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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第三章 異世界転移したけどまたまたサバイバル生活!?

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ゴーシィ、サバイバル生活の終わりを探る〜異世界生活七十一日②〜

 アホの子になってしまった可能性があるフィズさんは置いておいて、赤いスライム……ゴルゾフさんはブラッドスライムと呼んでいる魔物を知れたのは僥倖でした。

 昨日、怪我を負っていたら(実在には負ったけど無理矢理治癒した)、僕もあんな風になっていたのかと身震いをしてしまいます。


 …………ってか昨日の時点、もしくはもっと早く教えて下さいよ。


「とりあえず、こいつに関して言やぁこんなもんだな。怪我すんなよ?」

「全身全霊で気を付けます」


 そんなの気を付けるしかないじゃないですか。


 そしてこのブラッドスライムの件で納得がいった事がありました。

 何故、ゴルゾフさんはこんな危険な地下渓谷でお供を連れず、独りで採掘をしていたのかを。

 まず女性が居れば期間が限定され、採掘量関係無く時間的に拘束されてしまいます。

 また、危険な生き物がと言っていた手前、ある程度以上の実力か危機察知能力・脚の速さ等が無ければ命の保証が無いから。

 勿論、ゴルゾフさんも安全とは言い難いですが。


 それを伝えたところ―――


「あぁ゙!?そんなもん、来たかったから来たに決まってんだろ?」


 だそうです。

 全然違うんかいっ!!




 まぁ、結果的にはブラッドスライムが綺麗さっぱり血抜きをしてくれているので、解体をしただけで簡単に食肉を手に入れる事が出来ました。

 地下渓谷は川が流れているのも相俟って、ある一定以上の温度にはならないらしく、多少放置していても肉は傷まない(ゴルゾフさんの経験談)と言われたので、食べられるとの事。


 …………念の為、僕とフィズさんの分は念入りに加熱してもらうように彼女には頼みましたが。


「そう言えば、ゴルゾフさんは後どれくらいここにいる予定なんですか?」

「そうだな、ゴーシィと嬢ちゃんが来てくれてから儂はありがてぇ事に雑事をしなくて済んだ。地上に戻るのは採掘量にもよるが後一週間程度だろう」


 思ったより早く外に出られそうです。、勿論多少の運は絡みますがいきなり「掘っても掘っても何も出ない」とかならない限りは大きく遅れる事は無いでしょう。

 案外短いサバイバルでした。


 いや、これはもうサバイバルと言うよりキャンプなのでは?


 そんな疑問が頭を過ぎりましたが、良い方向に進んでいる事は間違い無いので、大人しく喜ぶ事にしました。


「地上に出た後、おめぇらはどうするんだ?」

「どうするって……どういう事ですか?」


 ゴルゾフさんの質問に質問で返すフィズさん。


「おめぇら、アレだろ?国ではここに落ちた時点で死んだ事になってんじゃねぇか?それがいきなり帰ってきたら吃驚すんだろ?」

「あぁー……それは確かに…………。それに…………」


 僕は少し言い淀んでフィズさんを見ました。

 フィズさんも同じ様な事を考えていた……かは分かりませんが、少なくとも近しい事は思っていた様でした。


「私達は……嵌められた可能性があります」

「あぁ゙!?嵌められただと?誰にだ?」

「ローゼン国の王子、ボルドー=フォン=ローゼン殿下に。です」

「おいおい、どういう事だよ」


 ここに落ちてきた経緯は説明していたが、改めて僕がこの世界に来てからの事を説明し、フィズさんと共に現在に至る経緯を再度説明しました。


「…………成る程な。おめぇは偶然姫さんを助けた事でそっちの派閥だと認識された。それでボルドーって奴がおめぇを殺して姫さん陣営に打撃を与えようとした。って訳だ」

「あくまで多分……ですが」

「どちらにしろ当たらずも遠からずってところだろ?わざわざおめぇらを派遣する理由にしては弱ぇ。結局、帰ったところで針の筵だな」

「そうでしょうねぇ……」


 尤も、「屋敷にいた時から既に針の筵でした」なんて事はフィズさんがいるので流石に飲み込みました。

 ただ、帰る事が出来たとしても個人的に居心地が良くなかったのは確かなので、わざわざ帰りたいとも思えません。


「だったら儂等の所に来るか?」

「良いんですか?」

「おめぇは異世界人だから大丈夫だ。証明する方法もあるにはある。ただ…………」

「私……ですよね?」

「……そうだ」


 ゴルゾフさんはバツの悪そうにそう答える。


 幾つかの本にもあったし、ローゼンでもそうだったが、基本的にヒト族とそれ以外の人間は仲が良くありません。

 主語が大きいと思われるかもしれませんが、実際大体数がそうで、仲が良いのは個人レベルの話。

 ローゼンで見たヒト族以外の人間も良くて労働要因、大半が奴隷扱いでしたから。

 その中でドワーフ族はヒト族に齎す恩恵が大きいからか、ある程度の地位は確保されていた様です。

 その証拠にゴルゾフさんはフィズさんに対しても友好的です。

 言葉遣いは、多分元からなんでしょう。


「儂が居る所はヒト族以外の様々な種族が生活している場所でな。儂等ドワーフやその眷属はまだ良いが、他の奴等がどう思うか…………」


 僕の懸念はズバリだったようです。

 フィズさんからすれば、僕がどの様な扱いになるかによっても変わりますが、単身敵地に乗り込むのと同義。

 不安もあるでしょう、しかしフィズさんは力強い瞳である事を提案しました。











「タケシ様……いえ、ゴーシィ様!私を!貴方様の奴隷にしてください!」











「え?」

 フィズの真意は如何に!?

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