アリカ、饕餮の刀を作る。
「ログイン」
アリカはログインしてベットから起き上がる。
「おはよ」
ッ♪
『《妖精の粉》を受けとりました。』
アリカは妖精達に挨拶をしてクッキーを渡す。
そういえば妖精の粉って識別してなかったなぁ…
「識別」
『妖精の粉【神秘】』
神秘属性を帯びた非常に珍しい代物、非常にレアな妖精の中でも具体的に天文学的数字でしか誕生しない妖精から取れた粉
へぇ…この妖精達って普通の妖精と違って滅茶苦茶レアなんだ…
ピロン♪
「ん?」
アリカはフレンドチャットの通知を見る、
「兄さんから?」
アリカはフレンドチャットを開く、
饕 餮:鉄を集めたから刀を作って欲しい、
アリカ:了解〜
アリカは受け取った鉄を見る。
「うわ!こんなに沢山掘ったの兄さん、なら私も雑な仕事じゃ顔向けできないなぁ…」
アリカは庭園の端にある鍛冶場に向かう。
「よし、作るかぁ…」
アリカは熱した鉄を金床に置きハンマーを振り下ろす。
カンッ!カンッ!カンッ!
「鉄の精錬は完了っと」
アリカは精錬した鉄を台に置く
「次!」
アリカはまた同じ工程を十回ほど繰り返す…
これで兄さんから貰った鉄は全て精錬できた、あとは…
「はぁ、はぁ、ふぅ…次」
アリカは精錬した鉄を一つ取って炉に入れ、鞴を足で踏み空気と木炭を送り加熱する、熱された鋼にハンマーを振り下ろす。
カンッ!!カンッ!!カンッ!!
「ッ!失敗した…」
アリカは額の汗を拭い、失敗した物を木箱に入れる。
私には鉄と炭の割合なんて分からないから勘と感覚を頼りに作る!
カンッ!!カンッ!!
「また失敗、次!」
そうして、十個ほど犠牲に一個のインゴットを作る、
「ハァ、ハァ、やっと…一個完成した…」
アリカは完成したインゴットをアイテムボックスに仕舞う。
「まだ、三割完成…次」
アリカは、また鉄に炭を混ぜて打つ
「次は割合を変えて打つ!」
カンッ!!カンッ!!
「失敗……次!」
そうしてまた何回も繰り返し十個ほど犠牲にインゴットを一個作る。
「六、割完成、あとは形にするだけ!」
アリカは二つのインゴットを手に取る。
「そうだな…兄さん、には沢山世話になったし少しサプライズをしよう…」
アリカは二つのインゴットを台に置き、もう一つアイテムボックスから取り出す。
「魔鋼鉄、いちおう鉄だから大丈夫なはず…二つに混ぜるか」
アリカは二つのインゴットに魔鋼鉄を混ぜる、
「ははっ、これは失敗できないなぁ!」
アリカは自虐的に笑う。
カンッ!!カンッ!!カーンッ!!
魔鋼鉄を混ぜたインゴットを打つたびに黒色に変わって打つ音も甲高い音に変化する。
「ッ!!ぐぅ…はぁ、はぁ、ぐッ…」
アリカの手の皮が焼けて痛みが走る、
「ま、だだ…まだ完成してない!」
アリカは黒色に変化した二つのインゴットを、熱して打つ。そして炉から青い火が漏れる。
カーンッ!!!カーンッ!!!カーンッ!!!
叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く叩く…………
アリカはハンマーを持つ右手が青い炎に包まれ気が狂うほど痛みが全身に走る。
全身が危険信号を発する、もう止めろ、もう無理だ、もう諦めろ、っと身体中が悲鳴を上げる。だが…
「この…程度ッ…の熱でッ!…諦めろだと?」
アリカは叩く手は止まらない、止められない。
「まだ温い!!全身を焼く熱で出直して!!!!」
カーンッ!!!!
漏れ出た青い炎が炉に吸い込まれる様に消える、
「はぁ、はぁ、はぁ、ッ!できた!!」
《スキル《限界突破1》を獲得しました。》
《スキル《蒼炎》を獲得しました。》
《称号《限界を超える者》を獲得しました。》
《称号《鍛冶神の祝福》を獲得しました。》
「後は鍔と持ち手と鞘だけ…」
アリカは残った鋼で作ると青色に変化する、トレントの木材で持ち手と鞘を作り、鞘は黒く塗り持ち手には黒色の糸を巻く。
「これで完成!!」
『妖魔刀【空式】』
攻撃力:200
耐久値:400
効果:変幻自在、属性強化、全ステータス強化、魔力切断、鍛治神の祝福
鋼に魔鋼鉄を混ぜ合わせた合金で作られた刀、持ち主によって形が変わる。
「わぁ……自分で作っといてなんだけどチートすぎない?」
できた刀は刀身がガラスの様に透明になっていた。
「さっそく兄さんに送ろう」
アリカはフレンドチャットを開き刀を饕餮に送る。
「これで終わりっと、」
アリカは思いっきり背伸びをする。
「いてっ!そうだった右手焼けたんだった…」
アリカはポーションを取り出して右手にかける。
「いっつぅ!火傷にポーションが染みて痛い!」
アリカは少し涙目になりながらポーションをかける、
「やっと治った…」
(兄さん今なにしてるんだろいなぁ……)
アリカは饕餮が何しているのかを考える……
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〜〜饕餮視点〜〜
『ギギ!!』『ギシッ!!』『カチカチ!!!!』
日の光があまり入らない森の中で饕餮は巨大な影と戦っていた、
「ふむ、迂闊な事はするんじゃなかったな…」
饕餮は少し後悔する。
「まぁ自業自得か、」
饕餮は拳を構えて巨大な影に応戦する……




