ゴーシィ、風呂に入る〜異世界生活百四日目〜
キャラ立ちさせてくて自分でそうしたものの、ゴクウの台詞が書いている側ですら分かり辛いので、説明系は
①主人公が尋ねる
↓
②ゴクウが答える
↓
③主人公がそれを説明する
って感じで書いていきます。
ゴクウさんと出会ってから一夜明けました。
昨夜は彼から「鬼は数日眠らなくても大丈夫だから見張っとく」と言ってもらったので結構纏まった睡眠を取れたので身体は絶好調。
因みに先程の彼の台詞は僕が解釈して説明しただけであって本当は「オニ、ネナイ、ダイジョウブ。ゴーシィ、ネロ」でした。
よく考えれば解釈違いを起こしていたら殺されていたかもしれませんが、殺気の一つでも垂れ流してくれれば起きられますので問題無し。
今日は元々、村を目指して川沿いを登っていこうと考えていたのですが、どうやら大まかな位置だけならゴクウさんが分かるらしいので、彼に道案内を任せる事にしました。
勿論、訪れた事があるとか正確な位置を知っているとかでは無く「此処ら辺に村があったと思う」程度らしいのですが、それでも此方としては大助かりますなので甘える事に。
「そう言えば、川の反対側と此方側で植生や生息する生き物が少し違う気がするんですが、何故か分かります?」
村方向に向かう道中、辺りを警戒しつつも折角相手がいるならと話しながらのんびりと歩いて進みます。
先程の質問に対してゴクウさんが教えてくれたのはこうでした。
この森の北東側は湖から見えた通り大きな山脈にぶつかる。
その山脈からは割と高頻度で森には居ない生物や人間が降りてくる事が有り、生存競争的な意味合いもあってか川を挟んだ北側の魔獣や魔物、通常の野生動物ですら南と比べて凶暴なものや逆に見付からない為に気配を消すのが得意なものが多いらしい。
「人間が降りてくる」と言う部分をもう少し詳しく訪ねると、彼の様な鬼族やハルピュイア族とは別種の鳥人族、蜥蜴人族などがいるらしい。
蜥蜴人族ってリザードマン的なやつですかね?
次に山脈部分について尋ねると、山脈部には森とはまた違う多種多様の生物がおり、種類も多岐に渡る。
その中で森の深い所に降りてくる可能性があり、尚且つ危険な生物も教えてもらう。
危険な生物しかいないらしいが、その中でも特に注意した方が良いのが3種類。
先ずはロックアープ。
特徴は身体から接着剤の様な体液を分泌し、鉱物を体表に纏わせてまるで鎧を纏ったかのような大型の猿。
性格は比較的穏やかで此方から近付かなければ襲われる心配は無いものの、寝ている時や行動していない時は少し大きな岩の塊にしか見えないらしく、誤って近付いたりすれば大惨事らしい。
…………それ、別作品だとゴーレムとか呼ばれたりしてないですか?
続いて地下渓谷でもお世話になった?ブラッドスライム。
彼等は思い出したくも無いので割愛。
最後は鉱竜と呼ばれる竜種。
「また竜かよっ!」と思ったけど、先日遭遇した火竜とは全く別物。
ロックアープの様な鉱物の鎧を着ている……かと思えば、それそのものが鱗らしく、生半可な武器では傷一つ付けられないどころか此方の武器が駄目になる程の強度。
ただ火竜と違ってとても温厚で草食、しかも普段は殆ど動かないせいか数年か十数年に一度程度しか森に降りて食事する事は無いので遭遇する可能性はほぼ皆無らしい。
…………なんか、フラグな気がする。
他にも森の北東側について様々教えてもらっていると、僕が最初に現れた場所はまだ比較的安全だったみたいでした。
あれで安全とかどう考えても狂ってるよ、この森。
因みに村は北側と言えば北側ですが北西部を抜けた先は平原になっているそうで、そちらから森に侵入してくる危険な生物は少ない代わりに北東側から偶に入ってくる事はあるそうです。
僕が村にお世話になってからは記憶する限り無かったのは有り難い。
そんな話をしながら川を登り始めて既に数時間、何度か休憩を挟みつつそろそろ日が暮れそうなので、野営の準備に取り掛かる事になりました。
ゴクウさんは森に入って食べられる木の実や動物を狩ってきてくれるそうなので僕は火熾しをしたり川で釣りをして食料の確保に勤しみました。
「此処ら辺は浅いし流れが穏やかなお陰かよく釣れますね…………そうだ!」
水は元々透き通っていましたが、此処に来る迄はずっと激流……とまではいかずとも比較的川の流れが早く尚且つ深かったので水浴びが出来ませんでした。
この場所なら可能だと思いましたが、水は結構な冷たさ。
「それならいっその事―――」
思い付いたや否や、釣りを早々に切り上げ、川原で手頃な大きさの石を集めて川辺りから半円上に、少し広めな幅を取りつつ川を崩れないように積み上げてプールを造ります。
「後は石を幾つか炙って…………」
焚き火の中に石を投げ込み、焼き石になる迄熱します。
拾った枝をトング代わりにして熱々の焼き石をプールに放り込んで、中の水が適度な温度になる迄それを繰り返すと…………。
「出来たっ!天然温泉!…………いや、正確には天然銭湯ですかね?天然では無い気もするから露天銭湯…………まぁ、どちらでも良いかっ!」
つまり露天風呂の完成です。
…………そうだ、最初から露天風呂って言えば良かったんだ。
服を脱いで湯気の立つ風呂に脚を付けると、何とも言えない快感が伝わってきました。
そのまま肩迄浸かるともう其処は天国。
「あぁ〜…………最高…………」
此処が危険な森であるのも忘れ、僕は湯船でスライムの様に蕩けていました。
石鹸とかは有りませんが、風呂は心の洗濯とはよく言ったもの、汚れも疲れもお湯に溶け出している様な天にも昇る心地良さでした。
此処数日気を張りっぱなしだったせいか、僕は周りの警戒を一切忘れていました。
その結果、また事件に遭遇する事になるとはこの時の色々と緩み切った僕は考えもしなかったのです。
下手くそ過ぎて絵や図で説明が出来ないので、位置関係を口頭で。
あと画像の挿入方法がイマイチ分かりませんでした……。
いずれ出来たらどっかのタイミングでしたいけど未定です。
分かりやすく森を横広の楕円形と考え、それを四分割してその中央部が湖。
村はその湖の北西部、時計で言う10時の方向にあります。
主人公が始めてこの世界に降り立ったのは南東部、時計で言う7時の方向、本編でもあったように南東部4時の方向へ森を抜けるとローゼンに辿り着きます。
主人公達の近くに流れる川は真東、3時の方向へ流れており、その先は海へと繋がっています。
マーフォーク族やサハギンは此処から湖と海を渡っている感じですね。
川を挟んで北側、森全体からすると北東側は全てを山で囲まれており、北側は切り立った岩山で東側は木々の生い茂る森の延長の様な山々になっています。
そして現在主人公とゴクウは北東側から湖、その先の村を歩いて目指しています。
森の中の危険度で言えば危ない順に北東→北西→南東→南西。




