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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第五章 転生したけどまたまたまたサバイバル生活!?

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ゴーシィ、嫌な予感的中する〜異世界生活百五日目②〜

 もう一つの作品でもお伝えしておりますが年末〜春頃迄、時間が取れそうにありません。

 今日の更新以降、誠に勝手ながら一定期間はお休みもしくは不定期更新とさせていただきます。

 

 読んでいただいている方々、大変申し訳ございません。

 

 青い空!(木々のせいで川原迄の範囲しか見えない)


 動物の声!(主に肉食動物)


 仲間との散歩!(自分以外は鬼)


 森をハイキング!(遭難中)




 いや、絶望的過ぎません?


「……って言ってても仕方無いですよね」

「ダイジョウブ……?」

「いえ、大丈夫ですよ。ありがとうございます」

「ナラ、イイ」


 僕の呟きを聞いて心配そうに此方を見てくるゴクウさん。

 この人は本当に優しい。

 この優しさと言うか素直さが他の鬼族の方々からすればトラブルの元になっているんでしょうけど…………。




 朝食を取った後、直ぐに村を目指して川沿いを歩き続け、気が付けばもう太陽が真上に差し掛かりそうだったので、昼食は取らなくても大丈夫と言われましたが、現在小休止を挟んでいる最中。

 今日進むだけ進んだ場所で野営をして、其処で鬼族の4人とは別れる事になっています。


「ゴーシィは小さいのに歩くのが速いね。私達と変わらない速度で進めるなんて吃驚だよ」

「そうでしょうか?」

「無理してるなら言ってくれ」

「分かりました」


 身長が高い鬼族の方々は一歩一歩が大きいのでゆっくり進んでいる様でかなり早いペースなのは確か。

 ただ、鬼族からすればかなり小柄な僕も長距離の徒歩移動には慣れていますのでそこ迄は苦ではありませんが、傍から見ればかなり急いでいる様に見えたのでしょう。




 そんな雑談をしつつ、適当な所で休憩を切り上げ、また先に進む事になりました。




「…………ん?何だ、これ?」

「ドウシタ?」

「いえ……何か、この先に不思議な気配が…………」


 生物の()()気配を察知したのですが、何かがおかしい。


 生きている筈なのに死んでいる…………?

 いや、死んでいると言うより無機物の様な…………。


 其れを素直に伝えると、皆が辺りを警戒し始めました。


「ゴーシィ、其れはどの辺りかな?」

「此処から川沿いを歩いて多分…………この速度なら直ぐですね」

「川原?それとも森の中?」

「それが…………僕達の道を塞ぐ様に川から森に掛けて横に並んでいる感じで…………」

「そうか…………。ちょっと皆と相談させてくれ」

「はい」


 サゴジョウさんが深刻そうな顔で他の3人と話し合いを始めました。

 ボビィさんにもスムーズに伝える為なのか鬼語で話しているので、僕にはちんぷんかんぷんです。


 これ、絶対に良くない事が起こってるやん…………。




 軽い言い争いに迄発展した話し合いは何とか終わったみたいでした。

 今後の行動に大きく関わるのでさっきの今ですが、休憩がてら腰を据えて僕に状況を教えてくれました。




 僕が捉えた気配の主は十中八九ゴーレムっぽい生物のロックアープ。


 其れを聞いて納得しました。

 生物なのに無機物の気配がするのは周りに岩石を纏っているせいであり、更に岩に擬態して動かない時は一種の冬眠や仮死状態に近いので生きているのに死んでいる気配がするのでしょう。


 先日聞いた話では遭遇してはいけないブラッドスライム・竜に並んで発見したら即撤退、決して戦ってはいけない魔物。

 普通なら此処で引き返すべき。




 しかし―――




「行く手を完全に阻まれているんですね」

「そう。一匹の間隔は丁度互いの察知範囲の限界か少し被る位」

「つまり、見付からずに横を抜けるのは不可能……と」

「その通り。こういった場合は引き返すのが定石、どうしても通りたいのであれば大きく迂回するか動く迄待つしかない」

「待つ……ってそんなに動くものなんですか?」

「さぁ?奴等の気まぐれ次第かな?」

「それ、望み薄じゃないですか」

「そうだね」


 あっさりと「待つのは愚策」と言われてしまいました。

 目的地は彼等を過ぎた先、引き返す選択肢はありません。

 迂回するのが一番無難な気がしますが、それを言い切らない辺り何か別の問題がありそうです。


「迂回の選択は?」

「川を対岸に渡るにしては川幅が広過ぎるし、川に入った音で気が付かれる可能性が高い。まぁ、もう一つ問題はあるけどそれは後で纏めて話そう。山側に迂回する場合は何処まで続いているかも分からない。もしかしたら山の麓近く迄並んでいる可能性も考えなきゃいけない」

「そこ迄は続くんですか…………?」

「あまり高くないけどね?それと此処からが重要なんだよ」

「はい?」

「ロックアープが1列に並んで擬態する行動、これは()()()()()()生き物から種族を守る為に取る生存本能に起因する行動なんだよ」




 ロックアープが身の危険を感じる程の生物。


 それはつまり―――




「竜がいる可能性が高い。川を渡っていないって事はもしかしたら対岸にも……ね」

「…………」


 竜がいる、しかも2体。


 山側にいるのはゴクウさんが話していたであろう鉱竜でしょう。

 餌を取りに来る周期長いって話していたけど、鬼族の皆さんが調査に来る位だからその可能性が高いですね。


 そして川の対岸。


 そこにいるのは十中八九森の主と呼ばれている、僕も遭遇したあの火竜。


 僕を追ってきた?それとも偶然?

 考えても答えは出そうにありません。


 何処にどう転んでも、村へと向う為には死地に飛び込む必要がありました。


 だから揉めていたんでしょう。


 多分ゴクウさんは約束を守る為に僕と共に此処を突破すると言い、サンゾウさんとサゴジョウさんは此処で引き返す方を推したってところですかね。

 ボビィさんは……正直よく分かりませんが、此処まで見ている限りどちらかと言えばゴクウさん側…………でしょうか?


 ゴクウさん、本当にお人好し此処に極まれりですね。


 僕はサゴジョウさん含め此方を見ている鬼族の皆さんをしっかり見据えながら、口を開きました。







「此処迄送って頂いてありがとうございます。皆さんとはお別れです」






 此処からは独りで村へと向う事を決意しました。

前門の虎、後門の狼

ならぬ

前方のロックアープ、側方の双竜

って所ですかね?


この章は思ったより短くなるかもしれません。


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