小鬼の王と魔樹の巨人
〜〜数時間前〜〜
ズガガガガァァン!!
「ぐわー!?」「クソがぁあ!!」「馬鹿なァ!?この俺が負けるだ、と…」「こんなん勝てるかぁぁ!?」
ゴブリンジェネラルの攻撃によってプレイヤー達が死に戻る、
『コメント』
・カオス
・何あのクソデカ鎧ゴブリン
・30分は戦ってないか?
・もう何人死に戻った?
・大体100人くらいなか?
・死んで戻って来て死んで戻って来て、うっ…
・死にすぎぃ!!
・運営の馬鹿やろう!!
・強すぎなんだよなぁ…
「NIN者さん!合わせてください!」
「承知!」
ユウとNIN者がゴブリンジェネラルに同時に攻撃を仕掛ける。
「スラッシュ!!」「スローイングダガー!!」
ユウが剣撃をNIN者はクナイを投擲する、
『グギュウ!?小賢シイ!!』
二人の同時攻撃にゴブリンジェネラルが怯む、
「「今だ(だよ)!!」」
ユウとNIN者が合図をする、すると様々な魔法が飛んでくる。
「ファイヤーボール!!」「ストーンバレット!!」「ウインドカッター!!」「ウォーターボール!!」
『グギャアァァァァアァア!?』
ゴブリンジェネラルに数多の魔法が降り注ぐ、
「トドメだ!!ホーリーボール!」
ユウが光の玉をゴブリンジェネラルに放つ、
「破鉄粉砕拳ふんぬぅ!!」
マッスル竹中が拳に黄色いオーラを纏い殴りつける、
「ウインドカッター、ファイヤーボール!!」
ミヨは風の刃と炎の玉をゴブリンジェネラルに放つ、
「突撃!!チャージランス!!」
大和魂がゴブリンジェネラルの喉元に槍を突き刺さして手放す、
「ナイスよ大和くん!これで最後、疾風拳!!」
NIN者が拳に黄緑のオーラを纏いゴブリンジェネラルの喉元に刺さった槍を殴る、槍は拳の衝撃でゴブリンジェネラルの喉元を貫通して粉々に砕け散る。
『グゥ ギ ャ…バ カナ……』
ゴブリンジェネラルは掠れた声を出しながらポリゴンに変わっていく、
『コメント』
・勝ったァアアア!?!?
・ナイスゥ!!
・ザマァみやがれクソゴブリンがぁ!
・↑めっちゃキレてて草
・888888888
・やっと終わったぁー!!
ゴブリンジェネラルの討伐にコメントが盛り上がる。
「すまむ大和くん、槍を壊してしまって…」
「予備をが有るので別に良いであります!」
そう言って大和魂はアイテムボックスから予備の槍を取り出す。
「おう!そっちも勝ったか!!」
「ヒャッハァーこっちは勝ったぜぇ!」
「三連星、世紀末モヒカンの皆さんも勝ったんですね!」
「あぁ、かなりギリギリだったぜ…」
ユウはもう一匹のゴブリンジェネラルと戦っていたトッププレイヤーの三連星のリーダー【黒星】と世紀末モヒカンのリーダー【ゴロ月】さんと話す。
「でもどうしましょうか…ゴブリンジェネラルは、あと一匹いるのに…あとゴブリンキングとも戦わないといけないなんて…回復薬と装備の耐久が足りないです……」
ユウは回復薬が残り少ない事と装備が壊れそうな事に不安を覚え、ゴブリンジェネラルとゴブリンキングをどうするか考える、
「あー…もう一匹のゴブリンジェネラルは大丈夫だと思うぜ」
「…?どうして、そう言いきれるんですか?」
「あぁ…もう一匹のゴブリンジェネラルを見てみろ」
ユウは黒星に言われた通りに最後のゴブリンジェネラルに目をやると、
そこには黒い人型のナニカと三体の騎士と泥の怪物がゴブリンジェネラルと戦っていた、
「あれは、草原の騎士!?」
「たぶんな、しかし騎士が戦ってるんなら俺達はゴブリンキングに専念すれば良い…どうせ回復薬も耐久値も残り少ないんだ、ゴブリンキングとゴブリンジェネラル同時相手よりかぁマシだ、なんなら全員でゴブリンキングに短期決戦を挑んだほうがまだ勝ち目は有る、だからゴブリンジェネラルは騎士と化け物に相手させて放置する。あの化け物どもに、ちょっかいかけて巻き添え食らうとか笑えねぇからな、」
「なるほど……そうですね、わかりましたやりましょう。」
ユウは黒星の作戦に同意する。
(現状それしか方法が無い、ゴブリンキングにプレイヤー全員で挑めば勝ち目は少しでも有るはずだ!)
