アリカvsゴブリンジェネラル
主人公の称号とスキルの効果をまとめた物を書こうかなぁ...
アリカは門の上に座って暇つぶしに魔法書を読みながらフェーズ開始を待っていた。
「…なるほどねぇ……デイバーの使ってた魔法の形状変化ってこんかんじなんだ…」
《スキル《魔法形状変化》を獲得しました。》
どうやら魔法の形状変化は、本来使えないはずの一つ上のランクの魔法を使う為の技術らしい、ただ魔力も倍くらい消費するうえに元の魔法より威力も下がるらしい、
アリカは試しに形状変化を使ってみる事にした。魔力を手のひらに集めて魔法を使うと、手のひらに炎の玉が出現する。
「ダークボール形状変化、ダークランス」
アリカの手のひらの上に乗った闇の玉が、まるで槍のように形が変わる、
「なるほどねぇ…魔力消費がキツイなぁ…やるなら切り札みたいな運用かな?」
アリカは炎の槍を見て運用方法について考えていた、
「そろそろ魔法消そっと…」
アリカは闇の槍への魔力の供給を止めてると徐々に闇の槍が小さくなっていき煙となって消えた。
「そろそろかな…」
アリカがそう言うと、最終フェーズ開始のアナウンスが鳴る。
「どんなモンスターが追加されてるのかな?」
アリカは門の上からモンスターを観察する。
えーと……うわぁ…
アリカが目にしたのは、さらに数の増えたゴブリンナイトとゴブリンナイトより大きい体で全身鎧のゴブリンが三体、それとフォレストウルフに乗ったゴブリン、最後に3mぐらいの大きさで首に髑髏の装飾と太った腹、骨などで作られた王冠を被り、右手に巨木のような棍棒を持ったゴブリンだった。
「うわぁ…運営って頭おかしいの?プレイヤー勝てさせる気あるの?」
アリカがあまりの軍勢に弱音を吐露する。アイテムボックスからロングソードと短剣を取り出して装備する。
「さて…行くか」
アリカは門から飛び降りてモンスターの群れに突撃する、最初に接敵したのは、フォレストウルフに乗ったゴブリンだった、
「識別…」
『ゴブリンライダー』
HP:200
MP:31
『他のモンスターに乗って戦う珍しいゴブリン、モンスターに騎乗しているため機動力が高い。』
アリカは識別を使ってゴブリンを見ると、ある事に気づいた。
「騎乗モンスターにもHPが有るんだ、めんどくさいなぁ…」
ゴブリンライダーはアリカに突撃してくる、アリカはホルスターから投げナイフを取り出して投擲しマッドゴーレムを召喚する。
「最終決戦だし出し惜しみは無しで行く!」
ゴブリンライダーはマッドゴーレムの泥にフォレストウルフの足が絡め取られ動けなくなる。
『グギャ!?』『グルゥ!?』
「ウインドカッター、ファイヤーボール!」
アリカは動けないゴブリンライダーとフォレストウルフに魔法を放つ、ゴブリンライダーは炎に包まれて絶叫しながらポリゴンになり、フォレストウルフは風の刃で切り裂かれポリゴンに変わる。
「ふぅ、次行くかぁ…」
そうして別のモンスターを探す、アリカの目にとまったのは巨体でフルプレートを装備しており、右手にロングソード、左手に巨体と同じサイズの長方形の盾を持ったゴブリンだった。
「識別……は?」
アリカは目に映った情報に目を疑った、
『ゴブリンジェネラル』
HP:1000
MP:600
『ゴブリンの将軍、王直属のゴブリンで他のゴブリンとは隔絶した強さを持つ。』
HPが四桁!?コイツが複数体!?マジで運営、勝たせる気あるの?
アリカは運営に怒りが沸きながら武器を構える、
『フン……敵カ…』
ゴブリンジェネラルは少し喋り、盾を構える。
『…シールドチャージ!』
「!?、ぐっ!」
アリカは急に盾を構え突進して来たゴブリンジェネラルに跳ね飛ばされる。
盾を使った突進!?急いで体制を立て直さないと!!
