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ずんぐりむっくり転移者は異世界で図太く生きる〜イケメンじゃなくても異世界で生き残れますよね?〜  作者: まっしゅ@
第五章 転生したけどまたまたまたサバイバル生活!?

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ゴーシィ、ツッコミが追いつかない〜異世界生活百四日目③〜

 鬼の言葉の()は日本語訳。

 主人公は正確には分からないけど、何となく読み取れてはいる。

 全裸の僕に関節を極められた鬼族の女性が淡々と語り始めましま。


 と言ってもそこ迄長い話にはなりませんでした。


 彼女の言う事を要約すれば、


 ゴクウさんは素直……と言えば聞こえがおつむがちょっと弱めらしく、仲間達のちょっとした嘘にも簡単に騙されたりする始末。

 その為、ヒト族であり異世界人であると言う嘘を吹き込まれ、体良く使われているかもしれないと心配して僕を見に来た、場合によっては排除しようとしに来たらしい。

 ゴクウさんは現在、他の仲間によって保護されている。


 だそうです。


「あぁー……確かにそんな気はしました。一度拳を交えてからは凄く仲良くしてくれましたし」

「ダロウ?ダガ、イラヌシンパイ、ダッタナ。スマナイ」

「色々思う所が無い訳では有りませんが、少なくとも僕が同じ立場なら確かに疑います。謝らないで下さい」

「オンニキル」


 取り敢えずお互いの誤解を解いた上で和解出来ました。

 そうなるとこの状態である必要は無くなるのでいい加減解放―――




「ゴーーーーーシィーーーーー!!!!!」



 つい頭の中に木々を薙ぎ倒しながら此方に向かって爆走してきているゴクウさんが姿を現しました。

 今、手を離して身支度を整えようとしたそのタイミングで。


 うん、アレだ。

 彼は空気が読めないと言うか、絶望的に間が悪いタイプだ。

 勿論、僕が気配を探ってなかったのも原因ですが。


「ゴー…………ン?ナニ、シテル?」

「これは…………」

「ガェガァンガァガァガァガァガェガォ(姉ちゃんから離れろ)ーーー!!」


 状況を説明しようとした瞬間、ゴクウさんは何かを叫びながら此方に突っ込んできました。


 予想外の出来事に鬼族の女性を引っ張って飛び退こうとすると―――


「ガァガェ(待て)!!」

「ガァッ(なっ)!?」


 女性が何かを怒鳴った事でゴクウさんは僕達迄あと数歩の所で急停止。

 雰囲気的に彼が何かを勘違いして突っ込んできたのを多彼女が止めてくれたんですかね?

 どうしようか悩んみましたが、取り敢えずこれ以上拗れるのは良くないので女性を解放しました。

 解放された女性は腕の状態を確認する様に軽く腕を回したりして「チョットマテ」とだけ言い残してゴクウさんの下へ。


 あれは状況を説明してくれているのかな?

 聞こえるのは「ガァガァ」と言う声だけだけど、もしかして本来の鬼族の言語なんですかね?

 それなら片言なのも納得です。

 あ、女性がゴクウさんに拳骨を落としました。

 あれだけタフな彼が痛みのあまり頭を押さえてしゃがみ込んでますね。

 拳骨された時の音が軽い交通事故なのに比べるとリアクションが薄いとも取れますが、それは鬼族ならではなのでしょうか?それともゴクウさんが異常に頑丈なだけ?

 そして鬼族も土下座するんですね、ゴクウさんの動き的にやり慣れてる感があるのが悲しいかな。


 そんな感じであちらの実況をしつつ、服を着て身支度を整え終わったところに2人は此方へとやってきました。


「ゴカイハ、トケタ。ホラ、アヤマレ」

「ゴーシィ、ゴメン」

「いえいえ、誤解が解けて何よりですよ」


 女性に促され素直に頭を下げるゴクウさん。

 うん、本当に素直な鬼ですね。


「ソウダ、ジゴショウカイガ、オクレタ。ワタシハサンゾウ」

「oh……三蔵ですか…………」


 三蔵法師が孫悟空を叱っている図、どう見ても西遊記です、ありがとうございました。

 て事は残りの猪八戒と沙悟浄もいそうです。


「ワタシノオトウトガ、メイワクヲ、カケタ」

「待って待って。2人は姉弟なんですか?」

「ソウダ。ニテイルダロウ?」

「あ、はい」


 他の鬼族の方を知りませんが、胸があるか無いか位しか違いが無い程に似ています…………ん?

 此処に2つの気配が近付いてきますね?

 気配的には2人の仲間だとは思うんですがどうでしょう?


「此方に2人、サンゾウさんとゴクウさんに似た気配が近づいてきているんですが、それがお仲間ですか?」

「ニタケハイ……?ケハイハワカラナイガ、タブンソウダ」

「サッキ、オイテ、キタ、ナカマ」


 2人は分からないみたいですが、多分方向的にそうみたいです。

 どんな反応をされるかは分かりませんが、少なくとも現在の雰囲気を察してくれれば多分攻撃される事は無い…………と信じたい。


 ガサガサと茂みが揺れて、姿を現したのは予想通り2人の鬼、胸が無いので多分2人共の男性。


「ガォガォガィガィガァガォガァ(此処にいたのか)」

「ガァガァ、ガゥガァガァガィ(あぁ、済まない)」


 二組で交わされる鬼語の会話。

 多分また彼女が2人へと説明をしてくれているのでしょう。

 頷いているから納得してくれてるみたいです。


 説明の間、やってきた鬼達を観察。

 片方は他3人と比べて一回り……いや、二回りは大きい。横に。

 逆にもう1人は痩せていますね。

 そうなると太っている方が猪八戒、痩せている方が沙悟浄でしょう。

 流石に3人目、4人目になれば流れは読めてきます。


 話し合いが終わったらしく、2人は此方を向いて頭を下げてきました。

 あ、沙悟浄さんは頭のてっぺんがハ…………輝いていますね。


「ゴクウを保護してくれてありがとう。私の名前はサゴジョウだ。よろしく」


 嘘やん、めっちゃ流暢に言葉話してるやん。

 文字で表すならサンゾウさんとゴクウさんはカタカナなのに対してサゴジョウさんは完璧に漢字を使った文章。

 名前のイントネーションは何となく片言に近いが、其れでもそこら辺の外国人より遥かに上手い日本語を話しています。


「ガォガィガァガァ(オイラは)―――」

「待て待て。君は共通語を話せないだろう?代わりに私が説明するよ。良いかな?ゴーシィ殿」

「え?あ、はい」


 そりゃ猪八戒さんみたいに話せない人もいますよね。


「改めて……彼の名前はボビィだ」




 …………





 ………………





 ……………………







「いや、猪八戒違うんかあぁぁぁぁぁいっ!!!」

 三蔵法師と言うと女性が思い浮かぶけど、カタカナでサンゾウって書くとなんか男性みたいですね。

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