ユウは思考を纏めてミヨ達に振り返る。
「作戦が決まりました。」
「んにゅ?」
『コメント』
・おっ!決まったか
・どーすんだろ
・ミヨ変な声だしてるw
「現状、我々には回復薬とうの消耗品や装備の耐久値が無いです。これではゴブリンジェネラルとゴブリンキングの相手は出来ません。」
「じゃあどうするんだ?」
「そうですね、幸いな事に最後のゴブリンジェネラルは、草原の騎士と泥の怪物、黒いナニカが抑えてくれています。」
『コメント』
・マジか!?
・草原の騎士いるの!?
・泥の怪物?黒いナニカ?
「ですのでプレイヤー全員でゴブリンキングに挑みます、それしか勝ち目はありません。」
「草原の騎士に加勢しなくていいの?」
ミヨは思いついた事を口に出す。
「いえ加勢して両方共と敵対する可能性が有ります。その場合、ゴブリンジェネラル、ゴブリンキング、草原の騎士、泥の怪物、黒いナニカ、全員と戦うハメになり勝ち目が0になりかねません。」
「ヒェッ」
『コメント』
・確かになるかも…
・リスクが高すぎる
・まだゴブリンキングにプレイヤー全員で挑むほうがマシだ、
・もう時間も無いしね、
そうあと時間は残り少ないゴブリンキングはもう門の近くまで迫っていた、周りのゴブリンナイトやゴブリンライダーなどの雑魚敵はゴブリンジェネラルとの戦いで邪魔にならない様に殲滅されたがゴブリンジェネラルに邪魔をされてゴブリンキングに攻撃出来なかったのだ、
ミヨ、NIN者、ユウ、マッスル竹中、大和魂、他のプレイヤー達も少し緊張した様子で武器を構える。
『忌々シイ虫ドモメ!我ガ直接殲滅シテクレルワ!!』
ゴブリンキングは巨大な棍棒を振り上げる。
『レイドボス!!【ゴブリンキング】を討伐してください。』
『グギャアァァァァァァァァァア!!』
その巨大な棍棒が力強く振り下ろされる、
ドガァァァン!!
そして地面が割れる音が開戦の合図となった。
「タンク隊!後衛を守れ!」
そうしてトッププレイヤーの一人が命令をくだす、
「「了解!!」」「アイアイサー!」「ok!!」
重装備のプレイヤー達が前に立ち盾を構える、
「アタッカーのプレイヤー達は機動力を生かし、ゴブリンキングの攻撃を撹乱してくれ!」
「やったねオワタ式だぁ!」「ひゅーそそるねぇ」「別に倒してしまっても構わんのだろう?」
「後衛の人達はバフや魔法を放ってくれ!!」
「わかったわ!」「やるぞ〜!!」「任せろ」
後ろに居る軽装備のプレイヤー達がそれぞれ魔法を放ったり前衛にバフをかけたりする、
『コメント』
・最終決戦だ!!
・おぉ軍隊みたいでカッコいい!
『邪魔ダァ!!』
ゴブリンキングが棍棒を振り下ろす、
ガガガガァァァァァン!!
タンクのプレイヤー達の盾に棍棒がぶつかり凄まじい轟音が鳴り響く、
「おっっっも!?」「複数人で受け止めてコレ!?」「コレが通常攻撃ってマジ?」
タンクのプレイヤー達は辛うじて攻撃を受け止める。
「はぁ!!ホーリーボール!スラッシュ!!」「ヒャッハァー次は俺達の番だぜぇー!!」「喰らえスラッシュ!!」「フン!ドラァ!!」
前衛のユウ、ゴロ月、マッスル竹中や他のプレイヤーが攻撃を加える、
『鬱陶シイワ!!』
ゴブリンキングが棍棒を地面に叩きつける、
「危なかったぁ…」「あっぶね!?」「ヒヤってしたぜ…」「ヒャッハァー危なかったぜぇ!!」「危ないですねぇ」
「後衛!今だ撃てぇ!!」
トッププレイヤーの隊長が命令を下す、すると…
「わかったよ〜!!」「いきます!!」「ファイヤーボール!!」「いっけぇ!!」「フハハ!!」
後衛のプレイヤーが一斉にゴブリンキング目掛けて魔法を放つ、
『フン!!毛ホドモ効カヌワ!!』
ゴブリンキングは飛んできた無数の魔法を棍棒で殴りつけて打ち消す。
『コメント』
・マジか!?
・魔法を殴った!?
