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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第二章 異世界転移したけど国賓生活!?

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剛士、窮地を脱する〜異世界生活十日目②〜

 ここからまた主人公視点に戻ります。

 何とか狼達を駆逐した頃には一夜明け、僕は疲れからか、無防備にもそのまま座り込んで少し眠っていたみたいです。

 誰かに声を掛けられて目を覚ますと、そこには姫様と隊長さん、それに複数の騎士達がいました。


「んん〜…………。あ、姫様。本当に助けに来てくれたんですね。ありがとうございます」

「「へ…………?」」


 あ、この顔。

 正に「鳩が豆鉄砲を喰らった」って顔ですね。


 ……って姫様!

 そんな所にしゃがんでいると服が血塗れに!


「あ、あっ!すみません!お召し物が汚れてしまいましたね!直ぐに…………って入れていたハンカチも血まみれでした!どうしましょう!?」

「う…………」

「う?」

「うわーーん!タケシ様ーー!!」

「ちょっ!ちょっと!?姫様ぁ!?」


 僕の血糊がべっとりとついた体を抱き締めて大粒の涙を流す姫様。

 未婚の男女、しかも王族と何処の馬の骨か分からない僕に抱き着いて良いのだろうか?

 あ、やっぱり駄目?隊長やメイドさん達も頭を抱えているし、他の騎士達は見ないふりをしている。

 ただ、無碍にするのも申し訳無いので、失礼ながら背中を優しく叩き、泣き止む迄そのままにしておきました。


 まるで子どもを宥めるお父さんみたいですね。






「先程は失礼しました!」


 我に返った姫様が顔を真っ赤にしてひたすらペコペコと頭を下げている。

 僕と周りの人達が何とか宥めて落ち着いてもらいましたが、『国のトップの一族に頭を下げさせるとかどういう事か』との意味が含まれた視線が僕に突き刺さっている。


 あれ?悪いの僕ですか?


 一先ず、無事に窮地を乗り越えた僕達は姫様達が出立してきた村へ向かう事に。

 その時にも『何処の馬の骨か分からない奴が姫殿下と同じ馬車に―――』と一悶着あったが、姫様のゴリ押しで同席する事になりました。

 正直、身体中ボロボロ(外傷的な意味では無く、内側が)だったので助かりましたが、周りの視線が痛いの何のって……。


 あれ?悪いの僕(ry


 村に着くと、そこは如何にも―――と言うと失礼だが、寒村と呼べる村。

 農村と聞いていましたが、生産している作物は少なく、あまり品質も良く無さそうです。


 馬車に乗る前に服を変えましたが、血糊がベッタリの服も何やかんやあっちの世界から着ていて愛着があるので、井戸をお借りして洗う事にしました。

 洗剤や石鹸なんて便利な物は無いので水洗い。

 やはり血糊は完全には落ちず、白いYシャツはピンクを通り越して赤く染まってしまいました。


 これはこれで……。

 と、考えるしか無いですね、うん。


 その他、装備品の清掃も一段落したところでメイドさんに呼ばれて姫様の下へ。


 今回の件について、謝罪と改めて御礼、そして詳しい説明がありました。

 何でも、待機していた騎士達が引き返したのは、騒動の最中に姿を消した空気な騎士が密かに命令を出ていたと言う。


『夜が明けても戻らなければ全滅の可能性がある。昼までに姿が見えなければ、一度村に戻り、王都へ連絡して指示を待て』


 と。

 それに従い、待機していた者達は時間まで待った上で一時撤退、王都へ伝令を出した後、そのまま待機していたらしい。


「それでは、狼の襲撃含めて元々されていた可能性があるんですね」

「はい…………」

「あのクズ王子め…………」

「隊長隊長、誰が敵か分かんないっすからあんまり軽率な発言は……」

「分かっているっ!あのクズの部下がまだいるかもしれんからな!」

「分かって無いじゃないっすか……」


 隊長をロビン君が窘めているが、効果は無さそうですね。


「とにかく、まずは王都へ戻りましょう。この件を含めてお父様……陛下に報告しなければいけません。明日、日が昇ると同時にここを出ます。全員にそう伝えて下さい」

「「はっ!」」


 こうして、狼達の襲撃含む、今回の件は王都に到着する迄持ち越しとなった。


 改めて、僕も姫様御一行と一緒に付いて行く事をお願いされ、それを了承。

 明日からは王都に向けての旅路に出る事が決まりました。






 その日の夜、僕は貸してもらっている空き家(と言うより倉庫)に横になりながら、これからの事を考えていました。


「果たして、異世界人の僕がそう簡単に受け入れられるんでしょうか…………」


 姫様曰く、『異世界からやってきた御方と言うのに加え、私達の命を2度も救ってくれた恩人です。歓待される事はあっても無碍に扱う事はありません』だそうですか、小人者の僕としては不安しかありません。


「隊長の感じを見ると、一定数は亜人を見下している人はいるだろうし……。いや、僕、亜人じゃないですけどねっ!?」


 一人ノリツッコミをしていると、思いの外大きな声が出てしまい、外で待機していた騎士が慌てて駆け込んできました。

「すみません、独り言です」と伝えると、少し嫌な顔をされつつ注意をして戻っていきました。


「ふぅ……。あの人も護衛…………と言うより感じですね」


 話が逸れてしまいました。

 この世界の常識は分かりませんが、少なくとも隊長と同じ様にあくまで人間>亜人と考える方は一定数いると考えた方が良いでしょう。

 僕の低身長で着膨れしやすいこの体型は、この世界の方から見ればドワーフに見えてしまうらしく、気を付けておかないとそういった方々の差別の対象になりかねません。


 そもそもこの国の人達身長高過ぎませんかね?

 特に男性陣は低くても175cmはありますし、隊長なんかどう低く見積もっても185cmはありますよ?

 それに女性陣も、イルミさんはまだ14と言っていたので分かりませんが、他のメイドさん達は僕と身長変わらないか高い方ばかり。


 …………まぁ、あっちの世界でも僕は男性としてはかなり低い方、女性からしてみれば恋愛対象外になる身長でしたけどね。






 僕はそんな事を考えながら、昨夜は戦い続けた上に一睡も出来なかった疲労からか、いつの間にか眠りに落ちていました。

 この世界に於いての成人した男女(この世界でも成人は18歳)の平均身長は、

・男性180cm

・女性165cm

となっております。

 あくまで平均なので誤差はありますが、大体±5cm程です。


 低い人達が何故いないのかは後に明かされます。

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