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災禍の跡地と貪欲なる獣4

「さて、探索2日目開始っと」


ログインしたアリカは昨日見つけた【アロガンス帝国、観光パンフレット】を開く、


「やっぱりあった、この国の地図」


アリカは、観光パンフレットという題名から国の全体地図が有るかもと思い当たり、最初のページにアロガンス帝国の全体地図を発見する。


「さて、ますば何処に行こうかな……そこら辺の建物は多分同じ感じのアイテムしか手に入らなそうだしなぁ……」


アリカは地図からアロガンス帝国の有名な場所を探す。観光地などの有名な建物には、この屋敷と同じく風化耐性の効果が有るかもだし、風化していないアイテムが有るかもしれない。


「他にもこの屋敷と同じ建物があるなら貴重なアイテム等は、そこに保管されてる筈……」


そうして探すと、北、東、西に特徴的な場所を発見する。


「南がこの屋敷で、東が【星辰教大聖堂】、西が【アロガンス・コロッセオ】、北が【アロガンス帝国魔術研究所】……」


まずはどの建物から探索しようか……、どの建物も怪しい。まず星辰教の大聖堂は、名前的にもクトゥルフ神話関連でヤバそう、コロッセオは分体が居る可能性が高い、研究所は事件の発端が知れそうだけど国をこんなにした実験をやっていたなら一番ヤバそうなのが眠っていそうだし………。


「………よし決めた、まずはコロッセオにしよう」


決めた理由はなんとなくだ、そうと決まれば何が来ても良い様に、まずは消費したポーションの補充から始めよう、

アリカはアイテムボックスから調合の為の道具を取り出してポーションを作っていく。


「ふぅ……よし、これで補充完了っと」


作ったポーションは簡易的な道具で作った為、少し回復量が減っているが無いよりかはマシだ、

さっそく作ったポーションを仕舞って、軽く武器の手入れをして屋敷を出発する。



寂れた廃墟が並ぶ街をひたすら進む、たまに群犬型が襲ってくるが大抵は火炎瓶で倒せるのでMPも温存できるし問題は無い。


「ん?あれは………」


アリカが見つけたのは霧の渦、周囲の霧よりも濃い霧の塊そのものがフワフワと漂っている。


「鑑定……」

レア【霧の怪物(ミストモンスター)(無形型)】

《種族:分体(中級)》

HP:800

MP:⬛︎⬛︎⬛︎

防御力:???

???

???

《能力》

???

《鑑定結果》

[⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の分体。本体の意図しない形で偶然生まれた、群犬の群れ丸ごとの強さを持つ]


無形型は、大小様々な目玉を生み出す。目玉は赤い縦に裂けた瞳孔でギロリとコチラを見つめてくる、その瞳からは感情を感じさせず、それがまた一段と不気味さを掻き立てる。


「っ……!」


アリカは無形型に向かって火炎瓶を投げるが、無形型は目玉を消して体を変形させて回避する。


『…………』


「ッ!!」


火炎瓶を回避した無形型は、体を流線型に変形して猛スピードで近づいてくる、アリカは嫌な予感を感じて本能的に避ける、無形型は体に無数の口を生み出して噛みつこうと攻撃するがアリカが避けたため空振る。


「あっぶな!?」


咄嗟に避けたけど嫌な予感が無かったらあの無数の顎に噛み砕かれてたなぁ……。

私はお返しとして無形型の実体化が解ける前にロングソードを叩き込む、


『………ッ!?』


無形型は声帯が無い為か、耳鳴りのような不快な音の悲鳴を上げてメチャクチャにグニャグニャと型を変える、そんな隙だらけの無形型にファイアーランスを叩き込む。


『…………ッ!!』


「ぐっ!?」


無形型にファイアーランスを命中させる事には成功したが、代わりとして無形型から赤い結晶針を飛ばすカウンターを喰らい、左肩に赤い結晶針が突き刺さる。


「っう………ぐっ!ハァ…ハァ……」


左肩に刺さった結晶針を掴んで力一杯引き抜く、あまりの痛さに苦悶の声を漏らす、急いでポーション取り出してかけて傷口を塞ぐ。


「っう、群犬の群れ丸ごとの強さって絶対嘘じゃん……ッ!!」


そうやって独り言を言っていると赤い結晶針が三発飛んできた為回避する。二つは避けれたが一つは避けきれそうに無い為、ロングソードの腹で受け止めて防ぐ。


「きっついなぁっ……コレを連続で使えるとか……ん?」


アリカが無形型を視線を向けると、何故か二回りりほど小さくなった無形型を見つける、再び結晶針を一つ飛ばしてくるが、防ぐと無形型が更に少し小さくなる。


「へぇ……やっぱり無条件で使えるわけじゃないだね?」


『…………』


無形型は何の意思も見せず、ただ殺気を垂れ流しながら変形していく、まるで大理石で出来たような白いひし形の型に変わると、周りの霧を吸い込み始める。


「ッ!!回復ッ、させないっ!!!」


アリカはひし形になった無形型に火炎瓶を投げつける。当然、回復行動をとって動けない無形型に避けられる筈も無く、一瞬で火炎に包まれる。


『ッ!?…………ッ!?!?』


無形型は耳鳴りのような、黒板を引っ掻いた様な音を立ててボロボロと砕けて消えていく。


「ふぅ………はぁ、先に進もう」


無形型を倒したアリカは、警戒しつつコロッセオを目指して歩みを再開する。

『レアモンスター』

フィールドに出てくる、出現率の低いまたは特殊条件下のみ出現するモンスター

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