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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第四章 異世界転移したけど英雄扱い!?

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ゴーシィ、情報過多に追い込まれる〜異世界生活八十四日目③〜

 世界の成り立ち、ヒト族の成り立ちは大まかにですが理解出来ました。


 その上で、今度は話を聞いてる間何回か出てきた事について、質問する事にしました。


「次の質問、二つ三つ繋がってしまいますが……」

「構わないわよ。一つだけだと分からないからでしょ?」

「お察しいただき助かります。では、原初の四種族とは人間ですか?精霊ですか?そして、その四種族が使う魔法とは?また、その魔法は現在もあるのですか?」

「確かに、それは一つずつだとややこしくなるわね」


 そう納得してもらえた上で、説明してくれました。




 精霊の力の一部を分け与えられた原初の四種族、エルフ・ドワーフ・ハルピュイア・マーフォーク。


 彼等(彼女等)は精霊でも有り、人間でもある。


 厳密に言えば「精霊の力を宿した神の姿を象った生物」が一番近い表現らしい。


 その為、種族によって差はあれど寿命もあれば、いずれ病も患うし、怪我を負う。


 生物である以上、行き着く先は死である事に変わりは無い。


 ただし、精霊の力……一般的には魔力と呼ばれるその力は一部と言えど凄まじく、魔力を豊富に宿した原初の四種族は生物の概念を破る程長寿で、肉体の衰えも極めて遅くなる。


 寿命が最長で八十年のヒト族で例えるなら、産まれてから20歳頃迄は成長するが、その後七十歳頃迄はその姿や体力を維持し続けられ、七十歳を過ぎてから緩やかに老化が起こり始める。


 続いて魔法。


 魔法とは精霊が世界を創った力の一部を再現する現象。


 火を熾す、大気を操る、大地を隆起させる、水を呼び出す等使い方は様々。


 勿論、精霊と比べればその規模は数段落ちる為、一人で世界を滅ぼす事など到底出来ない。


 そして、確かに魔法は現存する。






「これで良いかしら?」

「はい、大枠は理解しました。ただ、疑問も増えてしまいましたけど……」

「何かしら?」

「原初の四種族についてですが、それはここにいる皆さん含めた各種族全員の事で間違い無いですか?」

「あぁ゙!?ゴーシィ、それは違うぞ」


 思わずと言った感じで割って入ってきたゴルゾフさんがそのまま僕の質問の間違いを指摘してくれました。






 原初の四種族はエルフ・ドワーフ・ハルピュイア・マーフォークで間違い無い。


 しかし、現存するのは最初に誕生した者達の純粋な血統同士の子か一部先祖返りした者のみ。


 その者達は他の同種族と区別する為に高位(エルダー)種族と呼ばれている。


 それ以外の者は精霊の力の殆どを失ってしまっており、見た目のみが継承されている。


 それでも魔法を使えなくは無いが、規模はかなり小さくなっており、使用出来ない者も少なくない。






 成る程……つまり、エルフ=原初の四種族とは言えないって事ですか…………。

 難しいですね、これは。


「因みに高位(エルダー)と呼ばれる方々は現在どちらに?」

「あぁ゙!?全員は知らねぇが、少なくとも四人はおめぇの目の前にいるだろ?」

「…………はい?」


 まさかのまさか。

 今現在目の前にいる四人が高位(エルダー)種族だったんですか…………。

 実際、エルクリアさんが僕とハルピュイアの戦いを止めた時もいきなり植物が僕の体に巻き付いていましたし、アレが魔法なんでしょう。


 ん?

 ところで僕と殺りあったハルピュイアに傷一つないけれど……。


「ゴルゾフさん…………いえ、様の方が良いですか?」

「やめろ、余所余所しい。何なら呼び捨てでも構わねぇぞ」

「それは勘弁して下さい……」

「私の話はすんなり受け入れるくせに、そういうところは頑固なのね」

「そういう性分でして……」

「それで?何を言おうとしたの?」

「あ、はい。僕と村の前で一戦交えた高位(エルダー)ハルピュイア様の御身体の傷は…………?」

「それでしたら私が治療致しましたので、ご心配しないで下さい。この娘が先走ったのが悪いんですから」


 僕の疑問に答えてくれたのは高位(エルダー)マーフォークの女性だった。


「ありがとうございます。そう言って頂いて助かります」

「お気になさらず。それより、エルが私とフウラの紹介もせずに話を始めちゃったから自己紹介させて頂いても?」

「此方からも是非お願いします」

「では言い出した私から。私はマーフォーク族の高位(エルダー)マーフォークであるマリアンです。異世界人の御方からすればマーメイドの方が馴染み深いでしょう」


 マリアンと名乗った高位(エルダー)マーフォークの女性は腰から下の少し細長い魚類の体と鰭を使って器用に立ち上がり、深々と頭を下げてくれました。

 僕とフィズさんも慌てて立ち上がり、頭を下げます。


「ボクはハルピュイア族の高位(エルダー)ハルピュイアのフラウなの!初めて会った時はごめんなの!」


 マリアンさんがチラリと名前を言っていた高位(エルダー)ハルピュイアのフラウもマリアンさんと同様に立ち上がり、マリアンさんとは違う意味で頭を下げてくれました。


「こちらこそ、酷い怪我をさせてしまい申し訳ありません」

「ヒト族の女もごめんなの!」

「いえ、私達が貴方様方に行った仕打ちを考えれば致し方無い事ですので。だから謝らないで下さい」

「良かったらボクと友達になってほしいの!」

「……っ!?はいっ!私はフィズと申します……って知っていますよね、こちらこそ宜しくお願いします!」

「うんなの!」


 その言葉共にふわっとフィズさんの下へ飛んできてハグをするフウラさんと、それを返す様に腕を回すフィズさん。





 魔法の事を聞いていた筈が、知らぬ間にこの世界の人間の頂点の人と知り合っていたし、自己紹介をされたかと思ったら、友達になってしまっていました(フィズさんが)。


 抱き合う二人を苦笑しながら見ていたエルクリアさんが「一度休憩を挟みましょう。お腹がすく時間だし」と言った事で、僕達は一度解散する事になりました。

 四人が高位種族の流れ、薄々勘付いていた人が殆どな気がする。 



【ちょっとした裏話】

 この作品以外でもそうなんですが、私の登場させる女性陣は読者様からのヘイトを受けやすいみたいです。

 意図してそう描いてるキャラも多いので特に問題無いですが、気を付けないと登場した女性が全員嫌われる未来が有り得そうで少し怖い…………。

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