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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第二章 異世界転移したけど国賓生活!?

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剛士、異世界の常識を知る〜異世界生活三十六日目②〜

 今回は世界観の説明が多いので少し退屈かもしれませんがお付き合いお願いします。

 現在、朝食を食べ終え、この世界の事を学ぶ為の本を探しに書斎を訪れています。

 この屋敷は元々は前国王の別邸でしたが、死後、売るにも王族以外の貴族が住むには屋敷が大き過ぎて格に合わないとの事で、維持管理はしていたものの、誰も住んでいなかったしい。

 しかし今回ばかりはそのおかげで僕は助かっているので、世の中分からないですよね。


「ふむ……。とりあえずこんなところですかね」


 更に有り難い事にこの世界の文字は日本語のカタカナを少し崩したものが使ってあるので、僕でも難なく読めました。


 少し読みにくいのは否めませんが…………。




 まずはこの世界の事についての本を読みましょう。






 この大陸にまだ国が存在せず、言語は辛うじてあったものの文字も存在しない時代、異世界から一人の男が降り立った。


 その名は【ヤマト=ペンドラゴン】。


 彼は降り立った地で言語と文字を広め、文化的生活を定着させる事に成功した。

 その際に、その周辺地域を国と定め、ヤマト国を興す。

 死の森を中心にするとこの国が東側、ヤマト国は森を挟んで真逆の西側に有る、大陸最古の国。


 その後、ヤマト国から伝播し、人々はそれぞれの仲間と共に国を興し始め、大陸発展の黎明期が訪れた。


 しかし、そこから数百年経った頃、増え過ぎた人口による食料不足や土地不足、それに加えて魔獣や魔物の出現により大陸全土の人口は大きく減少してしまう。


 そんな時にまた異世界からの来訪者があった。


 その人物の名は伝わっていないが、この大陸には無かった技術と知識を広め食料不足を改善し、新たな建築様式を根付かせる。


 衣食住が整って余裕が出始めた辺りで、今度は魔獣達に対抗するべく各国は軍を組織、今の騎士団の原型となる組織を形成し始める。

 また、民間人による組織【ギルド】が造られたのもこの頃。


 これにより、魔獣や魔物の脅威を少しずつではあるが排除していき、更なる発展をしていく。


 窮地を脱し、生活が豊かになっていくと欲が出てくるのは人間の性なのだろう。

 大陸全土を巻き込んだ大戦が始まった。


 通称【九十九年大陸戦争】。



 文明が発展してしまった事で、過去起こった戦争より遥かに多くの犠牲者を出し続け、今度は人間自らがお互いの数を減らし、血で血を洗う争いが昼夜を問わず続いた。


 それが後一年で百年目に達する頃、ある国に五人の異世界人が現れた。


 その者達がもたらした知識は過去のどんな武器より強力で、その期を境に連戦連勝を重ねていく。

 しかし、その国と異世界人達は決して大陸を支配しようとせず、それぞれの国を尊重し、全ての国に協定が結ばれた。


 その英雄が降り立った国こそここ、ローゼン国。


 ローゼン国は現れた異世界人五人を【五賢者】として讃え、現在も各地に銅像や御伽噺として語り継がれている。


 晩年は貴族制度を含む各国の法を定め、内政に尽力したとされている。






 …………ふぅ。

 ここでやっと一冊が終わりですか。


 簡単に整理すると、


 大陸には元々部族みたいな集団が各地に存在し、それぞれで暮らしていた

 ↓

 一人目の異世界人が現れる

 ↓

 それによって人口爆発と魔獣と魔物の出現で衰退を辿り始める

 ↓

 二人目の異世界人が現れる

 ↓

 問題を解決し、発展の手助けをする

 ↓

 今度は大きな戦争が始まる

 ↓

 五人の異世界人が現れる

 ↓

 戦争を終わらせ、大陸に平和をもたらす