アリカは空中で体制を立て直し地面に着地する。
「ファイヤーランス!!」
アリカはゴブリンジェネラルに炎の槍を飛ばす。
『無駄ダ…』
ゴブリンジェネラルは炎の槍を平然と受け止める。
「マジかぁ…」
アリカは自慢の魔法が軽く受け止められて少しショックを受ける。
アレ一応、私の切り札だったんだけどなぁ…
ゴブリンジェネラルは、そんかアリカの隙を見逃さずスキルを放ってくる。
『デュアルスラッシュ』
アリカに向けてX状の斬撃が飛んでくる。
「はぁ!?」
アリカは驚きながらもギリギリで斬撃を避ける。
『避ケタカ…』
「ふっざけんなよお前ぇ!?」
アリカは、あまりの理不尽さに口調が荒くなる。
強すぎるなぁ…本当に勝てるようになってるの?
アリカはアイテムボックスからポーションを取り出して飲み干す。
絶対一人じゃ勝てないし騎士君達を呼び出すか、
「召喚!!」
アリカの前方に騎士君達が召喚される。
『増エタカ…ダガ無意味ダ。』
「攻撃開始!!」
アリカは騎士君達に命令を下す、ゴブリンジェネラルは騎士君達の攻撃を盾で受け流す、
『…シールドバッシュ。』
ゴブリンジェネラルは盾でアイアンゴーレムを殴り飛ばす。
「解体ぃ…からのスラッシュ!!」
アリカは跳躍してゴブリンジェネラルに斬りかかる………が、
ガキン!
「!?」
ゴブリンジェネラルの鎧に弾かれる。
チィッ!!パワーが足りない!
『無駄ダ』
アリカは地面に降り立ち魔法を放つ。
「ファイヤーランス!!」
『遅イ!』
炎の槍はゴブリンジェネラルの剣によって真っ二つにされる。
『死ネ、デュアルスラッシュ』
ッマズい!?…避けられない!
至近距離から放たれた斬撃に体が動かない、アリカは咄嗟にある判断をする。
「召喚!!」
アリカは騎士君の護衛アイアンゴーレムを呼びだして盾にする。
ガキン!
っと音を立ててアイアンゴーレムを斬撃が切り裂くが、斬撃は止まらない。
止まらない…か、だけど速度は落ちた。まだ回避しきれないけど、これなら即死はしないはず…!!
アリカは避けれないと判断して、なるべくダメージを抑える為に動く。
ザシュ!!
ゴブリンジェネラルの斬撃がアリカの左腕を切り飛ばす、ポリゴンを放出しながら左腕が宙を舞う、アリカは激痛に顔を歪ませて声を噛み殺す。
「うぐぅ……」
アリカはロングソードを仕舞いポーションを取り出して飲むが、腕が再生しない。
『注意!!初級ポーションでの欠損部位の回復は出来ません。』
視界に赤い文字で欠損回復が出来ない事が知らされる。
痛ったいなぁ!左腕欠損してるから徐々にHPが減ってるし…早く終わらせないと、
アリカのHPが1分に1cmぐらい削られる。
『切リ落トセタノハ、左腕ダケカ』
マズいな、なんとかしないと負ける、ヤバい!ヤバい!ヤバい!どうしよ!?
