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饕餮と虫の剣豪

〜〜饕餮視点〜〜


「ずいぶん奥まできたな」


饕餮は草木が生い茂る森を当ても無く彷徨っていた。


ガサガサッ!!


「ッ!」


そんな饕餮を容赦なく虫系モンスターが襲って来る


『キイィ!!』


「今度は蜘蛛か!」


現れたのは、体長が車くらいある黒い蜘蛛だった、


「フッ!」


『キュイィ!?』


そんな巨大な蜘蛛の足を軽々しく刀で切り落とす。


「カナブンよりは柔らかいな、『解体』『ライトニングボール』」


饕餮は刀を持って無い左手で動けなくなった蜘蛛に雷球を放つ、


『キュイィ!?!?』


蜘蛛は奇声を上げながら全身を雷で焼かれて絶命した。饕餮は蜘蛛の死骸に触れアイテムボックスに仕舞う。


「そろそろ出たいのだがな…」


饕餮は軽く、ため息を吐きながら歩き始める。しばらくして、周りと雰囲気の違う場所を見つけた。


「これは…」


饕餮が見たのは、夥しいほどの虫の死骸だった、その死骸達を避けて警戒しながら奥に進むと、地面の草が短くなり木々が無く日の光が入った広い広場の様な場所だった。


「……」


『………シャァ』


そこに居たのは、人の二倍ほどの巨体で全身が黒く所々に白い帯状の模様のカマキリだった、

そんなカマキリの左手の鎌は、半ば程から折れていた。


『シャァアアア!!』


カマキリは白い三本の帯の模様が入った右手の鎌を構える、すると饕餮は威圧感を感じる。

(これは、殺気か?魔物も殺気を放つのか…)


「魔物にも技術を使う奴が居るのだな」


饕餮は刀を鞘から抜き構える、


「識別…」


ユニーク『グリム・マンティス』【特異】

HP:???

MP:???


「まぁ当然の様に格上か、」

(ま、だからといって負けるつもりも無いのだがな)


『……………』


「……………」


両者は睨み合う、そして一枚の木の葉が両者の間にゆっくりと落ちて来て、それが地面に触れるのが戦闘の合図になった。


「ふっ!!」


『シャァ!!』


刀と鎌が真正面からぶつかり合う。


「くっ!」

((パワー)は奴の方が上か!)


饕餮は後ろに飛んで鎌の衝撃を逃す。


「シィッ!!」


饕餮は足に力を入れて迅脚を使いながら刀で突く、


ガキン!ギリリリィィ!!


カマキリは饕餮の突き技を鎌の腹で受け止める。

刀と鎌は、まるで金属同士がぶつかる様な耳障りな音を出しながら火花を散らす。


刀撃(とうげき)


饕餮は刀を左手に持ち替えて刀の持ち手の尻を右手で殴りつける。


『シャァァアア!?』


カマキリは身体が少し押された事に驚愕するが、直ぐに冷静になり饕餮を切り付ける。

饕餮はそれを体を少し傾けて避け距離を取る。


「硬いな」

(しかしこのカマキリの使う技は少し刀術に似てるな)


カマキリの鎌を刀で上手く流しながら考える。


ガキン!!ガン!ギリィ!!


弾く、逸らす、弾かれる、逸らされる。そんな事を繰り返しながら戦い続ける。辺りの草や木は戦闘に巻き込まれて見るも無惨な深い傷を残す。


そうして戦っていると、いきなりカマキリが少し後ろに飛び饕餮と少し距離を取って鎌を構える、すると先程までとは違う強烈な殺気を饕餮に放つ。


「……なるほど、その一撃で決める気か」


『シャァァ!!』


カマキリは、まるで『そうだ』と言わんばかりに鳴く、


「ならば受けて立とう、」


饕餮も刀を構え、殺気を放つ。


一人と一匹の強烈な重圧で辺りの動物が一斉に逃げ出し、近くに居た虫系モンスター達も見つからない様にその場からコソコソと立ち去る。


そうして、その場は一人と一匹だけになり、一人と一匹の緊張も限界に達っした、


『シャァァアアアアア!!!!!』


先に動いたのは一匹の方だった、その鎌で饕餮の首を獲らんと猛スピードで跳躍する。

饕餮は刀を構えたまま動かない、いや敢えて()()()()


そして、カマキリの鎌が饕餮に届く瞬間、


「’’流水(りゅうすい),,」


直後、饕餮は刀を斜めに持ち、刀で鎌を流れる水が如く力を地面に逸らした。

カマキリの一撃が饕餮に逸らされ地面を裂き、地面には巨大なひび割れを出現させる。


饕餮は地面に鎌を突き刺したカマキリの首に刀を構える。


『シャァ……』


カマキリは、ひと思いに殺せと言わんばかりに首を下ろす。


「……なあ?」


『シャ?』


「お前、俺にテイムされないか?」


『シャア!?』


カマキリは驚いた様に鳴く、

饕餮は刀を鞘に仕舞い右手を差し出す。


「どうだ?」


カマキリは少し考えた素ぶりをしながら頭を下げる。


『シャァァ……』


「そうか、よろしくな」


饕餮は穏やかな笑みを浮かべる。


『グリム・マンティスをテイムしました。』

《称号《ユニークを従える者》を獲得しました。》

《称号《特異個体を従える者》を獲得しました。》

《スキル《剣術3》を獲得しました。》


モンスター解説

【特異】個体

通常種とは能力の差はそこまで無いが、その固体特有の技術などを使う。


饕餮の技解説

【刀撃】

饕餮の突き技の一つ

刀の先端を相手に付け、持ち手の尻を殴りつけて貫通させる技、


【流水】

饕餮のオリジナルの流し技

刀を使って相手の力を地面に全て流して隙を作る技。

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