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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第二章 異世界転移したけど国賓生活!?

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剛士、待遇が決まる(強制)〜異世界生活三十五日目③〜

 2024/07/25

 今更ですが、ep13から第二章とさせていただきました。

 王様の纏う空気感が変わり、話が本題に移るのだろうと安易に察する事が出来ました。


「では、そろそろ本題に移ろう。タケシ=オオタ殿……いや、そちらの世界ではオオタタケシ殿と呼ぶのが正しいのか?」

「そうですね。僕の住んでいた国では……と限定すれば後者が正しいかと」

「そうか。ではオオタタケシ殿。異世界人と証明する為に幾つかの質問に答えて頂きたい。見た目に関しては既に伝承通り故問題無いが、見た目を偽装している場合を懸念して念の為の質疑だ。決して疑っている訳では無いので、そこは勘違いしないでもらうと助かる」

「いえ、()()()信用しています」


 僕の発言に王様の後ろにいる一際体格の良い騎士の眉が僅か動く。

 一方、王様は僕の言葉の意味に気付いている筈なのに、相変わらずでした。


 そして、そこから始まったのはあっちの世界、所謂地球人かどうかを確かめる質問。


 いや、質問内容的にどちらかと言えば【日本人かどうか】を判断する内容に思えました。

 中には『日曜の朝8時30分から放送される国民的人気の美少女アニメは?』とかあったし。


 明らかに日本人……しかも、僕と年齢層が変わらないか少し上の人が考えた様な質問に僕は滞る事無く答えていきました。


「以上になる。この場にいる者も聞いていたであろう、彼は紛れも無く異世界からやってきた者だ。ローゼン国国王である余がこの場にて、彼、オオタタケシを異世界人と認め、国賓として我々は、我が国は其方を歓迎する。何人も如何なる理由があってもこの者に無礼は許さん。彼の命は余の命と同等と心得よ」

「「「はっ!」」」

「…………え?」

「更に二度にわたり我が国の第一王女であるクラリスの命を救った褒美として白金貨十枚を与え、一日金貨一枚の報酬を与える事を約束する」

「「「はっ!」」」

「え?え!?」


 待て待て。

 異世界人として認めてもらえた事は助かりました。


 そこまでは良いでしょう。


 ただ問題はその後。

 まずは『国賓として城に招き入れる』の文言。

 これはつまり『国のお客様だからお城に住んで良いですよ』って事ですよね!?

 しかも『如何なる理由があっても無礼は許さん』『彼の命は余の命と同等と心得よ』ってつまり、『彼に逆らってはいけません』『彼の発言は自分の発言だから全部聞けよ』と言う事。


 え?何?

 異世界人だからって、いきなり一国の王と同じ権限を持つんですか!?


 それと白金貨十枚と毎日金貨一枚って…………何させられるんですかね?

 お礼の前者は良いとして、後者を頂くのは不安しかありません。

 でも、要らないと言える雰囲気でもありませんし…………。


 それと、この国の貨幣価値ってどんなもんなんでしょう?

 後で聞いておかなければ……。


 その後、他に幾つかの話を聞いた後、その場は解散。


「では住まいに案内しよう」と王様に言われ、兵士の一人に連れて行かれたのは、僕のこの国の住居は王城の一室…………では無く、王城から程近い住宅街にある一つのお屋敷でした。


 そのお屋敷の門の先にズラリと並ぶメイドさん。


「タケシ様、お待ちいたしておりました」

「えっと……貴方方は…………?」

「私達は陛下の命により本日からタケシ様のお世話をさせていただきます。何なりとお申し付け下さい」


 真ん中にいたリーダーポジションらしい女性が頭を下げ、それに続いて両脇にいる4人のメイドさん達も頭を下げる。


「あ、はい。太田剛志です。こちらで言うとタケシ=オオタですかね?よろしくお願いします」


 念の為自己紹介をして頭を下げようとすると……。


「タケシ様は私達の主人になります。一介のメイドに頭を下げるのはいただけませんよ」

「あ、はい。すみません……」

「謝るのも出来れば控えて頂きたいのですが…………」

「すみま……あっ、善処します…………」


 あ、今明らかに好感度が下がった感じがした。

 他のメイドさん達も困惑していますし、これは早急にこちらの世界の常識をちゃんと教えてもらわなければならないですね。


「因みにですが、何でもと言うのは……その…………」


 好感度が下がった手前、話し掛けにくかったですが、そういった常識等を教えてもらえるか聞こうと声を掛けました。


 一瞬眉を顰めた後、直ぐに元の柔らかな笑みに戻り、こちらに顔を近付き耳元で静かに囁きます。


「……。勿論、ここにいるものは皆、夜のお相手も可能です。タケシ様の赴くまま、我々をお使い頂ければ幸いです」


 あ、これ、また好感度下がってますね。


「いやいや、そうじゃなくて……。僕はこの世界の常識を知らないので、誰か講師として教えていただければな。と思いまして…………」


 只でさえ低い好感度が更に下がるのも嫌なので、元々聞こうとしていた内容に急いで切り替えました。


「…………畏まりました。今日はもうお疲れでしょうから、明日からこの国の一般常識をお教えしますね」


 あれ?また微妙に好感度が下がりましたね。

 何を言っても下がるのは流石にクソゲー過ぎませんか?


「では本日はまず、お屋敷の案内をさせていただきます。夕食は――」


 その後も、メイドさん達の好感度は変わらないorマイナスを繰り返しながら、屋敷を案内してもらい、夕食を食べ、お風呂に入り、何とか一日を終える事が出来ました。






 はぁ……。

 明日からを考えると憂鬱で仕方ありません…………。

 メイドさんとの会話=基本的に地雷しかない逆マインスイーパー。

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