アリカは苦し紛れにアイテムボックスから物を投げる。ゴブリンジェネラルに向かって皮袋が飛んでいく、それをゴブリンジェネラルは難なく切り裂く、
すると袋の中から白い粉が飛び出す。
『ム?猪口才ナ!!』
「あれは…小麦粉?」
アリカは小麦粉を見て何かを思いつく。
「出し惜しみは無し、ここで全部使い切る!」
アリカは右手でホルスターから投げナイフを取り出しゴブリンジェネラルを中心に円を描く様にマッドゴーレムを全て召喚する。
『何ヲスルツモリダ?』
「騎士君!足止めして!!」
ゴブリンジェネラルを騎士君が足止めする。
『鬱陶シイ!』
「ストーンウォール(×4 )!!」
ゴブリンジェネラルと騎士君を取り囲む様に石の壁が出現する。
『コレデ閉ジ込メタツモリカ?笑ワセルナ!!』
ゴブリンジェネラルによってストーンウォールは砕かれ、騎士君は吹っ飛ばされる、そうして辺りにストーンウォールのカケラによって砂埃が立ちこめる。
「マッドゴーレム!纏わりつけ!!」
ゴブリンジェネラルにマッドゴーレムが纏わりつく、
『鬱陶シイ!コンナ物、時間稼ギニシカナラン!』
ゴブリンジェネラルが剣を振るたびマッドゴーレムが倒されていく、アリカはポーションを飲みHPを全快させてアイテムボックスから小麦粉の袋を取り出してゴブリンジェネラルに投げる。
『嫌ガラセカ?意味ノ無イ事ヲ』
ゴブリンジェネラルはアリカの狙い通り小麦粉の袋を切り裂く。アリカは笑みを浮かべる。
アリカは小麦粉を自分でばら撒く。
「ねぇゴブリンジェネラル、粉塵爆発って知ってる?」
『何ダソレハ?』
ゴブリンジェネラルはマッドゴーレムを切り裂きながら聴く。
「粉塵爆発ってのはね、空気中に可燃性の粉末が浮遊し、そこに火が着くと一気に燃え上がって爆発するっていう現象なんだけどね?」
『ソレガドウシタ?』
「今の状況と似てると思わない?」
『マサカ…ヤルツモリカ!?オマエモ巻キ込マレルゾ!?』
アリカは手に魔力を集める。
『邪魔ダァ!!!』
ゴブリンジェネラルが阻止しようとするがマッドゴーレムが邪魔をして進めない。
「さよなら」
アリカは手にファイヤーボールを出す、すると炎が小
麦粉に引火して凄まじい速度で燃え上がる。
『グギャアァァァァァァァァァァァァ!!!!』
「ぐぅうううぐっがぁああぁぁあああ!!!」
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイ………
体が燃える、肺が焼ける、喉が乾く、血液が沸騰する、そんな発狂しそうなほどの痛みと熱に襲われる、1秒が長く感じて体が熱い筈なのに、ひどく寒く感じる、早く終わってくれと心の底から願う、そんな時間が続いた。
そうして火が収まった。
アリカはアイテムボックスからポーションを取り出して急いで被る、そうして焼かれた皮膚が再生する。
持ってて良かったぁ…忍耐の称号。
「ハァ、ハァ、ハァ、ふぅ………」
アリカはゴブリンジェネラルがどうなったかを見る、そこにあったのは鎧を着た全身黒焦げの焼死体だった。
《称号《火を統べる者》を獲得しました。》
《称号《火の神の祝福》を獲得しました。》
《スキル《火炎耐性5》を獲得しました。》
《スキル《恐怖耐性8》を獲得しました。》
《スキル《即死耐性1》を獲得しました。》
アリカはゴブリンジェネラルの死体をアイテムボックスに仕舞う。
そういえば…
「HPが減らないな…」
アリカは腕が欠損してるのにHPが減らない事に違和感を覚えた、そうして左腕の切断面を見てみると真っ黒に焦げていた。
「炎で炙って止血した事になったのかな?」
アリカは布を取り出して左腕の切断面に巻く、
「はぁ……魔力もカツカツで左腕を欠損してマッドゴーレムも使い切ったしアイアンゴーレム一体の消費二体の損傷、装備の耐久値の低下、ポーションの大量消費、これじゃあ戦えないなぁ…」
アリカは消費した物を数えて落ち込む。
「後は隠れて他のプレイヤーでも観察しようかな。」
そうしてアリカは隠密、存在隠蔽を使う。
主人公の称号解説、実は解説し忘れてた。
忍耐、どんな攻撃も一回はHP1で耐える。part4で獲得した称号、初のフォレストウルフ戦などでお世話になった。




