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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第三章 異世界転移したけどまたまたサバイバル生活!?

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ゴーシィ、今日も今日とて探索する〜異世界生活七十日目〜

 ここから久々の戦闘パートが始まります。

 昨日に引き続き今日も探索を続けています、剛士改めゴーシィです。

 今日は昨日探索した方向とは逆、僕達が落ちてきた方向に向かっています。


「この川の近くに魔獣はいないんですよねぇ……。普通は水の近くには多くいると思うんですが……」


 ここに落ちて今日で四日、未だに川べりには魔獣は居らず、いたとしても避ける様に距離を取っていました。

 僕は今現在川に沿って登っていますが、チラホラ見かける魔獣達も威嚇するだけでここまでの近寄っていません。 

 まぁ、戦闘を避ける意味ではむしろ有り難いのですが。


「この水に鉱毒が流れているから、はたまた川の主でもいるんですかね?」


 そんな事を考えながら歩いている事一時間、僕達が落ちてきたであろう、天井が崩落している現場へ戻ってきました。


「ここまで収穫は無し、残るはあそこだけですね」


 僕がここまで来た理由は川に落ちた際に脱ぎ捨てた防具や武器の回収でした。

 しかしながら、川で脱いだ防具達は完全に流されてしまったのか川岸に流れ着いてもいませんでした。


 地下渓谷に流れる川は所々で流れの強さが変化しており、重い物であれば流れの緩やかな所に沈んでいる可能性もあったのですが見事空振り。

 残るはあの時に地面に突き立てたロングソードですが―――


「あの岩を退かしての探索は一人じゃ無理そうですね。やっぱり諦め…………ん?」


 元々、投げナイフとかも使っていたので、武器を使い捨てるのが当たり前でした。

 刃こぼれしたり血糊で斬れなくなる事もありしたから。

 その為、執着する訳ではありませんが、折角この世界に来て初の大物を討伐した記念だったので、あれば嬉しい程度に考えていたのです。


 諦めかけたその時、岩の隙間から角度によっては光って見えるナニかがあることを見付けました。

 比較的に積み重なった岩の中でも上の方だったので、力任せに岩を退けていきます。

 時折、動かせかない岩は斬って細かくしながら。


 こんな事に使ってごめんなさい、ゴルゾフさん。


「おぉ〜ありま―――あでっ!」


 目的のバスターソードを見付け、思いっ切り引き抜きましたが思いの外直ぐに抜けて尻もちをつく事になりました。


「あ、折れちゃってましたか」


 地面に突き刺さっていた部分からポッキリと折れているバスターソードは元の長さの三分の一程度を失っています。

 それでも一応回収は出来たので、昨日ゴルゾフさんに事情を説明した際に渡された背中に着けたバスターソード用の剣帯に差して持ち帰ります。





 その帰りの道中、川から離れた拠点側の岸にいた魔獣達を駆除しつつ、見覚えのあるシルエットを発見しました。


「あれは……オーク?」


 拠点に続く洞窟から少し離れた洞窟から出てきたのはこのバスターソードを手に入れた際に戦ったオークが数体。


 直ぐに拠点が襲われる程近くはありませんが、警戒しない訳にはいかない距離。

 これは放って置く訳にはいきませんね。


「それにオークの肉ってファンタジーでは美味しいとありました|し、一狩りしましょうか」


 壁際に張り付き、なるべく音を立てない様に慎重に近付き、こちらを向いてない隙に後ろから首を目掛けて一閃。

 その動揺をついて続け様に残るオークも首を落とします。


「これで表に出てきていたオークは全部仕留めましたね。他に気配は…………ありませんね。今のうちに肉の処理をしておきましょうか」


 増援が来る可能性はありましたが、肉を無駄にしたくないので手早く血抜きを済ませて川に沈めておきます。

 このの流れが穏やかなで助かりました。

 そう言えば沈めている間に鉱毒が染み込んだりは…………考えるのは辞めときましょう。

 昨日も大丈夫でしたし、念の為厚めに切り取れば問題無いでしょう。


「さて……残りはどれくらいいますかね…………《蛾ノ音色(ひヒムシノネイロ)》」


 こめかみをトンッと叩いて発動させます。

 蛾ノ音色(ヒムシノネイロ)は脳の処理能力を聴覚に集中させる技。

 強化された聴覚はオークの足音や呼吸音迄も拾い、その数を正確に教えてくれる。

 更に舌打ちで出した音を洞窟に反響させ、エコロケーションの要領で内部の構造を把握します。


「《音色ノ終ワリ》…………。ふぅ、五十体もいるんですか……。これは戻ってから要相談ですね。一際重い足音もしますし、以前戦った奴と同程度かそれ以上の大物がいると考えて良いでしょう。ん?しくじりましたね…………」


 一先ずその場から離れる為に動き出そうとしましたが、一足遅かったようです。


 血の匂いが原因でしょうか?

 豚ってそんなに嗅覚良かったですかね?確か動物では象が一番だった気がしますが…………考えても無駄でしょう。


 どうせバレたのであれば、心を決めるしかありません。

 洞窟の中に飛び込んで、駆け寄ってくるオークの攻撃を躱しつつ足を切り飛ばし、後続の動きを阻害します。


 本来なら広い場所で逃げながら戦った方が良いのかもしれませんが、今回の目的は殲滅。

 そうであれば、相手も逃げやすい環境より、狭い洞窟内で確実に倒していく方法を選択する事にしました。

 予想通り、洞窟の広さはオークより頭一つ分の高さしか無く、横幅も広くはありません。

 これで挟み撃ちにされる心配は無いので、心置きなく前方に集中出来ます。




 森の中のダンジョン以来のオークとの戦い。

 以前と違い頼れる相棒があるせいか、あちらの世界で嫌だと思っていた生き物の命を奪う行為を嬉々として行う自分に驚きつつ、それでも迷い無く剣を振るうのでした。

 動物の中で一番聴力が高いのは実は蛾の一種だったりします。

 勿論、何を持って聴力が高い(耳が良い)と言うかによっては変わるかもしれません。

 次点ではのイルカ三種、蝙蝠・猫・犬・人間と続きます。

 思ったより人間が高いんですね。


 因みにこの作品内では()をひむしと呼んでいます。


 ※これはあくまで可聴域の大きさのみの順位を参考にしていますので、上記の通り何を基準にするかで変わります。

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