やらかしてはいるけど、少なからず恩恵もあるもの」

「そう言って頂けると幸いです…………」


 エルクリアさんの優しさが辛い…………。


「あ、あの!魔術は誰にでも使えるって事は私にも使えますか!?」


 落ち込んでいる僕の横で、唐突にフィズさんが手を挙げて質問し始めました。


「えぇ、それ相応の努力は必要だけど可能よ」

「私達の誰かが教えれば直ぐですよ」

「…………因みに直ぐとはどれくらいでしょうか?」

「大体十年もあれば出来るの!」

「十年ですか…………」


 そうでした。

 この方方々は長命種の更に上位の存在。

 寿命も長いでしょうから、この方達の十年は僕達の一年?一ヶ月?程度の認識なんでしょうね


「おいおい、おめぇ等。嬢ちゃんはヒト族なんだから十年て言やぁ相当な時間だぞ。なぁ?」

「は、はい……そうです……」


 ここでまさかのゴルゾフさんが此方側に付いてくれました。

 ヒト族も一番関わりのある種族だから僕達の事も分かってくれているのでしょう。


「でも十年は無いと村一つ吹き飛ばす魔術は使えないの!」

「いや、そんな規模の魔術を覚える気ありませんからっ!!」


 高位(エルダー)の考え半端ねぇ…………。


 でもそうなると気になるのは―――


「失礼は承知で聞きたいのですが……」

「あら?戻ってきたわね?良いわよ、さっきも言ったけど、答えられる事なら何でも答えるわ」

「では…………。皆さん、その……年齢はおいくつなのですか…………?」


 女性(一人は男ですが)に年齢を聞く失礼中の失礼を働く僕。


「私達の年齢……ですって?」


 うん、やっぱり僕は好奇心に殺されてしまうと実感しました。


「…………そんなの、二千から先は覚えていないわ」

「ボクは覚えてるの!もうすぐ千五百歳になるのー」

「私は三千と少々ですね」

「儂はようやく千になるな」


 ほうほう、成る程…………。












「…………って、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー!!」











 この世界に来て一番驚いたかもしれない。


 まさか、ゴルゾフさんがこの四人の中で一番若い事に。

 ゴルゾフ、見た目は大人、頭脳は子ども説。


 中盤迄必死に設定を考えて書いていた事がゴルゾフに全て持っていかれた気がする。

 

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