『流石ニ、コノ魔法ノ数ハ鬱陶シイナ…』
ゴブリンキングは棍棒を下に向けながら両手で持つ、
「何かしてくるぞ!!」
ゴブリンキングはゴルフでもする様な動作で地面を砕きながら棍棒を下から上に振り上げる、
ドガガガガガァァン!!!!
ゴブリンキングによって砕かれた地面がゴブリンキングの前方真っ直ぐに飛んで後衛のプレイヤーに降り注ぐ。
「きゃああああ!?」「マジかぁああ!?」「ふっざけんなぁああ!?」「あブヘェ!?」
砕かれた地面は後衛プレイヤー達に降り注ぎプレイヤー達を押しつぶす。
『グギャッギャッギャ、少シハ減ッタナァ?ゴミ虫ドモ』
ゴブリンキングが嘲る様に笑う、
「ッく、被害状況は!」
「タンク三人と……だいたいですが後衛の四分の三が死亡しました。」
「ーーッ!!アタッカーとタンクは今の攻撃を絶対に止めてくれ!!」
『コメント』
・うぎゃあああ!?
・大 惨 事
・やばすぎて笑う
『ーーフム、飽キタナ…モオイイカ、コレデ終ワリニシヨウ【ファイヤーサイクロン】』
ゴブリンキングの左手から巨大な炎の竜巻が出現する。
「ーーッ!?タンクッ止めろぉおお!!」
『ーーー燃エテシマエ』
ゴォオオオオオオオオ!!
炎の巨大竜巻がプレイヤー達を焼き尽くす、プレイヤー達は声を出す暇も無く大半が焼失した、
生き残ったプレイヤーは、いち早く避けたが竜巻の余波を食らいギリギリ生き残ったマッスル竹中、カメラで皆んなを撮るために一番遠くにいて範囲から運良く外れたミヨ、光魔法とポーションで回復して満身創痍になり動けなくながらも生き残ったユウだけだった。
「体が…動かない…」
「む、無念…」
「そんな…」
『コメント』
・あ
・終わった……
・マッスル竹中もユウも動けそうに無い、唯一動けるミヨは耐久が無いから戦えない…詰みか……
・強すぎだろコイツ
・そんな……
・他のプレイヤーのリスポーンも間に合わない…
全員の心が絶望に支配される、
ただ一人を除いて
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アリカは他のプレイヤーがゴブリンキングの炎の竜巻に消し飛ばされたのを目撃した。
アレ、ヤバいなぁ…生き残ったプレイヤー達は攻撃できそうに無いな、私も右手しか無いのに、はぁ………仕方ない、
「アレを使うかぁ…」
できれば使いたくなかった…っとアリカは思った、使ってしまったら折角のイベントが簡単になってしまうと思ったから、でも…
「無様に殺されるよりかは、遥かにマシだ」
ゴブリンキングはコッチに気づいて無いか…よしやるか……
「召喚、来て"ジャイアント」
オオォォォォォォォォォ!!!!
戦場に緑の巨人の咆哮が響く…
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『ナンダ、マダ生キテタノカ』
「ーーッ!」
『コメント』
・不味い!バレた!!
・逃げてミヨちゃん!!
『死ニ損ナイガ、二人ト魔法使いガ、一人カ…安心シロ、今スグ殺シテヤル』
ゴブリンキングが棍棒を振り上げる、ミヨは怖くなり目を瞑る
『ダカラ安心シテ、シ__!?』
ドゴォォォォォン!!
「……?」
突然凄まじい音と共にゴブリンキングの声が止まる、
ミヨが目を開けると、地面から木が絡まって作られた様な拳が生えていてゴブリンキングの顎を殴り飛ばしていた、
『グギャアァァア!?』
「「「!?」」」
突然の出来事に三人の思考が止まる、そんな三人を他所に地面が割れて中から四本腕の木の巨人が出て来た。
『オォォォォォォオオオオォ!!』
『コメント』
・!?
・…は?
・?????????
・んぇ!?
・????
・拳?
・(p_-)目を擦り擦り……チラッ、('◉⌓◉’)???
・!?
・何コレェェェェェェ!?
・はぁぁぁぁああ!?
コメント欄は絶叫に溢れかえった、
『グゥ…ナンダ!オ前ハァ!!』
『オォォ!!』
ジャイアントはゴブリンキングと見つめ合う、
『答エヌノナラ、死ネ!』
ゴブリンキングが棍棒を振り下ろす、
ガシ!!
ジャイアントは二本の腕で棍棒を受け止める、そして残りの腕でゴブリンキングの腹に拳を叩き込む、ゴブリンキングはあまりの痛みで地面に倒れ込む、
『グゥッ!?』
ゴブリンキングは棍棒を支えにして立ち上がろうとする、そんなゴブリンキングに先程棍棒を受け止めた二本の腕を伸ばして鞭の様にしならせて振り下ろす、そうして立ち上がろうとするゴブリンキングの頭に直撃する。
メシッミシッ!!
