運営1
時間系列、一話から最新作まで
〜〜管理室〜〜
薄暗い部屋、幾つもモニターとパソコンから漏れる光だけが光源となり数人がキーボードを操作しながらモニターの光に照らされていた。
管理者A「うっそでしょ!?」
管理者B「どうした?」
モニターを見ていた1人が声を荒げ、仲間が不思議そうな様子で声をかける。
管理者A「このプレイヤー、キャラクリで【神秘魔法】のスキルを獲得してるのよ!!」
管理者B「はぁッ!?律外系スキルの4スキルは、それこそ宝くじに100回当たるくらいの確率でしか出ないんだぞ!?」
管理者A「だけどこのプレイヤーは当てたじゃない!!調べてみたけどチートや不正ツールの類いは無かったわよ……」
管理者B「じゃあマジで運良く当てちまったのか……」
管理者A「そうね……」
管理者B「はぁ……まぁ当たったもんは仕方ねぇ、対象のプレイヤーを重要監視対象として出来るだけ見張っとけ」
管理者A「わかったわ……」
管理者B「そい言えば当てたプレイヤーの名前は?」
管理者A「えぇ……プレイヤー名は『アリカ』よ」
管理者B「『アリカ』ねぇ、ハァ……胃が痛むぜ」
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管理者C「マジっすかぁ……」
管理者B「どうした?なんか問題でもあったのか?」
管理者C「まぁ…問題っちゃあ問題なんすけど、なんかバグが見つかったとかじゃないっすね」
管理者B「じゃあなんだ?」
管理者C「んと、ユニークモンスターが討伐されたっす」
管理者B「……はぁ!?、いやいや無理だろ!?最初の街にでるユニークつったら『金角黒兎』だろ!?アイツの出現方法はスモールラビット至近距離の背後から気づかれずに倒す事だ、隠密スキルを持ってたとしてもスモールラビットは5レベル以下の隠密スキルなら気づくだろ!?」
管理者C「えっと討伐者は『アリカ』ってプレイヤーっすね」
管理者B「アイツかぁあああ!!!!」
管理者C「あぁ、なるほど『神秘魔法』には存在隠蔽のアーツがあったすねぇ………」
管理者B「もうヤダこのプレイヤー……」
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管理者D「嘘だろ………」
管理者B「また、なんか問題が起きたのか」
管理者D「ネームドモンスター【本喰いグリムス】が討伐されちまった……」
管理者B「………………は?」
管理者E「…ッ」
管理者B「まて、待て待て!?おま、グリムスって第一回イベントのラスボス予定のあのグリムス?」
管理者D「そのグリムスですねぇ」
管理者B「うぐぉお!?マジかよなんで第一回イベントのラスボスが討伐されんだよ!?」
管理者E「設定に矛盾がない様に一応本として街中に封印の入り口があったが、どうやら妖精に助けを求められて見つけたようだな」
管理者D「まぁ、妖精にも高性能なAIをつんでますからねぇ……」
管理者E「いくら成長中とはいえネームドモンスターを倒したのかよ……」
管理者D「本来なら妖精を喰らい力をつけたグリムスが封印を破り復活してレイドボスとして暴れるつもりだったんですがねぇ、これはイベント内容を変更しないといけませんね」
管理者B「今夜は残業だなぁ……」
管理者D「はぁ……」
管理者E「そうだな……」
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管理者F「えぇ……」
管理者B「また、アリカか?」
管理者F「そうだね、またアリカだよ」
管理者B「今度は何をやらかしたんだ?」
管理者F「あのプレイヤー、グリムスの魔石でゴーレムを作っちゃってね」
管理者B「マジかぁ……で、どれくらいの強さだ?」
管理者F「ゴブリンキングより少し強いくらいかな?」
管理者B「次のイベントってゴブリンキングがボスだったよな?」
管理者F「そうだね…」
管理者B「ふっざけんなぁあああ!!!!」
管理者F「イベント内容の変更は間に合わないし、間に合ったとしてもアリカのゴーレムの強さに合わせたら強くなりすぎるしなぁ……」
管理者B「クソがぁ!!もうヤケだ!イベント内容は変更無しだ!!」
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管理者B「〜♪」
管理者C「なんか管理者Bご機嫌っすねぇ〜?」
管理者F「なんかイベントが無事に終わったのが嬉しいみたいだよ?」
管理者B「この調子で平和でいてくれよ」
管理者C「しってるっす、ソレをフラグって言うらしいっすね」
管理者F「なんか嫌な予感がするよ〜」
管理者A「………なんかデジャブを感じるわ」