 ↓

 その国がローゼンでした


 って事ですね。


 成る程、だからこの国の方々は異世界人と言うだけで優遇してくれてるんですか。


「それにしても、異世界人が現れているのはいつも何かしらが起こる時…………。でも今のところそんな感じには見えませんが…………」


 まだ判断材料が足りないので、次の本を読んでいきましょう。






 二冊目が読み終わる頃には既にお昼を過ぎていました。

 ここに来る前に「多分集中してしまうので、必要な時はこちらから声を掛ける」と伝えていたので、その通りにしてくれたのでしょう。

 少し小腹が空いた気もしますが、特段必要なさそうなので、このまま纒めてしまいましょうか。


 結果から言えば、二冊目はその後も異世界人は不定期に現れたが、以前程の問題は起こっておらず、何か革命的な変化は有りませんでした。


 強いて言えば魔法の知識を持ち込んだ女性がいましたが、その人も魔法は使えず、生きている内に何も成し得なかった事くらい。


 その後はその考え方を一部の人が受け継いで、今のあの祈りの様な魔法が極一部の者にのみ発現する様になったと。


「各国に数人いるみたいですが、それを戦術の核とするには足り無さ過ぎるので、結果的に戦略では無く、その国の象徴的な扱いになっているんですね」


 一応、魔力(と呼ばれているだけで何かは不明)が有るとは言われているが、それは定かでは無いらしい。


「それよりもこちらが気になりますね……」


 次に目に留まった本は『人間の種類』と書かれている本(こっちの言葉で書いていますが、便宜上分かり易く表現しています)でした。






 人間は大きく二種に分けられる。

 人族とそれ以外の亜人族だ。


 人族の特徴は白い肌と程々高い身長・それに明るめの髪色と瞳。

 それに対して亜人族は様々な特徴を有している。


 例えばエルフ族は尖った長い耳を持ち、男女問わず美男美女とされ、白に近い金色の髪が特徴で、妖精と会話出来ると言われているが、定かでは無い。


 また、ドワーフ族は採掘や鍛冶に特化しているせいか力が強く、狭い洞窟内でも活動しやすい様に身長が低い者が多い。

 あとは理由は不明だが、髪や髭を豊富に蓄え、酒に強い。


 他にも獣人と一纏めに呼ばれる種族がおり、それぞれが動物的特徴を持っている。

 その中でも見た目が動物寄りの者と人族寄りの者がいるが、何を以てそうなるかは未だに不明。


 彼等亜人族は正式な国を持たず、大陸各地に住んでいる。

 一部の国では奴隷として積極的に捕らえ、労働力〜貴族の間では愛玩まで様々な用途で利用されている。






「奴隷……ですかぁ…………。如何にもなワードが出てきましたねぇ」


 亜人の扱いは国によっては様々で、ヤマト国は一切の別け隔てが無いらしい。

 何でも祖のヤマト=ペンドラゴンが亜人を妻に迎え入れていた為だと言われている。

 逆に扱いが酷いのは帝国と呼ばれる国【ガバルチュア】と女神信仰の国【リトラティア】が人族至上主義を掲げ、それ以外は全て家畜同然だと明言し、強制的に隷属させている。


「この国は可も無く不可も無く……ですかね?書いてある限りは……ですが」


 僕に対する扱いや視線に差がある様に、人によってかなりの差がありそうな気がしますね。


「そんな国でもエルフは愛玩奴隷として大人気…………。本当に王道も王道なんですね、この世界は」


 個人的にはエルフが気になりますね。

 勿論容姿もですが、どちらかと言えば精霊と会話出来るってところに興味が唆られます。

 そもそも精霊って何なんでしょう?

 分からない事だらけですね。

 この本にも詳しくは載ってないですし。


「とりあえず夕飯まではまだ時間が有りますし、必要そうなところをひたすらピックアップして読んでいきますか」






 結局、夕飯の準備が出来たと呼ばれるまで色々の書物を読み漁ってしまい、メイドさん達から白い目で見られたのは言うまでも無い。

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