『グギャァアアアァァァァアア!?』
ゴブリンキングの悲痛な叫びが辺りに響く、
「な、何アレ…」
ミヨは震える声で呟く、
『調子ニ…乗ルナ!!』
『オォォ!?』
ゴブリンキングはジャイアントの顔を棍棒で殴り、その隙に飛び起きてジャイアントから距離を離す、
『コメント』
・やべぇレベルがちがう戦いだ…
・救済イベント?
・たぶん…?
・あのゴブリンキングを一方的に殴ってる…だと…
・見た目かっちょえー!!
・四本腕って禍々しいな…
・あの木の巨人、どっちかつうと味方より悪役みたいな外見してるよな、
・あぁ逃げられた…
『クソガァ!!タダノ植物風情ガ!【ファイヤーサイクロン】!!』
『オォォ!?』
ゴブリンキングの手から炎の竜巻が出現してジャイアントが炎に包まれる。
『ギャッギャッギャッ!燃エロォォオ!!』
『コメント』
・ヤバ!?
・木に火はヤバい!?
・燃えるぅうう!?
・負けたかコレ…
『オォォ……』
ジャイアントは二本の腕を自身に向ける、
『気でも狂ったか?』
二本の腕に魔力を溜めて魔法を発動する、
『オォオォォオオオ!!』(ウォータープリズン)
ジャイアントは自身を水の牢獄で包む、
『ナァ!?』
『コメント』
・魔法も使えるの!?
・頭良いな!?
・水魔法?
・多分そう
『ック、ダガ【ウォータープリズン】ヲ、自分ニ使ッタノナラ動ケナイハズダ!!』
ジャイアントはゴブリンキングが何かほざいてるのを無視して攻撃に移ろうとする、すると頭の中に声が響く、
(ジャイアント、アイツの死体にして持ち帰りたいから、解体スキルを使って出来るだけ傷をつけないで倒せる?)
『オォォ!!』
(できるの?ありがと)
ジャイアントは嬉しくなって張り切って命令を実行する。
その為に四本の腕を伸ばしてゴブリンキングの四肢を掴んで引き寄せる。
『ヌゥ!?何ヲスル!!』
ゴブリンキングの両足を地面から浮かして両腕も拘束して手首足首を掴みX型に引っ張る
『何ダ!?コノ変ナポーズハ!!』
『コメント』
・何で変なポーズにしてるの?
・さぁ?
・あぁ…あれは、あんな風に拘束して力が入らない様にしてるな、
・そうなん?
・空中で両手両足を思いっきり引っ張られてると力が入らないんだよ
・なんで?
・地面を蹴れんし腕が曲げられないから力が入らん
・へぇ〜
コメント欄はそんな事を言い合ってた、
ジャイアントはそんなのお構いなしにゴブリンキングを自身のウォータープリズンに引き込み解体スキルを使う、
『ゴポォ!?ゴポォゴポォ!!』
ゴブリンキングは溺れたくない一心でもがくが、四肢を拘束されて上手く力が入らない、一心不乱にもがくが、その度に水が体から体力と空気を奪っていく、
『ゴポォ……ゴ…ポォ…』
ゴブリンキングの意識が朦朧として体から力が抜けて行く、息を止めるのも限界になり口や鼻から水が入ってくる、
『ゴポォ………ゴ……ポォ…』
そうしてゴブリンキングは力尽きた、
『レイドボス【ゴブリンキング】をクリア!!MVPは本人の希望により【匿名】になります。』
ジャイアントはウォータープリズンを解除してゴブリンキングの死体を引きずり地面に潜る。そんなジャイアントが地面に潜る前にユウが識別スキルを使う。
「ーーッ!識別!!」
ジャイアントは自身に使われた識別スキルを弾く、
「ーー!?妨害されました。…」
そうしてジャイアントは地面に潜り消えた。
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「ふぅ…やっと終わったぁ…ん?」
ピロン♪っと音が鳴ったので見てみるとイベント一位おめでとうございます。ってメールでイベント一位だけど名前を表示するのかのという設定と一位の感想を書かないといけないらしい、
「めんどくさ、名前は非表示にして感想は………これでよしっと」
ポイント交換は明日で良いかぁ…疲れたしログアウトしよっと、
アリカが最後までジャイアントを使わなかったのは、
最初のイベントだしジャイアントを使って無双するだけってのは面白くないと考えたのと、他のプレイヤーから反感を買いそうだなと考えたから、