管理者A「ねぇ…また問題が発生したわ」
管理者B「あーあー聞きたくない!!」
管理者B「また、アリカ関連のヤツでしょ!!」
管理者A「まぁ、間接的には?」
管理者F「また〜?」
管理者C「マジっすかぁ……」
管理者A「プレイヤー名『レオン』が【狂気魔法】スキルを手に入れたわ……」
管理者B「…………」
管理者C「(絶句)」
管理者F「あぁ……」
管理者B「……なんだよぉおお!?またかよぉおお!!!!」
管理者C「っすぅ……」
管理者F「あはは………」
管理者A「で、どうするの?」
管理者B「ソイツも重要監視対象リストに入れとけぇ!!!!」
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管理者C「マジっすかぁ……」
管理者B「またアリカか?」
管理者C「まぁ、今回も間接的にっすけどね…」
管理者C「何があったんだ?」
管理者C「『始まりの街』にボロい隠し店舗があるっすよね?」
管理者B「あぁ、あの数十リストの中からランダムで販売される通称くじ引き店か、アレってアリカがほぼ当たりのアイテムを掻っ攫っていったからほぼハズレアイテムしか無いんじゃないか?」
管理者C「今回はそのハズレアイテムが原因っすね」
管理者B「なんかヤバイのあったか?」
管理者C「ハズレアイテムの一つ《転移の魔導具》があったっすよねぇ〜ソレっす」
管理者B「あぁそんな物も有ったが、ソレがどうかしたのか?」
管理者C「そのアイテムをアリカのフレンド、プレイヤー名『饕餮』が使って[蠱郡の森]に飛ばされたみたいっすねぇ〜」
管理者B「そうか、まぁアイテムの効果通りだし罠アイテムが発動しただけじゃないか?」
管理者C「それが、普通にモンスター倒してるっぽいんすよね」
管理者B「はぁッ!?いやあり得んだろ!?蠱郡の森って第三の街周辺クラスのモンスターより少し上の強さしてたよなぁ!?なんで底レベルで倒してるんだよ!?」
管理者C「まぁ色々原因はあるっすけど、まずアリカが送った武器っすね」
管理者B「武器?」
管理者C「イベントで交代した鉱石の魔鋼鉄と、自分で炭素を混ぜて作った鋼を混ぜて作った合金」
管理者C「ソレを作ってる時に起きたランダム発生の鍛治イベント、鍛治神の試練の達成で武器がユニーク化され、蠱郡の森のモンスターにダメージを与えられる武器を饕餮にフレンドチャットを通じて渡したのが一つ」
管理者B「色々ツッコミたいが、武器だけじゃレベルが倍以上のモンスターは倒せないんじゃないか?」
管理者C「そう思うっすよねまぁ…もう一つの要因が一番大きいっすね」
管理者B「なんだ?」
管理者C「饕餮のプレイヤースキルが異常な程に高かったのが要因っす」
管理者B「は?」
管理者C「このプレイヤー、戦闘で一度もダメージを負ってないんすよ」
管理者B「はぁ!?」
管理者C「まぁ、この人重要NPCのアマネに会ってるので、饕餮がイレギュラーな方法で森に来たからか蠱郡の森解放イベントが少しバグって始まっちゃったみたいでワイバーンに閉じ込められてるっぽいっすね」
管理者B「まぁ、クエスト開始がバグったのは転移アイテムを使った者の責任だ、あの強さだし助けは要らんだろう」
管理者C「……それってこれ以上面倒事を避けるためにワイバーンに足止めさせたいだけじゃないっすか?」
管理者B「…………」(目逸らし)
管理者C「図星っすね」
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管理者A「あ、アリカが饕餮を助ける為に次の街に行くみたいよ」
管理者B「まぁ、生産職用の街解放クエストとはいえ正規の手段で進んだのなら問題はない」
管理者C「お、もうフィールドボスに挑むみたいっすね」
管理者B「まぁ、ゴブリンジェネラルよりかは弱いし楽勝だろう」
管理者A「わぁっ!今の動き凄いわね!?」
管理者C「なんか前より動きが良くなったきがするっす!!!!」
管理者B「もう倒したのか…」
管理者A「凄かったわね」
管理者B「そうだな」
管理者C「あ、たしかあの街には……」
管理者B「どうした?」
管理者C「いや、そういえば次の街にはアレが居たっすよね?」
管理者A「そういえばそんなの居たわね」
管理者B「あぁ、居たな?」
管理者C「アリカがアレを見つけたりしたらな〜と思っただけっす」
管理者B「………さすがに無いだろ」
管理者A「ソレってフラグって言うんじゃない?」
管理者B「……やっちまった」
管理者C「まぁ、可能性の話っすから……」
管理者A「え、えぇそうよね」
管理者B「あぁ、頼むからアレだけは見つけないでくれよ」




